教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

ネット台頭と新聞の行方

2006-03-21 10:29:47 | 戦略
◆日経産業新聞はおもしろい。世の中の動向が、思想ではなくて、モノやカネの流れでわかるからである。ただし読み手が勝手気ままにつなぐ必要があるが、それがまた楽しい。

◆3月7日には「米ネット広告市場成長続く」という記事が掲載された。2005年の市場規模が前年比30%増の125億ドルとなり、初めて100億ドルの大台に乗ったという。日本でもこの分野の成長はすごいという。マス4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)向けの広告費は前年比マイナス0.7%。それに対しネット広告は前年比54.8%という成長率。

◆一方3月17日は「ネット台頭で揺れる米新聞」という記事が載る。「発行部数で全米二位の新聞グループ、ナイト・リッダーが140年の歴史に幕を下ろす。同業は八位のマクラッチーが米新聞M&Aで過去最高の45億ドルで買収。」

◆だが身売り先のマクラッチーは成長が見込めないと決断し、ナイトリッダー傘下の32紙のうち12紙を買収後再び転売するようだ。シリコンバレーを地盤とするマーキュリー紙もその1つ。全米有数のネット先進地での出来事である。

◆しかしこれは本当にネットの台頭に新聞が揺さぶられたのだろうか。ネット広告の市場規模が125億ドル。マクラッチが買収した金額は45億ドル。市場規模が全然違う。新聞がネットに揺さぶられたというより、ナイト・リッダーの経営の問題だったにすぎないのではないか。

◆マクラッチーCEOプルートさんはこう言ったようだ。「良きジャーナリズムは良きビジネスとなるのは当然。だがビジネスを常に改善していかなければ、ジャーナリズムの質や株価は高まらない」と。

◆商品の質の維持は、ビジネスの絶えざる改善が必要ということ。質は常に強固な財務基盤形成を担っているリーダーたちの肩にかかっている。

◆私立学校の質も、経営の論理の絶えざる改善にかかっているのである。

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