本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

ガチャマン

2019-04-12 09:03:52 | Weblog
 だいぶ古い話になる。福井市に出かけた時、「ガチャマン」という言葉を聞いた。微妙に似ているが「ガッチャマン」ではない。
「ガチャマン」とは「機織り機がガチャンと1回動けば万札が入る」というほど大儲けした意味の言葉、と教わった。繊維産業が糸へん景気といわれて栄えたことの象徴的な言葉らしい。

 それから10年ぐらい経ってのこと。ソウルで韓国財閥の碧山グループのIT子会社の社長から「ガチャマン」とはどういう意味ですかと訊かれた。
 母国語すなわち韓国語に訳している日本のコンピュータ関連の専門書にその言葉が出てきたという。

 日本語に堪能な社長だが、さすがにこの言葉には首をひねったようだ。ただ、私も久しく忘れていた言葉だったのでその場で思い出せなかった。夜になって韓国焼酎を酌み交わしながら談笑したときにやっと「ガチャマン」の記憶がよみがえった。

 その意味を説明して納得した社長は「そういえば日本の好景気は朝鮮戦争の特需がトリガーだったと聞いています」と言った。「ガチャマン」という活況も朝鮮戦争に寄りかかったかもしれない。実際、休戦になって繊維業界が反動不況になったことも事実のようだ。

 それから去年の話になるが、それは明日に。