○ウェーバー 「魔弾の射手」序曲
○シューマン ピアノ協奏曲
○(アンコール)
○ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」
○ヘンデル 「水の上の音楽」からフィナーレ
田部京子(Pf)、大友直人/群馬交響楽団
例年、この時期に開催されているオータムコンサート in SAKAI。
大変素晴らしい「新世界」でした。
第1楽章序奏では、船出の汽笛を思わせるホルン、とても長めに吹いていて印象的でした。主部では小結尾主題に入る前の弦の合奏をテンポを徐々に緩めていき、最後は消え入るように終わり、フルートの小結尾主題の出番をことさら印象づけていました。更に、フルートに続いて弦楽器が小結尾主題を奏するときにアクセントをつけて、これにもハッとさせられました。
第2楽章では、中間部のコントラバスのピチカートの間に第2ヴァイオリンのピチカートが2回ありますが、そこをはっきりと奏していました。その昔、ロヴィツキが読売日本交響楽団と「新世界」を録音した際、同じようなアプローチ(というかもっと徹底していましたが)をしていました。最後のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの独奏も素敵でした。
全体的に、とても明晰な演奏で、弦、木管楽器、金管、ティンパニと全てにおいて素晴らしく、そしてバランスも大変よかったです。シンバルの一撃も決まっていました。終楽章の再現部では、第1主題を金管楽器が強奏しているときでさえ、弦楽器も負けまいと演奏していて、力がこもっていました。
今日の「新世界」は、本当に感激、「ブラヴォー」ものでした。恥ずかしいので叫べませんが。
シューマンの協奏曲は、大変力強いピアノでした。第1楽章での木管とピアノのかけあいがとても素敵でした。
(境総合文化センター)