小説家のポートレイトというと、誰を思い出すかといえば、私は芥川龍之介。
夏目漱石でも、森鴎外でも、大江健三郎でも、三島由紀夫でもなく(そういえば、川端康成って、ちょっと芥川に似てるね)もちろん、又吉では絶対ない!
芥川の、神経質そうな、頭が良さそうな、30歳になる前に自死しそうな(実際、35歳で睡眠薬自殺している)そういった雰囲気が、私の小説家のイメージにピッタリなのだ。
だから、この『戯作三昧』という短編の主人公のモデルが、『南総里見八犬伝』を書いた滝沢馬琴ということに、少し驚いた。だって、滝沢馬琴って、幸せな家庭生活を営み、天寿を全うした物語作家だと思っていたから。だから、芥川が、それほど興味を引く対象だとは思ってなかったのだ。
話は、馬琴が珍しく朝湯に行ったところから始まる。
高齢で視力も落ちている馬琴が、身体を洗っていると、彼のファンという男が声をかけてきて褒めちぎる。その男がどこかへ消えると、今度は馬琴のアンチファンらしい男が、馬琴に聞こえるように「馬琴など大したことはない。十返舎一九や式亭三馬の方が、よっぽど素晴らしい」と銭湯中の客にしゃべりまくる。
銭湯から帰ると、出版元の和泉屋が来ていて、今注文している仕事の他に、もう1本書けないかと要求される。
それも、ライバル作家の○○さんは、仕事が早くて出来がいいと、プレッシャーをかけて。
やっとのことで、和泉屋を追い出すと、仲のいい渡辺崋山が画を持って遊びに来て、しばし談笑。やはり、同じ創作者だと、話も弾み刺激を受ける。
しかし、妻からは、大したお金にならないのに、書き物ばかりしていると不満を言われる…。
ああ、これって芥川龍之介の事なんだ。自分を馬琴になぞらえているんだね。
馬琴の奥さんに言いたい!「あなたの亭主の名前は、200年近くたった今でも、日本の教科書に載っているんですよ! 素晴らしい人なんですよ!」って。
夏目漱石でも、森鴎外でも、大江健三郎でも、三島由紀夫でもなく(そういえば、川端康成って、ちょっと芥川に似てるね)もちろん、又吉では絶対ない!
芥川の、神経質そうな、頭が良さそうな、30歳になる前に自死しそうな(実際、35歳で睡眠薬自殺している)そういった雰囲気が、私の小説家のイメージにピッタリなのだ。
だから、この『戯作三昧』という短編の主人公のモデルが、『南総里見八犬伝』を書いた滝沢馬琴ということに、少し驚いた。だって、滝沢馬琴って、幸せな家庭生活を営み、天寿を全うした物語作家だと思っていたから。だから、芥川が、それほど興味を引く対象だとは思ってなかったのだ。
話は、馬琴が珍しく朝湯に行ったところから始まる。
高齢で視力も落ちている馬琴が、身体を洗っていると、彼のファンという男が声をかけてきて褒めちぎる。その男がどこかへ消えると、今度は馬琴のアンチファンらしい男が、馬琴に聞こえるように「馬琴など大したことはない。十返舎一九や式亭三馬の方が、よっぽど素晴らしい」と銭湯中の客にしゃべりまくる。
銭湯から帰ると、出版元の和泉屋が来ていて、今注文している仕事の他に、もう1本書けないかと要求される。
それも、ライバル作家の○○さんは、仕事が早くて出来がいいと、プレッシャーをかけて。
やっとのことで、和泉屋を追い出すと、仲のいい渡辺崋山が画を持って遊びに来て、しばし談笑。やはり、同じ創作者だと、話も弾み刺激を受ける。
しかし、妻からは、大したお金にならないのに、書き物ばかりしていると不満を言われる…。
ああ、これって芥川龍之介の事なんだ。自分を馬琴になぞらえているんだね。
馬琴の奥さんに言いたい!「あなたの亭主の名前は、200年近くたった今でも、日本の教科書に載っているんですよ! 素晴らしい人なんですよ!」って。