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外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

IMM取組残高分析 活字版‐集計時点では円買戻し進む「円安からシフトしたドル安相場、継続か否か」

2013-06-10 15:01:39 |   -【特集】IMM残高分析

さて、今週もIMM取組残高分析の活字版をお届けします。
まずはドル円相場の、取組のネットポジションから見ていきましょう。


<ネットポジションのグラフ>
今回のデータ集計時点では、ドル相場の調整が続いていた地合いで、ドルの上値波乱の展開でした。こうした中、もう一段の調整局面を見込んでいた、ヘッジファンドら投機筋は多かった模様で、今回もドルの買い越しポジションを、調整する動きが出ていました。
 ネットポジションのドル買い越しは、82,744コントラクトに減少しています。

<全通貨のネットポジション>
続いて、全通貨に対するネットポジションのグラフです。

引き続き主要通貨は対ドルで売り越される一方、NZドルは殆どスクエアになり、メキシコペソだけが買い越しを維持する展開となっています。

<前週比グラフ>
次に前の週と比較した、取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。

まず円ですが、
急速に進んできた、円安地合の調整局面が続【く(集計時点)】いており、ヘッジファンドら投機筋は、積み上げてきた円売りポジションを、取り崩す動きを見せています。
 円は前の週に比べて、17,025コントラクトの買い越しとなっています。

続いてユーロですが、
今回は大きな動きを見せています。アメリカFRBの、金融政策の行方が注目される中で、ドル安地合に相場のトレンドが傾いており、相対的にユーロを買い戻す動きが活発化しています。
 ユーロは前の週に比べて、33,023コントラクトも買い越される展開となっています。

また、日米欧など主要国の株式相場が、一旦調整局面を迎える中で、リスク警戒感の高まりから、高金利通貨のポジション調整も起きています。
オーストラリア・ドルは前の週に比べて、16,243コントラクトの売り越しとなり、メキシコペソも37,993コントラクトの売り越しとなっています。


さて、先週の後半には、更に大きくドルが対主要通貨で売られる展開となっています。ドル円相場は100円を大きく割り込み、ユーロドル相場も1.32台を越える動きを見せています。

今の市場は、日銀による異次元の金融緩和を背景とした円安相場から、アメリカの景気動向を注視しているFRBによる、金融緩和からの「出口」タイミングに、市場の関心がシフトしているように思います。

今週も、アメリカFRBがおこなう金融政策の行方に対する思惑で、ドル相場が大きく振れる展開が見込まれますが、調整もかなり進んできているのは確かです。今週はこの水準からまだドル高からの調整が進むのか、再びドル高地合に戻っていくのか、この点に注目して見ていきたいと思います。

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