ケイの読書日記

個人が書く書評

熊井憲章「磯野家の年金・医療・介護」

2012-12-29 18:02:53 | Weblog
 筆者の熊井氏は社会保険労務士。磯野家というのは、もちろんあの、サザエさん一家。

 実は先日、ダンナが2週間ほど入院した。その時、病院から「高額医療費の手続きを取った方がいいですよ」とアドバイスされ、書類に記入して郵送した。どうやら、治療費の自己負担限度額を設定し、その額を超えた部分の医療費は、被保険者に払い戻されるらしい。
 いやぁ、ありがたい制度です。

 その時に、こういった事をもっとよく知りたいな。手軽に読めるハウツー本ってないのかな?と気に掛けていたのだ。そうしていたら、図書館でヒット!
 喜んで読んでみたものの、なかなか難しい。磯野家の波平やフネ、サザエ、ワカメ、カツオなどを例にとり、分かりやすく解説しているのだが…。私の頭じゃ、一度読んだだけじゃ無理! 手元に置いて、なにか疑問が出てきたらその部分を読む、というふうにすると理解できると思う。

 それにしても、筆者も書いているが、日本の社会保障というのは女性にすごく有利になってるね。
 だいたい、サラリーマンの妻が専業主婦なら、年金保険料を払わなくても払ったことになる第3号被保険者ってどうよ。独身女性や自営業者の奥さん、結婚していても正社員として働いて自分で保険料を払っている女性から、不公平だと文句が出るのも分かります。

 ただ、専業主婦も保険料を払わなくてはならなくなったら、ますます少子化が進むだろうなぁ。

 国も財政的に厳しいのだ。どうしても頼らなければ生活できないなら、頼るしかないだろうが、できるだけ自力でやりましょう。

 
 本年の最後のブログです。皆様、よいお年をお迎えください。
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京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)

2012-12-24 13:56:59 | Weblog
 「おんもらき」を変換したら一発で「陰摩羅鬼」になった。びっくり! これってメジャーな妖怪なの?

 長野県白樺湖畔にそびえ立つ洋館『鳥の城』。なぜ『鳥の城』と村人たちから怖れられるかというと、館内には、いたるところに鳥の剥製が飾ってあるから。博物学者だった先代、先々代がコレクションしたもので、おそらく世界最大規模らしい。
 そこでは当主の花嫁が初夜の翌朝変死するという事件が、何度も起きていた。
 それを防ごうと、5度目の婚礼にあわせ、探偵・榎木津礼二郎と、小説家・関口が招かれる。
 しかし、そのかいもなく5番目の花嫁も死んでしまう。
 いったいなぜ、誰が何のために?

 最後は、京極堂がさっそうと現れ、あざやかに謎を解き明かす。なるほど『死』の定義が違えば、そういう事も起こりうるだろう。

 しかし…、この花嫁連続不審死事件と、京極堂の謎ときまでの間が、長い!長すぎる!! いつも、この京極夏彦の作品は長いから、覚悟して読んでいたが、途中で何度もやめようかと思った。つまらないから。でも、せっかくなので、あくびを噛み殺しながら最後まで読む。(京極堂の登場部分はテンポよく話が弾み、面白く読める。)

 思うに、小説家・関口が語り手で記述される章が多く、それでつまらないのだ。
 関口が自分の事を、凡人だ、俗人だ、役立たずだ、無能だ、とエンドレスに話し続けている。話が進まないどころか後退する。うんざり。判りきっている事を際限なく繰り言いうな!!!  語り手を、だれか他の登場人物に代わってほしい。
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ケイの心の俳句

2012-12-18 09:02:55 | Weblog
みぃ太郎 そんなに湯たんぽ 恋しいか
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東野圭吾「悪意」

2012-12-17 14:50:27 | Weblog
 人気作家・日高が仕事場で殺害された。第一発見者は、妻と被害者の幼友達の二人。

 「誰が殺したのか」はすぐ判明するが、「なぜ殺したのか」は中々わからない。
 それどころか、被害者が死亡しているので「死人に口無し」とばかり、犯人が自分に有利なように供述したり、告白文を書いたりする。まるで、殺された人は自業自得のように。

 こういう事って、よくあるだろうね。

 例えば、いじめ自殺。
 自殺後、被害者は一時的には同情され、気の毒に思われ、加害者に対するバッシングもあるだろうが、それも一時的なもの。
 特に、いじめ問題では、被害者が一人で加害者が複数、ということがほとんど。
 だから、加害者同士が結束して、バッシングの嵐が過ぎ去るのを待ち、その後「いじめは無かった」と主張することも多い。

 私は愛知県に住んでいるけど、お隣の岐阜県瑞浪市で6年前、中学2年生の女子生徒が自殺。女子バスケットボール部内での友人関係のトラブルが原因で、遺書もあったようだ。
 その遺書の中で名指しされた女の子4人と、遺族側で裁判になっている。いまだ決着がついていない。

 その女の子4人のうちの1人が、地元新聞の取材に答えていて「いじめは無かった」と断言している。
 うーん、私は当事者じゃないから、何とも言えないが、女の子5人という奇数。もちろん、殴る蹴るといった暴力はないだろうが、ナイーブな女の子なら、仲間外れにされたと感じたことも、あったんじゃないだろうか?

 「自分としてはいじめたつもりは全くないが、相手が仲間外れにされたと悲しくなったことはあったかもしれない」こういった思いやりのあるコメントが、なぜ言えない? まぁ、この人も自分を守るために必死なのだろう。
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「絲的メイソウ」絲山秋子

2012-12-12 14:57:56 | Weblog
 小説現代で連載していたエッセイを1冊にまとめたもの。自分の事や、自分の周辺の事が色々書かれていて、思わぬ情報もあって面白い。

 例えば…背が高く大柄な人だ、という事は知っていたけど、若い頃なんとFカップあったそうだ。ちょっとどころか、大幅に意外!! 小柄な人がFカップだとモテるだろうが、大柄な人がFカップだと…大迫力で並みの男だと、声を掛けにくいのでは?

 それから、禿が大好き。これはウケを狙っている訳じゃなく、本当らしい。大好きなおじいちゃんやお父さんが禿で、禿には良いイメージしかないそうだ。

 それに、セブンスター1日60本! ここまで吸う人はイマドキ珍しいんじゃないか? 友人宅に招かれたけど、煙草をすう時、干した雑巾が凍り付いている寒ーいベランダに出なければならず、侘しかったと書いてある。
 もちろん、お酒も大好き! 体格がいいし、体質だろう、いくらでも飲める。(おじいちゃんもお父さんも、大酒飲みだった)
 でも、お祭りは大嫌いなんだよね。どうして?
「日本人なら、みんなで祭りを楽しめよ的な、押しつけがましさを感じるからムカツク」らしい。「ひき殺すぞ、クズどもが!」とアブナイ人になってます。

 小説家って、内向的な人を思い浮かべるけど、この絲山先生は、社会で立派に成功していくスキルを身につけている。
 22歳で大学を出て、一流企業に女性総合職として勤務、12年間転勤もいとわず立派な営業成績を上げた。
 彼女がどうして、ペンネームを遠い親戚の姓「絲山」にしたかと言うと…苗字は絶対「あ行」が良いと思ったそうだ。なぜなら、自分が書店や図書館で「あ行」の作家の本から順に見るから。
 こういう所が、他の女流作家と違う骨太さだよね。
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