夏場になると、決まって机の前の窓ガラスにタモリが張り付く。1匹の場合が多いが、2匹や3匹のときもある。
2匹の場合、縄張り争いなのか接近すればいがみ合う。それで1匹はコーナーに控える。3匹の場合は1匹が小型だから親子3匹の勢揃いかと思ったりする。
言うまでもなく灯りを求めて翔んでくる羽虫が狙いだ。言わばヤモリの猟場である。たまに読書をやめて、電気スタンドを窓に差し向ける。唐突に光を浴びて、ヤモリはそそくさと暗がりに移動する。だが、羽虫が灯りに群がると、嬉々(多分)として狩りがはじまる。
ゴマ粒ほどの虫が多いが、小ぶりの蛾の頭もかぶりとかみつく。蛾は両羽が激しく羽ばたいたが、やがてのみ込まれた。
この狩りは7時台から11時すぎまで続く。それ以降は知らない。なぜなら私は電気を消して隣室の寝床に行くからだ。