見知らぬ人の手紙

　大阪府在住の方から封書が届いた。見知らぬ人である。私の新聞投稿文に共感したと書かれていた。

　大体、全国紙の場合、東京、大阪、西部にそれぞれ本社がある。西部本社の投書欄は全国的な投稿採用者のなかで、管轄の九州区域から二人程度が掲載されている。つまり、私の投書は他の本社版とは無関係な九州ローカルの枠として載せるのだと思う。
　それが、大阪本社版で読んだとなれば、他の区域では逆に全国的な投稿者として掲載されるものなのか。

　それはともかく、こういう手紙に返事を書くものかどうか迷った。結論としては無視することにした。

　釈然としないのは、住所をどうして知ったのかである。新聞社は教えるはずがない。ツテから電話帳で分かったのだろうか。
　せめて住所はこれこれで知りました、とあれば返事のしようもあった。

ヤモリのめし処

　毎晩、めしを喰いに現れる。いや、なにヤモリのことです。
　窓ガラスに張りついて、灯に誘われて飛んでくる小さな虫を待ち構えている。ここはヤモリのめし処である。獲物がいると、抜き足差し足でにじり寄り、パクっと咥えこむ。まさに電光石火の早業である。
　時には、11時過ぎてもいる。思うように獲物がいないのかもしれない。

　ガラス越しに体長を物差しで測ると10センチほどだ。そのうち尻尾は4センチもある。その先端がクネクネと動かしている。どんな意味があるのだろう。おいしいエサを見つけて喜んでいるしぐさか。

　こうして、ヤモリの生態を眺めていることでした。

ギャンブル依存

　厚労省の調査によれば、ギャンブル依存症の疑いが536万人とか。これ、成人の5％に相当するそうだ。
　
　違法な賭博は含まれないだろうから、公営の競馬、競輪、競艇、オートが対象のギャンブルだろう。しかし、地方競馬は廃止になったところもある。最近、船橋オートも廃止の方向というニュースがあった。中央競馬はまだ華やかだと思うが、土日だけの開催では依存症は深刻と思えない。要するに、これら公営ギャンブルは依存症を押し上げていないだろう。
　私も中央競馬にはまった時期はあったが、1か月ほどヨーロッパを旅している間に熱が冷めた。
　
　となれば、全国津々浦々にあるパチンコが元凶となる。実際、市街地や国道沿いのパチンコ屋には平日にもかかわらず駐車台数が多い。パチンコ屋の前や近くに消費者金融の店があるのは、たまたまというわけではあるまい。
　私はパチンコに興味がない。だからパチンコ税に賛成ですわ。

肩書市民

　市の附属機関としての審議会、委員会等の委員の委嘱は肩書重視に偏っている。
　学識経験者や専門家は別として、一般公募にもかかわらず、実はNPOをはじめ何らかの団体などに所属する人を優先で選考しているのだ。これを肩書市民と言っている。

　属性を持たない一介の市民が応募しても撥ねられる。ひがみではないが、現に私も応募して不採用だったことがある。前歴や経験からいって腑に落ちない。
　
　アリバイ作りのような会議だから権威づけしたほうがよいという委員の人選だろうが、肩書市民は必ずしも有為な人材とは限らない。
　市の条例では市民から公募することになっているのだから、多くの市民を活用することを考えてほしいものだ。それが公募の意義だろう。
　もし、公募者が少ないのであれば、裁判員制度の「裁判員候補者名簿」のように、名簿を作って候補者を選べばよいではないか。

裏山

　広島の土砂災害で多数の人的被害が出た。現場地区は山の懐深くにまで住宅は密集している。過去にも土砂被害があったようだが、経験が安全対策につながっていない。警察でも児童相談所でもそうだが、日本の役所は総じて後手に回る。
　
　私の住まいの裏にも山がある。ただ、その間に庭、花壇、畑があり、およそ70~80ｍの懸隔がある。とはいえ、グワッと土砂が押し寄せればどうなるかわからない。
　
　鬱蒼とした樹木に覆われた山だから、たとえ雨量が多くても保水力が高いと思っている。また、隣家の脇に山からの水路があって、大雨になると山の水が激流になって流れる。山に降った雨水はその水脈に輻輳してくるのではないか。
　
　流れ出てくる山の水は道路や宅地にあふれるものだが、そうはならない。裏山の水は道路の下にあるトンネルを通って川に注ぐからだ。
　山と川がタイアップした地形であるので安心している。