ルノワールの絵のような、素敵な表紙だったので、手に取って中をパラパラ見ていたら…どうやら、1738年フランスに生まれたグルヌイユという香水調合師の話らしい。こりゃ、面白そうだ。1789年がフランス革命の年だから、きっとこのグルヌイユという男は、自分の優れた嗅覚という才能を使って、貴族たちに取り入り、フランス宮廷の影で暗躍する話ではないか?と勝手に期待に胸を膨らませて読んだが…まったくの空振り、がっかりした。
ルイ14世とかポンパドール夫人といった固有名詞は出てきたが、ただそれだけ。
グルヌイユは、香水調合師としての修業時代はパリに住んだが、その後フランス南部に行き、そこで大量殺人を引き起こす。
ふくらみかけた蕾ような年頃の美少女ばかりを狙って殺害し、その匂いをコレクションする。
このグルヌイユの鼻は、本当にすごい! 犬並み! なにせ、子供のころ、養い親が隠したお金を、匂いで探し当てたのだ。金属って匂いがあるんだね。
成長するにつけ、香水調合師の修業の成果もあったろうが、その天才的な嗅覚はどんどん研ぎ澄まされ、ついには、匂いで人を支配できるようになる。
例えば、自分の娘をグルヌイユに殺され、彼を八つ裂きにしてやると憎みぬいている父親に、グルヌイユが調合した香料を嗅がせると…「赦しておくれ、息子よ、愛しの息子よ、この私を赦しておくれ」と涙を流し、グルヌイユを抱きしめるのだ。
でも、そういった嗅覚で人を意のままに操るのは一時的で、すぐに匂いに人は慣れてしまうし、匂いも消えてしまう、あるいは変化する。
確かに、匂いは大事なものだ。現代日本では、体臭というものは忌み嫌われるが、妙に人を引き付ける体臭だってある。楊貴妃は、豊満な肉体で陰毛は床に届くほど長かったとか。つまり、体臭は強かったと思われるが、その女の匂いで玄宗皇帝をノックアウトしたのだろう。
そういえば、有栖川有栖の『双頭の悪魔』にも、調香師が登場する。そして、香りが大きなカギとなる。香りで、こんなこともできるんだと驚いた。興味のある方は、どうぞ、読んでみて。
ルイ14世とかポンパドール夫人といった固有名詞は出てきたが、ただそれだけ。
グルヌイユは、香水調合師としての修業時代はパリに住んだが、その後フランス南部に行き、そこで大量殺人を引き起こす。
ふくらみかけた蕾ような年頃の美少女ばかりを狙って殺害し、その匂いをコレクションする。
このグルヌイユの鼻は、本当にすごい! 犬並み! なにせ、子供のころ、養い親が隠したお金を、匂いで探し当てたのだ。金属って匂いがあるんだね。
成長するにつけ、香水調合師の修業の成果もあったろうが、その天才的な嗅覚はどんどん研ぎ澄まされ、ついには、匂いで人を支配できるようになる。
例えば、自分の娘をグルヌイユに殺され、彼を八つ裂きにしてやると憎みぬいている父親に、グルヌイユが調合した香料を嗅がせると…「赦しておくれ、息子よ、愛しの息子よ、この私を赦しておくれ」と涙を流し、グルヌイユを抱きしめるのだ。
でも、そういった嗅覚で人を意のままに操るのは一時的で、すぐに匂いに人は慣れてしまうし、匂いも消えてしまう、あるいは変化する。
確かに、匂いは大事なものだ。現代日本では、体臭というものは忌み嫌われるが、妙に人を引き付ける体臭だってある。楊貴妃は、豊満な肉体で陰毛は床に届くほど長かったとか。つまり、体臭は強かったと思われるが、その女の匂いで玄宗皇帝をノックアウトしたのだろう。
そういえば、有栖川有栖の『双頭の悪魔』にも、調香師が登場する。そして、香りが大きなカギとなる。香りで、こんなこともできるんだと驚いた。興味のある方は、どうぞ、読んでみて。