Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

今更「ランニングデート」考

2020-11-07 | 走る若人が好き
先週全日本大学駅伝がありましたが、
ツイッターを眺めてますと、並走場面で
「ランニングデート」という表現が
使われているのを何件か見つけました。

この表現、今年の箱根駅伝2区で
東洋相澤選手と東京国際伊藤選手の
並走シーンで発生したものですが、
普通の並走でも使われるとどうにも
違和感を禁じ得ません…。

まずは「デート」という言葉の
辞書的定義を確認しましょう。
デート【date】
[名](スル)
1 日付。
2 恋い慕う相手と日時を定めて会うこと。
  「遊園地でデートする」
3 時計の文字盤に付属するカレンダーで、
  日付だけを表示するもの。
(小学館デジタル大辞泉)
ここでは2が該当します。
デートとは誰とするものか?
そう、「恋い慕う相手」とするものです。

では何故、相澤選手と伊藤選手の並走は
「デート」と表現されたのでしょうか。
考えられる要因は以下のとおりです。

①一瞬ではなく長時間に及んだこと
②前後ではなく横に並んで走ったこと
③並走時の伊藤選手の楽しそうな表情

このうち最も大きな要因は③です。
いくら①②を満たしていても、殺伐とした
空気だったり淡々と走っているだけならば
本来「恋い慕う相手とする」行為であり
楽しい気分で臨むはずである「デート」
とは程遠いものとなります。
伊藤選手が微笑んでいるような表情で
心底楽しそうに走っていたからこそ、
ファンはそこに「デート」的な雰囲気を
感じ取ったのではないでしょうか。

ちなみに伊藤選手、一番戦いたかったという
相澤選手と並走できて「楽しかった」と
レース後のインタビューで実際に打ち明けて
います。また、デートと話題になったのを
聞かされたのか「楽しいデートでした」とも
ちょっと照れながら答えています。
相澤選手も「もっと続けばいいのに」という
発言を残しているので、この2人の「デート」
は「両想い」だったようです(笑)。

というわけで、「ランニングデート」を
単純に「並走」の同義語として使用するのは
適切ではなく、恋人とのお出掛けのように
「一緒にいて(走って)楽しい」という
走者の心情を読み取ることのできる並走に
限って「ランニングデート」という表現を
使用するのが正しいのではないかと思います。
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