上信越自動車道
上田菅平インターから
天気予報どおり
雨は降っていないのですが
空は低い雲にさえぎられ
どの山も山頂を
仰ぎ見ることはできません。
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カーナビの示す方向も
雲が山頂を覆い隠していました。
井出牧場を左折すると
九十九折の上り坂になり
次第にガスに包まれ
距離にして10kmくらい上り続けます。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/49/a429e12d3693dd438630d540c90d3386.jpg)
美ヶ原高原美術館が見える辺りで
ようやく
ガスの中にも明るさが出て
気持ちも前向きに変わりました。
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今日は
車が上りのほとんどを
肩代わりしてくれました。
登山口というより
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/23/5b5b9015d1b3432fd6c10aa588d41b77.jpg)
出発点は
山本小屋ふるさと館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/b6/1a2bb612ae97b81aa1258e4cec74ea57.jpg)
標高1924m
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行く先は
王ケ頭
標高2034m
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標高差110mは
今までの日本百名山の中で
最も少ないものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/63/a74d8af813cef3c6c629ca51bdf4c5cf.jpg)
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ガイドブックでは
南西の三城牧場からのルートで
標高差650mになっていましたが
このガスたっぷりの天気では
あまり違いはないでしょう。
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牧場の道を
向こうから6人ぐらいのグループが
やってきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/71/5eeaec41e896ccc0a9c4a190b737a8e3.jpg)
地名が引き寄せる魅力で
若い人や観光客のような人たちが
多く訪れる観光地ですが
この日は雲のせいか
落ち着いた雰囲気の牧場でした。
ここに来られる皆さんは
きちんとあいさつをして
すれ違います。
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話し声がないと、すれ違う直前まで
人の気配がわかりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/58/a807c888baf0f7cb92864f61abe6327f.jpg)
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まっすぐ進むと最初の目的地
美しの塔が霧の中に見え始めます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/2c/0c02cbd0e717cc6b19d6932fd20e1ee0.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/39/2f8d00d162d6cade2659c99433c53c04.jpg)
塔の裏には
尾崎喜八さんの詩があります。
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登りついて不意にひらけた眼前の風景に
しばらくは世界の天井が抜けたかと思う
やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら
この高さにおけるこの広がりの把握になおもくるしむ
無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な
この風景の情緒はただ身にしみるように本原的で
尋常の尺度にはまるで桁が外れている
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今日
雲の間から不意をついて
見えるものは
快晴のとき見えると言う
日本百名山41座よりも
心に残る風景でした。
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進むとともに
正面には
西洋の城に付き物の尖塔のような
電波塔を従え
牧場の丘の上に立つ城
王ケ塔ホテルが姿を現しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/15/07f3041e5be6e0d064a48a51d871be21.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/44/5331304a23cfb7deebc64ce1827e3ed6.jpg)
自然のものとは思えないほど
雲の演出がみごとです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/d3/667c558421f44ea8b890da694ebf592c.jpg)
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右には
遠く
上下の雲にはさまれて
北アルプスの山々が見えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/d4/23cc00d3b2a996b0ac33525f5d459387.jpg)
左手に
雲海を従えた八ヶ岳と蓼科山です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/18/344a66f5e67120cc136b71818909f3d7.jpg)
頭上にも雲があるので
この色を失った海は
本当の海との違和感がありません。
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日光がないので
山は青く
切り絵のように
その形を印象づけていました。
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つづく
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