山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

中ノ岐コース⇒玉子石☆平ヶ岳9月下旬@日本百名山№55

2022-01-07 | 55平ヶ岳(秋)
飯豊山を登り、新潟県境の日本百名山は
残る1つが平ヶ岳です。
メインルートの鷹ノ巣コースは
日本百名山の中で
最も過酷な日帰り登山と言われ
今までに検討しつつも
いつも先送りにしておりました。
新型コロナのため県外には出かけられず
銀山平温泉に宿泊して短縮ルートを採用することにし
入念に、準備したはずが
2つもほころびが出てしまいました。
1)ゴートゥートラベルの地域限定版である
新潟県民対象の県民割で
宿泊すると5000円が割引になるはずが
わずか数日の違いで、対象外になってしまった。
2)そして、天気予報が急変した。
宿にした奥只見山荘を夜明け前の
4時にマイクロバスで出発し
途中から中ノ岐川沿いの私道を1時間半、
揺れる体を踏ん張って座席シートに沈めました。
悪路で知られた皇海山の林道を上回り、
出発前に、朝食は食べないほうがいいと
言われたのも納得です。
林道の途中で、バスの前に
鹿が現れ、しばらく同行するという
ハプニングもありました。
深田久弥さんの
日本百名山より
小出から枝折峠を越えて石抱橋までバス、
それから舟で近年ダム湖になった北ノ又川の支流中ノ岐川に入った。
(中略)
そこから名だたる越後の山の藪との悪銭苦闘が始まった。
とうとうその日は尾根の中途にやっとテントを張るだけの
窮屈な場所を見つけてそこに泊まらざるを得なくなった。
翌日も猛烈な藪潜りが続いた。方角が分からなくなると、
木によじ登って行衛を定める。
ようやく池ヶ岳の気持ちのいい草原に出てホッとした。
池ヶ岳は現在の池ノ岳だと思います。
中ノ岐ルートは、深田さんの登った
二岐沢や1887m三角点を通りませんが、
藪は同じ山の藪ではあります。
バスは登山口に1番乗りして

トイレがすぐに混むから
先に済ませるようにと案内があり、
それに従うと
その後のバスの客は長い行列を作りました。

空がしだいに明るくなると
雲が空全体を覆っているのが分かりました。

宿でもらった地図によれば
玉子石の分岐まで2時間の急登とあり
一歩先に出て、集団と距離をおきます。
集団と言っても
ツアー客のような大グループはいません。
出発後すぐに橋を渡り

20分ほどで登山口方向を見下ろすと、
山あいを流れる中ノ岐川に
マイクロバスの白い屋根が見えました。

お客さん全員が戻るまで
登山口で待機しているそうです。
登山道はよく整備されていて

大雪に耐えて育った樹木を愛で
林の中を一定のペースで上っていくと

登山口から50分で
クロベの大木という休憩場所らしき
スペースに出ました。


クロベとは葉裏が白くない檜⇒黒檜
本州・四国に分布する日本固有の常緑高木
下りに見たクロベの大木の上部

曲って折れて痛々しい状態です。
その後も一定のペースで上り
わずかに見られた赤い紅葉


ここでは足元に続く笹は
刈り払われて歩きやすいのですが
越後の藪の本体は
このちょっと背の高いびっしり生えた
笹ではないかと思います。
谷川連峰の茂倉岳でも蓬峠に笹原が広がり、
刈り払われていないところは
プールの中を歩くような抵抗感がありました。
登山口から1時間50分で
草紅葉広がる玉子石分岐に到着です。

ガスっていて展望はありません。

木道が左右に続いており
案内に従い、玉子石に向かいます。

程なく卵型の石が姿を見せました。

周りに大きさを比較できるものがないので
登山用ポールを置いてみました。
上の石がなぜ落ちないのか
近くで見てもわかりません。
ガイドブックには
その背後の池塘の景観が美しいと
ありましたが、ガスってよく見えません。

うっすらと池塘があるのがわかる程度でした。
残念です。
つづく


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