裏山

　広島の土砂災害で多数の人的被害が出た。現場地区は山の懐深くにまで住宅は密集している。過去にも土砂被害があったようだが、経験が安全対策につながっていない。警察でも児童相談所でもそうだが、日本の役所は総じて後手に回る。
　
　私の住まいの裏にも山がある。ただ、その間に庭、花壇、畑があり、およそ70~80ｍの懸隔がある。とはいえ、グワッと土砂が押し寄せればどうなるかわからない。
　
　鬱蒼とした樹木に覆われた山だから、たとえ雨量が多くても保水力が高いと思っている。また、隣家の脇に山からの水路があって、大雨になると山の水が激流になって流れる。山に降った雨水はその水脈に輻輳してくるのではないか。
　
　流れ出てくる山の水は道路や宅地にあふれるものだが、そうはならない。裏山の水は道路の下にあるトンネルを通って川に注ぐからだ。
　山と川がタイアップした地形であるので安心している。