このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、8年2ヶ月目となります。実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。
なお、前号をご覧になっている方は間を飛ばして<4.運用実績>からご覧ください。また、最新号をご覧になりたい方は(本サイトの)メインメニューの「実況中継!資産運用」をクリックしてください。
■前号:http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=815
<1.運用方針>
1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、今や全額投資状態になっていますのでポートフォリオ重視になりました。どちらかというと「上がったら売り」ですかね。
5.投資比率は、リスクが低めの債券を少なくとも1/4くらいは維持しようと思います。
<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。
<3.現在の運用割合>
概ね全額投資=フルインベストメントに到達しています。今後はタイミングを見計らって売却しながらバランスを維持していきたいと思います。
商品別の投資方針ですが、ある程度の安全性を確保する観点から上記の通り債券ものは一定の割合を維持しようと考えています。
株ものについては、日本株は高配当株と新興市場株に投資しています。日本株についてはそれほど強気ではないものの、長期的には日本債券よりはましなパフォーマンスを期待できることから、現状15%くらいのシェアで保有しています。
海外株は中国(香港)、アジア、ロシア・東欧などの新興国を中心に投資してきたことに加え、投資の機会を逸してきたインドとブラジルも追加してみました。金額はわずかですけれど。現状、新興国は20%くらいです。
また海外株の方でも高配当株に投資しています。新興国に偏っているポートフォリオを調整するのが狙いです。
それ以外には、REIT(不動産投信)にも10%くらい投資しています。インフレに強い資産のはず、です。
<4.運用実績>
まずは運用実績の前月との比較です。今月は前月比マイナス1万円と残念ながらマイナスでした・・・。ただ四捨五入すれば「マイナス1万円」ですが、実際には上記の通り「マイナス7,716円」ということですね。
つまりは差はわずかであり「ほぼ変わらず」ということになります。「ほぼ変わらず」なのであれば「わずかでもプラス」でいいようなものですが、「わずかでもマイナス」になるあたり、この運用の「力弱さ」を感じずにはいられません・・・。
ただ一方で、今月の運用成績はもっと苦戦するかと思っていましたので、実際にはトントンだったことはありがたいことだと言えます。では今月、なぜ苦戦すると思っていたかといえば、先月もそうですが、日経平均が低迷していたからですね。グラフはこのようになっています。
■日経平均(1年)
トレンドを見れば急低下しているというより、年初をピークになだらかに下落しているわけですが、下がる日の落ち込み方が半端なく、200円・300円といった規模でズドンと落ちるので、より「下落感」が鮮明ですね。
ここ最近の株価の低迷はやはり、日銀の追加的な金融緩和期待が後退したことが要因と思われます。
消費税増税後の景気低迷を避けるために、今年4月以降の追加的な金融緩和の実施は確実と思われてきたわけですが、日銀の黒田総裁は現状の政策のままで、つまり追加的な金融緩和がなくとも2%のインフレ目標達成は十分可能と自信たっぷりなために、こうした予測・期待がかなり後退した、ということですね。
筆者も不勉強でしたが、インフレの指標となる消費者物価指数は「税込み」の価格が採用されています。つまり今年は増税の影響で指数は「+3%」、自動的に上昇することになります。
さらに来年も消費税が2%上乗せされるとすれば、物価も同じ分上昇しますので、黒田総裁がインフレ目標達成に自信タップリなのも当然なのですね・・・(苦笑)。
もちろん、2016年以降はそうした増税効果がなくなるため、いよいよ金融緩和の真価が問われることになるわけですが。
それはともかくとして、追加的な金融緩和が実施されれば、金融市場にお金があふれることから株価が上昇しやすくなることに加え、最近では日銀自身も株式を購入しているために、相乗効果で株価の上昇要因となってきます。
逆にそうした期待が剥げ落ちれば株価は下がりやすくなるということですね。
しかしながら繰り返しになりますが、日本株の低迷にも関わらず全体の成績はそこまで落ち込まなかったということは、何かがその日本株の苦戦の埋め合わせをした、ということになります。
まず世界経済のエンジンであるアメリカ株はこのようになっています。
■アメリカの株価(1年)
つまりは先月までの足踏み状態から持ち直して、再度上昇し始めているということですね。アメリカの株価が好調であれば、他の先進国の株価も概ね堅調だと言えます。
では残る新興国株はどうかと言うと、新興国の株価推移をチェックするとこうですね。
■新興国の株価(1年)
こちらはかなりギッタンバッタンしているものの、2月ごろを底にして概ね上昇基調にありますね。ありがたい傾向です。
ではなぜ新興国株が一時の低迷から回復してきたかと言うと、昨年冬に決定されたアメリカの金融緩和縮小に対する極端な警戒感が和らいできた、というのがあるのでしょうね。
アメリカの金融緩和縮小が進めば、直接的に金融市場から緩和マネーが減少するほか、間接的にも米ドルとアメリカの金利が上昇することにより、海外に出ていた投資マネーがアメリカに還流していくことになります。
そうなると、そうした投資マネーに特に依存していた新興国の株価は大きな影響を受けると考えられてきたわけですね。
ただ実際にはアメリカの金融緩和縮小ペースは非常にゆったりとしたものですし、米ドルもアメリカ金利も言うほどは上昇していません。むしろ最近では低下傾向にあることが話題となるくらいです。
そうしたことを背景に、新興国株に極端な警戒感が徐々に和らいできた、ということではないかと思います。
そもそもなぜアメリカが金融緩和縮小を決定したかと言えば、アメリカ経済が徐々に回復してきたからですね。景気回復と共に株価が下がるというのはやはりおかしな話で、今後は世界経済の復調と共に新興国経済も新興国株価も上昇・拡大していくと考えるのが自然だと思います。
ということで、トレンドとしては日本株のみダメ、アメリカを始めとする先進国や新興国は復調、という流れになっているわけですが、ただ今月の運用実績を各資産ごとに見てみると、日本株に加え、中国株やアジア株が足を引っ張ったことが分かります。
一方、インドやブラジル、ロシアといった他の新興国は好調ですね。このように「新興国」の中にも個別の動きがあるというのは頭の片隅に入れておいた方が良さそうです。
特に中国株の動向は実体経済にも影響がありそうなだけに注意が必要ですね。もちろん当方のポートフォリオにも影響が大きいわけですが・・・。
通算成績としては、海外債券/先進国、海外債券/新興国、海外株式/高配当株、中国株、海外株式/アジアの5つが黒字を維持しています。
また今月はついに海外株式/インドが黒字となりました!黒字幅はわずかですが・・・。他の資産も黒字間近なものが多いですね。期待しておきたいと思います。
全体の通算成績の推移ですが、今月は残念ながらマイナスでしたが、赤字幅はわずかだったこともあり、引き続き黒字を維持しています。このまま踏ん張り、リターンが拡大していくことを期待したいと思います。
目標としては毎年25万円の利益ということなので、10年目となる来年4月での目標は「225万円の黒字」ということになります。道のりは、はるか遠いです・・・。
<5.今月の追加投資/売却>
今月は追加も売却もありませんが、当面は購入というよりは売却のタイミングを探っていくことになりそうです。
<6.他ファンドとの比較>
筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。
・3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
・グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)
そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが緑、グロソブがピンクです。
先月に引き続き2位ということですね。早期に1位復帰することを期待したいと思います・・・。
では次回も来月のこの頃に更新予定です。再上昇にご期待ください。
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<1.運用方針>
1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、今や全額投資状態になっていますのでポートフォリオ重視になりました。どちらかというと「上がったら売り」ですかね。
5.投資比率は、リスクが低めの債券を少なくとも1/4くらいは維持しようと思います。
<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。
<3.現在の運用割合>
概ね全額投資=フルインベストメントに到達しています。今後はタイミングを見計らって売却しながらバランスを維持していきたいと思います。
商品別の投資方針ですが、ある程度の安全性を確保する観点から上記の通り債券ものは一定の割合を維持しようと考えています。
株ものについては、日本株は高配当株と新興市場株に投資しています。日本株についてはそれほど強気ではないものの、長期的には日本債券よりはましなパフォーマンスを期待できることから、現状15%くらいのシェアで保有しています。
海外株は中国(香港)、アジア、ロシア・東欧などの新興国を中心に投資してきたことに加え、投資の機会を逸してきたインドとブラジルも追加してみました。金額はわずかですけれど。現状、新興国は20%くらいです。
また海外株の方でも高配当株に投資しています。新興国に偏っているポートフォリオを調整するのが狙いです。
それ以外には、REIT(不動産投信)にも10%くらい投資しています。インフレに強い資産のはず、です。
<4.運用実績>
まずは運用実績の前月との比較です。今月は前月比マイナス1万円と残念ながらマイナスでした・・・。ただ四捨五入すれば「マイナス1万円」ですが、実際には上記の通り「マイナス7,716円」ということですね。
つまりは差はわずかであり「ほぼ変わらず」ということになります。「ほぼ変わらず」なのであれば「わずかでもプラス」でいいようなものですが、「わずかでもマイナス」になるあたり、この運用の「力弱さ」を感じずにはいられません・・・。
ただ一方で、今月の運用成績はもっと苦戦するかと思っていましたので、実際にはトントンだったことはありがたいことだと言えます。では今月、なぜ苦戦すると思っていたかといえば、先月もそうですが、日経平均が低迷していたからですね。グラフはこのようになっています。
■日経平均(1年)
トレンドを見れば急低下しているというより、年初をピークになだらかに下落しているわけですが、下がる日の落ち込み方が半端なく、200円・300円といった規模でズドンと落ちるので、より「下落感」が鮮明ですね。
ここ最近の株価の低迷はやはり、日銀の追加的な金融緩和期待が後退したことが要因と思われます。
消費税増税後の景気低迷を避けるために、今年4月以降の追加的な金融緩和の実施は確実と思われてきたわけですが、日銀の黒田総裁は現状の政策のままで、つまり追加的な金融緩和がなくとも2%のインフレ目標達成は十分可能と自信たっぷりなために、こうした予測・期待がかなり後退した、ということですね。
筆者も不勉強でしたが、インフレの指標となる消費者物価指数は「税込み」の価格が採用されています。つまり今年は増税の影響で指数は「+3%」、自動的に上昇することになります。
さらに来年も消費税が2%上乗せされるとすれば、物価も同じ分上昇しますので、黒田総裁がインフレ目標達成に自信タップリなのも当然なのですね・・・(苦笑)。
もちろん、2016年以降はそうした増税効果がなくなるため、いよいよ金融緩和の真価が問われることになるわけですが。
それはともかくとして、追加的な金融緩和が実施されれば、金融市場にお金があふれることから株価が上昇しやすくなることに加え、最近では日銀自身も株式を購入しているために、相乗効果で株価の上昇要因となってきます。
逆にそうした期待が剥げ落ちれば株価は下がりやすくなるということですね。
しかしながら繰り返しになりますが、日本株の低迷にも関わらず全体の成績はそこまで落ち込まなかったということは、何かがその日本株の苦戦の埋め合わせをした、ということになります。
まず世界経済のエンジンであるアメリカ株はこのようになっています。
■アメリカの株価(1年)
つまりは先月までの足踏み状態から持ち直して、再度上昇し始めているということですね。アメリカの株価が好調であれば、他の先進国の株価も概ね堅調だと言えます。
では残る新興国株はどうかと言うと、新興国の株価推移をチェックするとこうですね。
■新興国の株価(1年)
こちらはかなりギッタンバッタンしているものの、2月ごろを底にして概ね上昇基調にありますね。ありがたい傾向です。
ではなぜ新興国株が一時の低迷から回復してきたかと言うと、昨年冬に決定されたアメリカの金融緩和縮小に対する極端な警戒感が和らいできた、というのがあるのでしょうね。
アメリカの金融緩和縮小が進めば、直接的に金融市場から緩和マネーが減少するほか、間接的にも米ドルとアメリカの金利が上昇することにより、海外に出ていた投資マネーがアメリカに還流していくことになります。
そうなると、そうした投資マネーに特に依存していた新興国の株価は大きな影響を受けると考えられてきたわけですね。
ただ実際にはアメリカの金融緩和縮小ペースは非常にゆったりとしたものですし、米ドルもアメリカ金利も言うほどは上昇していません。むしろ最近では低下傾向にあることが話題となるくらいです。
そうしたことを背景に、新興国株に極端な警戒感が徐々に和らいできた、ということではないかと思います。
そもそもなぜアメリカが金融緩和縮小を決定したかと言えば、アメリカ経済が徐々に回復してきたからですね。景気回復と共に株価が下がるというのはやはりおかしな話で、今後は世界経済の復調と共に新興国経済も新興国株価も上昇・拡大していくと考えるのが自然だと思います。
ということで、トレンドとしては日本株のみダメ、アメリカを始めとする先進国や新興国は復調、という流れになっているわけですが、ただ今月の運用実績を各資産ごとに見てみると、日本株に加え、中国株やアジア株が足を引っ張ったことが分かります。
一方、インドやブラジル、ロシアといった他の新興国は好調ですね。このように「新興国」の中にも個別の動きがあるというのは頭の片隅に入れておいた方が良さそうです。
特に中国株の動向は実体経済にも影響がありそうなだけに注意が必要ですね。もちろん当方のポートフォリオにも影響が大きいわけですが・・・。
通算成績としては、海外債券/先進国、海外債券/新興国、海外株式/高配当株、中国株、海外株式/アジアの5つが黒字を維持しています。
また今月はついに海外株式/インドが黒字となりました!黒字幅はわずかですが・・・。他の資産も黒字間近なものが多いですね。期待しておきたいと思います。
全体の通算成績の推移ですが、今月は残念ながらマイナスでしたが、赤字幅はわずかだったこともあり、引き続き黒字を維持しています。このまま踏ん張り、リターンが拡大していくことを期待したいと思います。
目標としては毎年25万円の利益ということなので、10年目となる来年4月での目標は「225万円の黒字」ということになります。道のりは、はるか遠いです・・・。
<5.今月の追加投資/売却>
今月は追加も売却もありませんが、当面は購入というよりは売却のタイミングを探っていくことになりそうです。
<6.他ファンドとの比較>
筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。
・3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
・グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)
そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが緑、グロソブがピンクです。
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