<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
では続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフをみて行きましょう。
今回のデータは最も濃い色で示されていますが、前週のデータを含めて、目立つ動きだったのは、ユーロと円の買い越し程度でした。トレンドとして捉えても、ポンドの売り越し傾向が比較的鮮明だった以外は、ほぼ動きが無かったといえそうです。
先ず円ですが、
前週比で買い越しがここまで鮮明になったのは久しぶりという印象です。
ブレークダウンをチェックしてみますと、
円売り残高が縮小された一方で、買い越しが2万コントラクトに達したことで、その合計が強めの買い越しに作用したことが判ります。結果的に残高は買い越しにシフトする動きとなり、少なくとも連休明け直後は円高リスクが掛かっていたことになります。ブルベアも円のブルが20%を回復しており、円高が意識され始めていた地合いが伺えます。
次にユーロですが、
重かった1.39台を連休中に乗せるなど、ここ最近では3月高値を付けた時に次ぐ買い越し残高となり11万コントラクトの大台に戻しています。
ブレークダウンでは買い越し売り越し共に残高を伸ばす中、買い越しが一段上回っていました。全体の残高は18万8千コントラクトと、市場規模はかなり膨らんでいたことで、多少の動きでは、もはやブルベアに影響を与える次元ではなかったようです。
3週連続して前週比で売り越しとなっていたポンドのブレークダウンは、
前の週からロングが減少傾向にあったことが判りました。6日の締切時点では、売り越しも微増となっており、これまでポンド買いにシフトしてきた残高は僅かに売り越しへとシフトを始めていました。市場規模は全体で12万コントラクトを上回る中、ブルベアは一時70%までポンド買いが押していた状態から4ポイントも引かれていました。締め切りの6日と言えば1.70に迫る最高値を付けた日でもあり、もしこのデータが判っていれば典型的なダイバージェンスを引き起こしていたことになります。
最後になかなか取引としてはまだ一般的ではないメキシコペソは、
代表的な新興国通貨として稀にこの番組でも取り上げています。この通貨の魅力は何と言っても高金利ですが、新興国懸念で一時大きく売り越されていたものの、懸念後退で買い越しが優勢になり、前半にお送りした全通貨のネット残高では、4万コントラクトを上回る買い越しとなっており、買い越されている通貨の中では最大の通貨にまでなっています。
ブルベアは円の売り越しに近い不均衡が買い越しで発生しており、その様子はブレークダウンでも良く判ります。気になる点は売り越しが徐々に増加傾向にある一方、ロングが伸び悩んでいます。ボリューム的にはまだ僅かながらも、今回のデータでは買い越し推移までもが売り越しとして機能しており、ポジション調整が始まる兆しが見て取れます。市場規模は9万コントラクトに迫る膨張をしており、巻き戻しの規模によっては、主要通貨にもインパクトを与えかねない状況になっていることだけは、念頭に入れて置きたいと思います。
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