○ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ブリーム(S)、ヘンゲン(A)、アンダース(T)、ヴァッケ(B)、フルトヴェングラー/ベルリン・フィル、ブルノ・キッテル合唱団 1942年3月22~24日(ライヴ)
凄い演奏です。迫りくる迫力、そして随所でティンパニが轟々と神々しく鳴り響きます。
フリッチャイのことを小フルトヴェングラーと称することがありますが、第9に関して言えば確かに「小」なのかなと思わざるを得ません。
フリッチャイの「第9」自体、スケールが大きく、迫力もあり、また3楽章の美しさは比類なきもので、評価も高い位置を占めています。フリッチャイ盤では、例えば1楽章の展開部に入っていったん盛り上がった後、静かに木管が第1主題の動機を奏するところの終わりでテンポを落としているところとか、楽章の終わりのところでくっくり区切って第1主題を奏するところなど、私のお気に入りの部分で、他の演奏では満足できないのですが、フルトヴェングラーのこの演奏は、それをも超えていて、次元が違うのかなと思います。
圧倒されます。