ケイの読書日記

個人が書く書評

西尾維新「難民探偵」

2010-06-28 10:13:15 | Weblog
 以前から西尾維新の作品は読みたいと思っていた。でも、あの、あまりにもライトノベル系の表紙絵を見ると…なかなか手に取る事が出来ない。
 なんやかんやで今まできたが、今度、彼にすればちょっと毛色の違った小説を書いたみたいなので、さっそく図書館で予約する。


 『難民探偵』たしかに、人が不自然な状況下で殺され、それを難民探偵が推理し事件を解決していくのだが、その推理小説っぽい部分は、全体の1/4くらい。

 あとの3/4は、語り手である就職浪人の元女子大生、彼女の叔父で居候先でもある売れっ子作家、元エリート警視で、今はネットカフェ難民をやっている中年男、この3人の愚痴や自省や社会への憤りで埋め尽くされている。


 流行作家の窓居京樹は、西尾維新自身がモデルのせいか、年若くして売れっ子作家となってしまった悩みなどをポロっとつぶやく事がある。

「『累計百万部突破』という本屋でよく見かけるあの帯が、言うほどたいした事じゃないように思えるようになった時に、作家としての俺は死んだんじゃないかと思いますよ。」


 そうだよね。西尾維新、若いし売れてるもんね!!(まだ30になってない?!) 若くして成功してしまった者の苦しみ…なのかな?

 戯言シリーズ、零崎シリーズ、面白そう、でもオバサンに読みこなせるかどうか不安。
 そうそう、DEATH NOTE のアナザーストーリーも書いているんだ。まず、それを読んでみよう。
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岸本葉子「ゆる気持ちいい暮らし術」

2010-06-23 11:02:08 | Weblog
 このエッセイには関係ないが『ゆる体操』なるものがあるらしい。

 実は子どもの通っていた中学校のバスケ部の顧問がこの『ゆる体操』に凝っていて、部活の前や授業の前に、生徒達に『ゆる体操』をするよう強く指導するらしい。
 運動や勉強に効果があるのだとか。

 それが、我が家の子どもに大変不評で文句たらたら。聞いているこっちもウンザリする。
 でも…『ゆる体操』なんて、身体によさそうなネーミングだなぁ。私もやってみたい。

 このバスケ部の顧問の先生は『ゆる体操インストラクター』の資格も取ったらしい。費用が何十万もかかったとか。お値段の方は『ゆる』じゃないのね。


 さて、岸本さんのエッセイ「ゆる気持ちいい暮らし術」に戻ろう。
 土鍋で炊くご飯、写経、俳句、ひまひま鉄道旅行、精進弁当などなど、岸本さんが暮らしの中で見つけた「ゆる」が一杯。
 そのせいか私も眠くなってしまいました。
 横を見れば猫がお昼寝中。

 失礼ですが「ゆる気持ちいい」は岸本さんより猫の方が一枚上手のようです。
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サボテンの花

2010-06-22 21:22:13 | Weblog
みぃ太郎がいるのでサボテンやアロエくらいしかベランダにはありません〓 1日で萎れてしまいますが大きな花で綺麗です〓〓
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都筑道夫「朱漆の壁に血がしたたる」

2010-06-18 13:29:24 | Weblog
 心霊探偵・物部太郎と片岡直次郎のシリーズ第三弾。

 能登の旧家の、内部を真っ赤な朱漆で塗った土蔵の中で美女が殺害され、犯人としてそのすぐそばにいた直次郎が逮捕される。

 ものぐさ太郎の末裔を自認する、超なまけもの・物部太郎もさすがに部下の窮状をほってはおけず、調査に乗り出す。

 ストーリーやトリックは…可も無く不可も無く、という所か。
 しかし、最後まで面白く読めた。なぜか?やっぱり、ものぐさ太郎とその部下・直次郎のキャラによるものだと思う。
 例えば、直次郎が駐在所から手錠を掛けられたまま、太郎に help me と頼む時の会話が全く噛み合わなくて漫才のように面白い。

 それに、太郎が大金持ちのぼんぼんという設定のせいか、作者の都筑道夫の育ちがいいのが滲み出るせいか、太郎の服装や持ち物や趣味がすごくオシャレで垢抜けているのだ。
 そういった雰囲気を楽しむ事が出来る。


 ものぐさ太郎シリーズは、この第三作目で終了した様だ。『なめくじ長屋シリーズ』なんて止めて、こっちを書けばいいのに。やっぱり本格風味だから難しいのだろうか?
 ああ、残念!! 都筑道夫じゃなくても、誰がこのシリーズを書きたいという推理作家はいないんだろうか?
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コナン・ドイル「緋色の研究」

2010-06-13 21:11:59 | Weblog
 この「緋色の研究」は、児童向けに書き直されたホームズ物で、子どもの頃読んだ覚えがある。
 そりゃそうだ、ホームズとワトスンが出会った記念すべき第一作だもの。でも私はこのストーリーをキレイさっぱり忘れてしまっていた。

 それなのになぜこの「緋色の研究」を読んだ事が分かったかというと…ワトスンがホームズの知識の偏りを箇条書きにしている場面を、ハッキリ覚えているからだ。
 でも有名な「アフガニスタンへ行ってこられたんでしょう?」は全く覚えていない。
 また、事件の原因となったモルモン教の話も全く覚えていない。

 児童向けのホームズだから、大幅にカットされていたのかもしれない。(もちろんホームズがコカイン常用者だということはカット)

 そもそも私は子どもの頃読んだホームズには、あまり面白さを感じなかった。ルパンは恋愛あり冒険ありで夢中になって読んだが、ホームズについては、何でそんなに有名なんだろう?と不思議だった。
 やっぱりホームズは大人になって読まないと、その面白さが分からない。

 この「緋色の研究」にしても、奇妙な事件そのものよりも、ホームズの一風変わった独特な性格のほうがうんと面白い。
 そして19世紀後半ヴィクトリア女王時代の霧のロンドン、スコットランドヤード、ベーカー街のストリートキッズ達、こういう雰囲気は児童向けの本では決して味わえないものだから。

 そうそう、今回読み直してみて新発見が一つ。
 先日公開された「シャーロック・ホームズの冒険」の中に、ホームズの実験によって硬直状態になったブルドックが出てきた。ハドソン夫人はブルドックなんか飼ってたんだろうかと気になっていたが、ワトスンの犬なんだ。ワトスンがブルドックの仔犬を飼っているという記述があった。へぇー!!!!
コメント (2)
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