外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

浅野のつぶやき-円高対策、請求するだけではなく具体策を示すべき産業界

2010-08-26 21:20:35 |    -ドル円

こんばんは、ForexTVジャパンの浅野です。

政府と日銀の間で円高阻止に向けた対策を協議する機運が高まっているようです。FX取引をされている方々にとって、要するに円高でも円安でも、ボラティリティさえあれば収益チャンスがあるわけですが、円高になると、必ずと言って良いほど、経済団体から不快感が表明され、投票権や税収等を盾に、円高の対策をこれまでも騒ぎ立てて来ました。

確かに、自動車業界を中心に一時は世界のTOP企業になることもあり、日本のGDPや税収に貢献してきたのかも知れませんが、結局は市場を海外に求めているから、円高が不利になるわけです。でも、ちょっと待ってください。私が聞きたいのは、円高阻止の対策を政府に求めるこということは、政府が管理可能な国内に市場を求めているのでしょうか???

もちろん、答えはNOです。だとすれば、輸出企業が収益源を海外市場に求めるのであれば、為替対策は自身ですべきです。それを怠ったからこそ兆の収益が半減したりするのではないでしょうか。

国内の金融市場に解決策を求めても、無いに等しい金利をこれ以上どうすれば景気を刺激するのか・・・。たとえば流動性がひっ迫して金利だけが上昇するような、ユーロ危機状態では、資金を際限なく供給することで、少しは金利を下げる効果はあるでしょう。しかし、今の日本はこの金利でも借りて何かをしようとするほど資金需要は無いと思います。

イメージしてみましょう。例えば日本の金利がしばらく上がらないということが認識されたとして、どうなれば輸出企業のメリットになるのか??市場を海外に求めているのに、国内の景気刺激??すでに矛盾があります。もしもその根拠が、金利差による投資家行動に頼るのであればお門違いで、だからこそ日本株への興味が薄れるのだと考えます。

一般論ですが、自動車でも衣料でも、原材料は輸入しています。ここのコストがどれだけ圧縮されているのか、文句をいう企業が公開したことがあるでしょうか。

結論は、こうです。

海外市場で収益を得ている企業は、文句を言うなら代替案を言ってみてください。一国民として、円高はむしろ誇って良い現象だと認識しています。ただ、本当に輸出企業が日本全体の富になるというのであれば、日本は海外の不況を解決するために資金を使うべきです。なぜなら、海外市場がピックアップすれば、円高でも売上が上がり、問題が無くなるのではないですか??

いろいろ考えた挙句、思いついた幻想は、たとえば日銀がユーロ債を購入する目的で、ドル円で買い介入をし、続いてユーロドルでユーロ買いをします。もちろん、EUを援護するという名目であれば、ユーロ債の利回りも低下し、唯一双方が国益と一致します。

円高は輸入価格を押し下げ、おいしいワインが500円で飲めるようになるでしょう。でも、円安になって小麦価格が上がり、ガソリン価格が上がれば、楽しみも減ってしまうと思うのです。日本の国内が元気になるのは、円高だと思っています。円高で日本経済が元気になる方向を模索したほうが早いと思う、今日この頃です。ただ、FX取引を考えた場合は、無責任ですがどちらでも構いません。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎