世界各国の主要株式市場の株価収益率(PER)一覧を更新しました。
<1.株価収益率(PER)とは?>
株価収益率(PER)って何?という人にご説明しておきますと、株価が、その会社の利益の何倍くらいになっているか、という株価の割高・割安を示す尺度です。ある会社の一株あたりの利益が1万円として株価が20万円なら、20万円÷1万円=20倍、というわけですね。言い換えれば、「株価は利益の何年分か」を表していると言えます。株価収益率が20倍なら「利益の20年分の株価」ということですね。
で、なぜこれが大事かというと、株価が割高か割安か、全てこれだけで説明できてしまうような万能のモノサシだからです。歴史上、たくさんのバブルがありましたが、多くは株価収益率が40倍とか60倍とか80倍という、利益額から見れば気の遠くなるような株価になったんですね。
もちろん当時は、その「高い株価収益率」を正当化するもっともな理屈がたくさんあったのでしょうけれど、結果的にはどんなバブルもはじけ、高い株価収益率は「重力」に負けて低下し(時には破滅的なスピードで)、概ね15倍前後に落ち着いています。株価収益率は、特に株価が割高になっていないかどうか、目安としては「20倍を超えていないかどうか」チェックすればいいと思います。
一方で例えば15倍未満の株価収益率は相対的に割安といえますが、割安には割安な理由があるので、飛びつくのはオススメしません。あくまで「割高」のチェックに用いると良いでしょう。
<2.今月の株価収益率>
7月の世界の株価収益率の推移はこんな感じです。
今月は下がりましたね・・・下がりましたよ・・・。市場全体がビビっている感じですね。景気は後退するわ、インフレは加速しそうだわ、ですから不透明感が漂うのは致し方ないとは思いますが、しかし去年の今頃はイケイケドンドンだったわけで、この弱気は何なんでしょうね。
株式市場は「欲望と恐怖」の世界だと表現する人もいますが、結果的にはそう見えますね。もちろん実際に取引している人の大部分は機関投資家などのプロの人々ですから、感情のままに動いているなんてことはないのでしょうけれど、少なくとも人の金だし(笑)。でも総体としては、一つの生き物のように強気や弱気が複雑にからみあっているようにも思えますね。
もしかすると、株価自体は上がるか下がるかしかないわけで、無機質なんだけれど、それに我々が一喜一憂しているだけ、なのかもしれませんけれどねー。
さて、数字をチェックしておくと全体の単純平均は13.41倍で、先月が15.40倍でしたから、単純平均も「割安(15倍未満)」のゾーンに入ってきました。ちなみに去年の7月、つまり1年前は17.11倍ですね。この部分だけでも株価が20%くらい下がっていることになります。
しかし13.41倍ということは収益が仮に全く伸びなかったとしても、年間7.5%の利回りということになります。オトク感ありますけれどね。
個別に見ると先月より株価収益率が上がっている市場はありません。軒並み下がっております。このあたりも、確かに世界経済はつながっているとは言え、非合理さを感じなくもないですね。
株価収益率を個別に見るとこんな感じですね。上述の通り、軒並み下がりましたので、「割高」市場も「適正」市場も大きく減っていますね。パっと見ただけでもほとんどが割安市場です。真っ青ですね。まぁ、そういう意味では、ほとんどの投資家も真っ青になっているわけで適切な表現ですね(苦笑)。
その数少ない「割高市場」で唯一踏みとどまっているのはアメリカ/ナスダックですね。ベンチャー精神の国だし、先進国では数少ない人口増加国ですから、その国の新興企業への成長期待が高いのは理解できますが、とは言えその倍率も今や21.41倍・・・。株価があと7%下がれば「割高」でなくなりますね。
もちろん投資家からすれば、「いいモノをなるべく安く買いたい」わけで、割高だからうれしいというわけではもちろんないですけれどね。自分の含み損が膨らむことが少し悲しいだけです・・・。
割高でも割安でもない「適正市場」も、中国/上海市場と日本の日経とJASDAQ市場の3つになってしまいました。中国/上海なんて去年の10月には44倍もあったんですけれどね。それが今や18倍。単純に利益が変わらないとすれば、去年44万円で売っていた会社が、今や18万円。普通の商品なら「買い」ですね。まぁ、上海は誰がどう見てもバブルでしたから、本来18万円くらいのものが、去年は44万円で売られていた、というのが実情でしょうけれど。
一方で日本の株式市場は相対的に強い印象ですね。10日以上下がってもまだ「適正」水準。日本のインフレリスクが他の国と比べてもまだまだ低いことを勘案しても、強いですね。世界の株価水準と比べてみると、日本の株価への見方もまた変わってきますね。
「割安市場」は上記以外の市場ですから、たくさんあるわけですが、ついに香港やインドまで割安になってしまいましたね。ありゃりゃりゃ・・・。
ただ上述の通り、投資家からすれば、特に定期収入があって追加買いできる投資家にとっては、株価水準が下がるタイミングというのは、まさに「いいものが安く買えるチャンス」なわけですね。バーゲンなわけです。長期的に見れば運用収益率を向上させる絶好のチャンスなわけですから、特に悲観的になる必要もないと思います。
しかし、こうやって相場が中期的に「割高」や「割安」を行ったりきたりするのであれば、「割安」期に買って、「割高」期に売れば、絶対儲かるはずですけれどね。筆者もこの相場を乗り切った後で、もう少し「割高」「割安」の市場リズムを取り入れた投資方法を工夫してみたいと思います。
今は毎月一定額投資しています。
<3.読者アンケート>
前回の「2008年6月、投資したい株式市場は?」では以下のような結果となりました。
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/pollresults.php?poll_id=381
1位:世界市場全体に分散投資 37%
2位:南アフリカ 11%
〃:ブラジル 11%
4位:中国/香港市場 7%
〃:インド 7%
〃:ロシア 7%
7位:日本/大型株 3%
〃:アメリカ 3%
〃:ヨーロッパ 3%
〃:中国/本土市場 3%
〃:トルコ 3%
今回も!筆者おすすめの「世界市場に分散投資」派が1位ですね!37%と圧倒的です。とは言え能動的に選んでいるというよりは、それ以外に積極的に投資したい市場がないという、消去法的な選択でしょうねぇ。
さて、今月分のアンケートも回答をお願いします。8月9日まで。
■2008年7月、あなたが投資したい株式市場は?(8月9日まで)■
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=390
※参考:世界各国主要株式市場の株価収益率(PER)
http://www.ginkou.info/modules/per/
モーニングスター優秀ファンド賞受賞。
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