ある法則

　近所の飲み屋で禁煙したよと言うと、知り合いが「まぁ、どうぞ」とたばこ箱を出した。とっさに手が出ると期待したか。
　
　たまたま読んだエッセーに、エミール・クーエなる人物の唱えた法則があった。「意志と想像力が争えば必ず想像力が勝つ」のだそうだ。
禁煙する意志は一服する安らぎの想像にもろくも崩れるということか。いや、よくわからない。
　
　以前は酒を飲むと、余計にたばこの本数が増えたものだ。それが乗り越えたわけだから意志が克っている。ただ、パイポをくわえっぱなしである。