それでは、今週もIMM通貨先物残高分析の活字版をお届けします。まずは、ドル円相場における取組のネットポジションから、見ていきましょう。
<ネットポジションのグラフ>
日米の株価が乱高下し、市場にはリスク警戒感が高まっています。さらに先週開催された日銀の政策決定会合では、追加的な刺激策が打ち出されなかった事から、ドル売り円買いが加速する展開となりました。
こうした中で、ヘッジファンドなどの投機筋は、ドル買いポジションを調整する動きを強めている模様で、ネットポジションのドルの買い越しは、72,906コントラクトに減少しています。
<全通貨のネットポジション>
続いて、全通貨に対するネットポジションのグラフです。
全般的にリスク警戒感が高まる中で、ポジションを調整する動きが主流となっています。円は買い戻され、ユーロの売り越しも、中立的な水準まで調整されています。
<前週比グラフ>
次に前週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。
まず円ですが、リスク警戒感が蔓延しつつある中、日銀が追加的な緩和策を打ち出さなかった事による失望感などから、円を買い戻す動きが活発化しています。相場は引き続き、円安地合を調整する局面が続いています。
円は前の週に比べて、9,838コントラクトの買い越しとなっています。
続いてユーロです。ドルが軟調地合いとなる中、相対的に買いが集まりやすい状態に加えて、ヨーロッパに対するリスク警戒感が低下している事も、追い風となっています。こうした状況を受けて、ユーロを買い戻す動きが急速に進んだ模様です。
ユーロは前の週に比べて、44,088コントラクトの大幅な買い越しとなっています。
こうしたユーロの動きに合わせるように、ポンドも大幅な買い越しとなっています。ポンドは前の週に比べて、24,051コントラクトの買い越しとなっています。
一方、資源市場が低迷する中で、オーストラリア・ドルは引き続き軟調な展開となり、前の週に比べると、4,727コントラクトの売り越しとなっています。
また、メキシコペソもリスク警戒感の高まりから、ポジションを縮める動きが活発となっており、前の週に比べて、19,097コントラクトの売り越となっています。
さて、今週はイギリスではG8が、そしてアメリカではFOMCが、それぞれ開催される予定です。
G8については、為替問題が取り上げられる可能性は乏しい一方で、FOMCについては、FRBの金融政策の行方を占う上で、注目度は高い状況にあります。
今週も引き続き、アメリカの金融政策の行方を軸に、相場を注視して行きたいと思います。
以上、動画での試聴は、下記URLからご覧ください。
http://www.forextv.jp/Video/Video_IMM.php?id=_bkEqGmn74o