犬と自由散歩

　犬のマルと朝の散歩をする。夕方はかみさんの担当である。
　とにかく散歩好きなのか、その時間の9時半ごろになるとそわそわして散歩を催促するのだ。

　散歩コースに里道が多い。農作業の軽トラがたまに通るくらいで交通事故の心配はない。それでリードを外す。
　なにしろ、犬はマーキングや嗅覚のおもむくままに道草をするので、こっちは立ち止まることが多い。先に歩いて100mも離れていても転がるように走ってくる。

　先日、丘陵の頂上から下り道にさしかかったのでリードを外した。そして数百メートル先の坂下で待った。ところが待っても下りてこない。コンチキショウと思いながら来た道に戻って、見つからないままその丘陵を往復してしまった。

　結論をいえば、迷子犬になることはなく後から家に戻ってきた。どうやら、犬は飼主のフォロー・ミイに忠実とは限らないらしい。おのれの好きな道と時間を思う存分楽しんでから家路につくようだ。