○ベルリオーズ 「ローマの謝肉祭」序曲
○サン・サーンス 序奏とロンド・カプリチョーソ
○サラサーテ ツィゴイネルワイゼン
○ガーシュイン ラブソディ・イン・ブルー
○(アンコール)
○ブッチーニ 「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」
○ヴェルディ 「運命の力」序曲
○ヴェルディ 「運命の力」から「神よ、平和を与えたまえ」
○ラヴェル ボレロ
○江間章子(作詞)、中田喜直(作曲) 夏の思い出(アンコール)
加藤知子(Vn)、山中千尋(Pf)、中嶋彰子(S)
大友直人/群馬交響楽団
今日の演奏会は、「群馬県文化基本条例」制定を記念して、群馬にゆかりのある女性ソリスト3名を招いてのスペシャル・ガラーコンサート、題して「ミューズたちの華麗なる協演」
そして、まさに題名通りの素晴らしい演奏会でした。
加藤さんは、20年くらい前にNTTのチャリティ・コンサートで四季を聴いて以来です。そのときも感じたことですが、それが難しいフレーズであってもどこか楽々として演奏していて、それでいて芯が通っていて淀みのない素晴らしい音色を奏でるという感じです。
山中さんのラプゾティ・イン・ブルーを聴くのは、3回目になります。
もう走り出したら止まらない、止められないという感じでした。音はマシンガンのようにダッダッダッ・・・と打ち込まれるように圧倒的に力強く、そしてクリヤな音です。
演奏後の話では、リハーサルとは全く違う即興をやってしまったとのこと。オーケストラも唖然としているようでした。ガーシュインの曲でなく、山中千尋「ラプソディ・イン・ブルーの主題による即興曲」といったところでしょうか。
中嶋さんは、昨年3月の群響定期で、ラヴェルの「シェエラザード」を歌われ、妖艶な姿と歌唱に魅了されたものでした。今日も迫りくる豊かな声量と曲の本質に迫る歌唱に魅了されました。
中嶋さんは、群馬県の観光大使(的なもの?)に就任されるとか。今日も司会をされていました。
(ベイシア文化ホール)
○ベートーヴェン 「コリオラン」序曲 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル 1943年6月30日(ライヴ)
○ベートーヴェン 「エグモント」序曲 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル 1933年
コリオランは凄まじい演奏です。何度も叩きつけられる和音は力の限りを尽くし、地響きが鳴るようです。
一方、それと比べるとエグモントはなんとも平板に聴こえてしまいます。
この録音は、1997年、ドイツ・グラモフォン創立100年を記念して発売された87枚からなるコンプリート・ベートーヴェン・エディションのVol.20歴史的録音集に収められています。
これには、フリッチャイのピアノ協奏曲第3番、第7交響曲(ともにOIBP化)が収められており、そもそもそれが目的に購入したものです。先日紹介したクーレンカンプのクロイツェルも収められています。
○エルガー 愛の挨拶
○クライスラー 愛の喜び
○ワグナー ジークフリート牧歌
○ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
○ヨハン&ヨゼフ・シュトラウス ピチカートポルカ(アンコール)
伊藤文乃(Vn)、曽我大介/群馬交響楽団
今日は「田園」が素晴らしい演奏でした。
丁寧に、そしてときどきみせるテンポの変化は、そうだね、そうだねとうなづけるような絶妙なものでした。特に落ち着いた第1楽章、躍動感あふれる3楽章が充実していました。1楽章では、めずらしく主部を反復していました。
木管楽器は随所で見せ場がありますが、とても美しく、また抑揚のある音色で魅せ、3楽章ではホルンが素晴らしい音を響かせてくれました。
そして、それを支える安定した弦楽器群と、申し分ありません。名演でした。
その他の曲では、愛の挨拶が優しさに満ちていてよかったです。
(榛名文化会館)
○ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 クーレンカンプ(Vn)、ケンプ(Pf) 1935年5月24~29日
実は、かぜをこじらせて肺炎になり、一週間ほど自宅療養をしておりました。
かかりつけの医院で、BGMとして流れていた曲が、ヴァイオリンの哀愁を帯びたメロディが印象的で、聴いたことがあるけれど曲名を思い出せませんでした。
最初は「ます」かなと思って、家にあるものを聴いてきましたが、ちょっと違う。もしかしてと思って聴いたのが、「クロイツェル・ソナタ」。当たりでした。その曲は「クロイツェル」の2楽章でした。
クーレンカンプは、この時期、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、ブルッフ、ドヴォルジャーク、メンデルスゾーン、モーツァルト(トルコ風)、シューマンと有名どころの協奏曲をテレフンケンに次々録音しています。また、フルトヴェングラーと共演したシベリウスの協奏曲のライヴ録音は代表的名演とされています。このソナタはドイツ・グラモフォンによって録音されました。
演奏は、とても気品に満ちたものですが、それだけでなく、ときどきポルタメントの使用などロマンチックな面も垣間見られます。
おかげさまで順調に回復し、昨日から仕事に復帰しました。
○バルトーク ディベルティメント フリッチャイ/スイス・ロマンド管弦楽団 1956年2月8日(ライヴ)
スイス・ロマンド管弦楽団にデビューした際の演奏会の録音。
これまで、この日演奏されたリストのピアノ協奏曲第2番とブラームスの交響曲第1番が発売されており、これでこの日の演奏会全ての録音が発売されたことになります。
第1楽章の出だしが早めのテンポで切れ味鋭く、これまで聴いたフリッチャイの同曲の中でひと際、耳を見張ります。
その後も情緒に富むところあり、劇性に富むところあり、活き活きと推進力あるところありと、この曲でデビュー演奏会の始めの曲を飾るという意気込みを感じます。
残念なことに1楽章の終わり頃、録音テープの状態が悪いとみえ、ピーという音が出てしまうところがあります。が、そんなこと気にならないくらい素晴らしい演奏です。