神国日本「・・日本の外見上の不思議さには結局美しさが充ち溢れていることがわかるのだが、それと同様その内面的な不思議さの中にもそれ自体の美しさがあるように思われる。・・それは庶民の日常生活に反映している道徳的な美しさなのである。こうした庶民生活の魅力に富む部分は・・こうした外国人が・・半年か一年日本内地のどこか古風な町に住んだと考えてみよう。その滞在のそもそも初めから彼の周囲に生活している人たちが如何にも親切で楽しそうな様子に深い印象を受けずにはおれまい。・・だれもかれもがお互いに仕合せそうな顔をして楽しそうな言葉で挨拶をしあっている。にこにこ顔をはなすことがない。・・いつどんな場合にもそとに表れる快活さだけは決してなくならない。つまりどんな災難が・・暴風雨や火災、洪水や地震があっても挨拶しあう笑い声、明るい笑顔に丁寧な会釈、心からの慰問にお互いをよろこばせたいという気持がいつも人の世を楽しいものにしようとしている。宗教もこの日の光のような明るさの中では暗い影を持ち込まない。そこで神様や仏様の前で人々はお祈りを捧げながらもにこやかである。寺院の境内は子供たちの遊び場であり、大きな氏神の社殿のある境内・・神聖な場所なのだ・・には踊りの屋台が作られたりする。家庭の生活はどこでも安穏を旨としているらしい。それだから表だって喧嘩などもないし、怒鳴ったりの罵声もないし、泣くこともなければ叱言も聞かれない。虐待は家畜に対しても見られないようで、町に出てくる百姓さんが自分の牛や馬に根気よくよりそっててくてく歩く、そしてこの口のきけない相手の荷物運搬を手伝い、鞭や突棒などな使わないのである。・・何百年もの間盗難事件など一度もあったことのない地方に私は住居したことがある。・・明治になって新しく刑務所を造ったところがいつもがらあきで用がなかった。・・・そこでは住民は夜も昼も戸締りをしなかった、こんなことはどの日本人にも耳新しいことではない。・・・」
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