○ブルックナー 交響曲第3番「ワグナー」 クーベリック/バイエルン放送交響楽団 1980年10月13、14日
クーベリックのブルックナーは、1979年に録音した「ロマンチック」が大変素晴らしい演奏で、その後の交響曲録音が期待されましたが、スタジオ録音として残したのは、4番とその翌年に録音された3番のみでした。
決して力まず、おおらかな演奏です。各楽器が柔らかく豊かな響きを奏でます。先日の群響の演奏の力のこもった演奏と違い、また別の魅力があります。
第1楽章第1主題の伴奏のヴァイオリンのさざなみが、右(第2)、左(第1)と交互に聴こえ、対向配置の効果がよくわかります。
2楽章の途中で若干せせこましく感じるところがあり、ちょっと気になるところです。
先日の群響定期で解説の渡辺さんが版についてくわしく言及していましたが、クーベリックはエーザー版と呼ばれる第2稿を使用しています。