年末年始の信用収縮回避対策として、英米欧の各中央銀行は大量の資金放出をすることで、ドル危機をどうにか一時的でも食い止めた状況です。
つまり、2007年前半までのドル買われすぎ分が調整されたところのドル売り相場が、8月以降の展開だったと考えられ、その流れに対して大量の土砂を投じて一時的にせき止めたのが現状ではないでしょうか。
方法としてはいわゆるカンフル剤的な対策でもあり、マーケットによる真の審判はこれから下されるところでしょう。
そうなると、ドル買いへこのまま推移してゆくかの判断も今後のお話となりそうで、暫く(といっても、いつまでかは判りませんが)は揉み合いとなる可能性も見えてきます。
ユーロドルに関しては特に、十分な調整が済んだとは言いにくい水準です。このような通貨によっては一時的なドル買いに見えるステージもあるでしょうが、こんな時こそファンダメンタルに注視して根底の流れを把握しておくことは重要でしょう。
ZARですが、対ドルで夏以降7.6ZARから11月初頭までに6.5ZARを割り込みました。その後7.1程度に戻して再下落した後、現在は再度7.1程度に戻しつつあります。この過程でドルは利下げをし、ランドは利上げをしてきた中で金利差スプレッドは拡大したにも関わらず、特にこの数週間はドルランドが上昇しており矛盾となっています。
これ以上のドル高は、逆にランド自体に何らかの問題が発生している場合も考えられます。一つは政権交代でありその影響が直近のランド安につながっている可能性があります。