頭のいい子が育つロジカルシンキングの習慣 | |
クリエーター情報なし | |
中経出版 |
☆学習塾ロジムの経営陣であり、講師である苅谷進さんと野村竜一さんによって
☆考え方=学び方が紹介されている本。
☆学習塾経営者が執筆すると、塾のシステムの宣伝になる場合が多いが、
☆本書はまったく違う。
☆ロジムで学ぶその方法であり、その方法はまた考える過程でもある。
☆受験勉強するためには、どこまで知識を詰め込むかという従来型の話ではなく、
☆既存の知識を使わずに考える問題を出題する上位校に進むには、
☆どのような学び方を学ぶとよいのか、その方法論を展開している。
☆一見難しい話はしていないように見えるが、
因果関係とは何か?
集合論的な論理の階型理論の考え方
前提の仮説とその論理的検証
知の階層構造(ツリー構造)
☆といった数学的論理というか、コンピュータのプログラミング言語の論理
☆といった知のベースがある。
☆そんなことは受験生や保護者は知る必要ないので、
☆そこはすっ飛ばして書いているが、
☆学問的背景がまったくなく、入試問題をひたすら解いて
☆秘伝(すぐれた秘伝は結局学問的には経験論的結論につながるのだが)
☆を伝授する昔ながらの塾とは全く違う発想である。
☆ロジムは、経営ではなく知のコンサルティングを行っているということだろう。
☆もっとも、経営自体は知識工学が必要な昨今だから、
☆上位校の入試問題を素材にトレーニングすることは、そのまま
☆知識基盤社会に通じるということだろう。
☆未来社会に適合する新しい塾のあり方の一つだと思う。
☆そして、あまり強調されていないが、
☆学年があがるにつれて、
☆前提や仮説は、自ら思い描かねばならないが、
☆その体験知てきな重要性は、残念ながら麻布や桜蔭、
☆開成などのような上位校の入試問題でしか、今のところ味わえない。
☆また、集合論的な論理の展開には、パラドクスがつきもので、
☆それを解決する能力のスタートが、そのような入試問題を解くロジカルシンキングの
☆プロセスでもあり、そこがスリリングなのだが、
☆そのような入試問題を作成する学校が少ない。
☆それゆえ、ロジカルシンキングの学び方を学ぶ塾として、
☆ロジムで学ぶ生徒は、仕方がなく上位校を目指す生徒になってしまう。
☆世界リスク社会では、ロジカルシンキングは世界市民の重要なサバイブ能力の一つ。
☆上位校に限らず、既存の知識に依存しないロジカルシンキングで解ける問題を
☆がんがん出題するようになれば
☆日本の社会も少しは変化するはずである。
☆ただし、学び方を学ぶ学習は、従来型の第一次学習よりは次元が高い
☆第二次学習であるが、その次の次元の学習は、中高一貫校で学ばなければ
☆日本の社会が大きく変わることはないが、
☆そこの保証がまだ見えていないのが、実際のところである。
☆ロジムの次の戦略は、そこにあるのかもしれない。