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外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ポンドの上昇は決定的?ユーロは限界も-浅野のつぶやき

2011-02-20 23:25:24 |    -ポンドドル

こんばんは、ForexTVジャパンの浅野です。

今日は日曜日の夜ですし、時間も遅くなりました。ただ、金曜日のとある勉強会とチャートの終わり方から、ひとこと書かざるを得ないと思い、就寝前に簡単に触れたいと思います。

先週木曜の閃きFXでもお伝えしたように、金曜には完全に遅行スパンが雲の上で引けた結果、今週以降のポンドドル相場はポンド高優勢だと考えます。昨年11月4日の高値1.6297、2月3日高値1.6277を前に、金曜日は1.6247引け、高値は1.6261と、上値を試す展開です。

週末の材料を見てみると、G20の流れからドルは全面安、ユーロは中東問題と利上げ発言で売りと買いが交錯して混沌とする一方、ポンドは依然として金利上昇圧力が掛る中、ユーロからの逃避先、ドルからの逃避先として買い優勢が継続しています。

インフレレポートで懸念されたコストインフレも、小売売上高が大幅に上昇したことで、少なくとも消費の落ち込みは限定的だったことが分かりました。以上のことからも、ポンドにとっては結果的に支援材料が重なる展開です。

もし、昨年11月の高値を超えて行くようなら、中期的にポンドの上昇相場があり得ると考えています。したがって、気持はストップ買いでも追いかけたいところですが、もし週初にギャップして1.63台を付けるような場合、そのまま上に離れるとは考えにくいと思い、ギャップを埋めに来る金曜の終値付近で落ち着いて拾いたいと考えます。

1.6100前後でロングである現在、1.62台は十分離れた水準とは言えませんが、1.6250で買い増しを考え、1.61台後半でのストップをイメージします。

一方、ユーロですが、確かにチャートは上昇の芽が少しづつ、強くなりかけていますが、ファンダメンタルや流動性リスク、中東問題等がネックになり、そうは買い一方には成りにくいイメージです。利上げ期待がかかっているようですが、たとえば、リーマン以降世界的な利下げの流れで、最後まで下げきれなかった背景には、周辺国の景気過熱があったのは周知の事実です。したがって、今回の利上げムードに対して、周辺国は未だに利下げを敢行する国があるなど、ここで上げきれない経済圏としての事情もあるでしょう。

ここまで上昇ムードで盛り上がってきたユーロですが、ポンドのように2月高値を抜いてゆく勢いは無いかも知れません。

ドル円ですが、株式市場の背景もあり、円安期待がかかります。債券事情が気になるところですが、世界的なドル売りの中で円だけがドル買いを進めるのには限界があると思います。また、世間でも少しづつ問題視されているように、これ以上の円安は、輸入事情に悪影響があります。今の中東問題は、雇用もさることながら、食糧価格の高騰が一因とする見方があるように、日本政府も余りに輸出の大企業ばかりに有利な政治をし過ぎると、輸入企業や一般消費者から不満が爆発する可能性は十分あります。

ざっくりしたイメージですが、ユーロ円が大きく揉み合っていることからも、ユーロと円の対ドル相場は暫く揉み合う展開が順当かもしれません。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎