本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

レジ係

2017-04-01 09:06:05 | Weblog
 昼めしを喰おうと、カウンターに10脚ほどの小体(こてい)の天ぷら屋に入った。初めて入った店である。
 先客は喰い終わると、そのまま出て行った。「ありがとうございます」と店のおかみが言うのだから食い逃げではない。料金は先払いしたわけか。
 
 勘定を払うときに気がついたが、入り口の横のへこんだ場所に食券の券売機があるではないか。
 この機械を正式になんと呼ぶか知らないが、東京の立ち食いソバ屋などでよく見かける。
 
 立ち食いソバ屋では場所は狭いのでレジスターを置くスペースに難点があろう。それに、店主か店員がソバに使う手とカネの受け渡しの手とが同一ではマズイだろう。それにレジ係を雇うとコスト増になる。なによりも券売機は売上額の把握に便利なのだろう。
 
 その天ぷら屋は夫婦で運営しているようだ。かみさんはお茶を出したり、定食のごはんや味噌汁を賄ったりするようだ。たしかにスペースは広くないが、会計も兼任できそうだ。そもそも食券を買ってくださいと言われなかった。めしを喰ってからの支払いでもよいようだ。不思議なやり方だな。
 
 キャシュ・レジスターで思い出した笑い話がある。
 ロンドンのパブは売り上げが少ない。店に出ていないオーナーは売上をごまかしていないかとあやしんだ。そこで探偵に調べさせた。探偵は天井の節穴から監視して、後日、オーナーに報告した。
 「ごまかしていません、四つのレジスターにきちんと入金していることを確認しました」
 「えっ、うちのレジスターは三つしかないぞ」