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教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

桐光学園の授業から世界へ

2010-06-25 06:11:14 | 授業
13歳からの大学授業 未来コンパス (桐光学園特別授業3)
桐光学園,宮台 真司,佐藤 卓己,清水 浩,山本 理顕,上野 千鶴子,伊豫谷 登士翁,福岡 伸一,本川 達雄,長谷川 眞理子,吉村 仁,高藪 縁,藤田 紘一郎,四方田 犬彦,佐々木 健一,前田 英樹,松浦 寿輝
水曜社


☆桐光学園の大学訪問授業の講義内容が掲載。第三弾目!

☆それにしても毎年、よくもこれだけ知の最前線で

☆活躍している教授陣を集めたものである。

☆もくじを見るだけで、ワクワクするような知の冒険ができる。

・私たちのものの感じ方はどのように変わってきたか
宮台 真司 首都大学東京 都市教養学部教授
・メディアと世論
佐藤 卓己 京都大学大学院 教育学研究科準教授
・21世紀の社会と電気自動車
清水 浩 慶應義塾大学 環境情報学部教授
・建築をつくることは未来をつくることである
山本 理顕 横浜国立大学大学院 工学研究院教授
・ジェンダー研究のすすめ
上野 千鶴子 東京大学大学院 人文社会系研究科教授
・グローバルに考えるということ
伊豫谷 登士翁 一橋大学大学院 社会学研究科教授
・生命を考えるキーワード、それは“動的平衡”
福岡 伸一 青山学院大学 理工学部教授
・生物学を学ぶ意味
本川 達雄 東京工業大学 生命理工学部教授
・ヒトはなぜヒトになったか
長谷川 眞理子 総合研究大学院大学教授
・素数ゼミの秘密
吉村 仁 静岡大学 工学部教授
・雲と雨と気候 -衛星観測のひもとくもの
高藪 縁 東京大学 大気海洋研究所教授
・アトピー
藤田 紘一郎 東京医科歯科大学名誉教授/人間総合科学大学教授
・映画の本当の面白さ
四方田 犬彦 明治学院大学 文学部教授
・ハイカルチャーとしての芸術
佐々木 健一 日本大学 文理学部教授
・独学の精神
前田 英樹 立教大学 現代心理学部教授
・詩をどう読むか
松浦 寿輝 東京大学大学院 総合文化研究科教授
・ 「百人一首」の成立 撰者定家の隠された悩み
有吉 保 日本大学教授

25分授業意味するコト

2008-10-24 22:47:03 | 授業
☆授業分割 学力アップ 福岡・梅林中 1コマ25分 集中力持続(10月24日15時7分配信 西日本新聞)によると、

学力の二極化が深刻化するなか、福岡市城南区の梅林中学校(田村茂校長、374人)が一部の授業で1コマ50分を半分にする短時間授業に取り組んでいる。生徒の集中力を保つとともに、増えたコマを割り振って主要教科をほぼ毎日設け、基礎学力の定着を目指す試み。理科の実験では、分割分を足してゆとりを持たせるなどメリハリもつけた。文部科学省によると2分割授業は全国的に珍しい取り組みで、学校側は学力がアップしたと説明している。

☆これはすごいチャレンジだ。時間が足りないというのが、とかく現場で出てくる声なのだが、時間を圧縮するとは!

☆というより知識の確認、整理は25分。考える作業が入れば50分。実験などの体験や創造的な授業は75分。こんなふうに時間の変化を作ると、集中力以前に、いろいろな気づきを生むメリットの方が大きいはず。

☆学力アップのはずが、実は創造的才能の開発につながるだろう。私だったら、50分は覚える授業。25分は考える授業にするけれども・・・。



南部さんと下村さんが語る日本の教育環境

2008-10-13 09:30:30 | 授業
☆「ノーベル賞受賞4氏 自由な論争が磨いた理論 世界に挑んだ独創の気風(産経新聞 2008.10.13 08:28)によると、昨年の取材で、南部陽一郎さんは、こう語った。

「物理を勉強しようと思った動機は湯川博士。だが当時の東大物理学科(の専攻)には、素粒子物理がなかった。『素粒子をやりたい』と教授に言ったら、『そんなの天才にしかできないぞ』といさめられたが、それを無視して朝永博士らのグループに行って話を聞いていた」。昨年、取材に応じた南部さんは、笑顔でこう振り返った。

☆今でもそういう環境ではないのだろうか?そんなの天才にしかできないぞというフレーズは格差社会をつくる優勝劣敗イデオロギー。今もあるでしょう。

☆「化学賞は意外」「クラゲ85万匹採取」下村さん語る(朝日新聞 2008年10月8日21時24分)によると、下村脩さんは米国に居続けた理由についてこう語った。

「昔は研究費が米国の方が段違いによかった。日本は貧乏で、サラリーだってこちらの8分の1。それに、日本にいると雑音が多くて研究に専念できない。一度、助教授として名古屋大に帰ったんだけど、納得できる研究ができなかったので米国に戻った」

☆21世紀金融大恐慌の影響で、米国もかつてのように研究費をだせるかどうかわからないが、日本に比べりゃあ、雑音は多くはならないだろう。ともかくこの話も今の日本では変わらないでしょう。

☆大学の話だけれど、初等中等教育の先生にもあてはまる。夢を見続けられる授業にできるだけ先生方が集中できることが、教育改革の大反省点。文科省も教育委員会もそして家庭もそういう望みを持ってくれるとよいのに。

☆そんなの理想ジャンというのは「そんなの天才にしかできないぞ」と南部さんがいさめられた当時の思考回路に通じているし、そういう雑音が子どもたちの才能をヘコませる。



福山雅治主演「ガリレオ」とノーベル賞

2008-10-13 08:53:17 | 授業
福山雅治さん主演のドラマ「ガリレオ」が映画化する。福山さんは「湯川」という名の天才物理学者で・・・、あっストーリーの紹介をする必要はないなぁ。

☆とにかく視聴率が高いそうだ。そんな折、日本出身者4人が、ノーベル物理学賞と化学賞を受賞。メディアとしては利益増の大チャンス。

☆しかし、学校にも久々によき影響を与えてくれるだろうと期待したい。「湯川博士」つながりで、再び理数への興味がわいてほしいし、授業でも福山雅治さん扮する「湯川博士」は「論理とは何か」と語っている。

☆「論理」とやはり「創造力」これを再びキーワードに授業をデザインしてほしい。学習指導要領や教育の改悪があっても、授業が生き生きしていれば、子どもたちは救われる。

☆それとノーベル賞を受賞する方々のキャラクター分析をみんなでするとよい。どうもリクルート的人間とは違う。あっと驚くことを考える夢を見続ける人やゴルフよりも読書好きとかあれっと思ったらどこまでも追求するとか気が遠くなるような実験回数を重ねるとか、一般に排除されがちなキャラクター。

☆もっとも小林先生の家系には総裁や天文学者、医学博士がいたりして、やはり階層社会の影響は大?いやいやそういう階層社会のフラット化のためにも、「論理」と「創造」は大事なキーワードであるはず。

学力テスト結果、大阪の3市教委が公表の本当の意味

2008-09-19 07:51:20 | 授業
☆すばらしい。「学力テスト結果、大阪の3市教委が公表へ 堺、東大阪、箕面
(9月19日6時50分配信 産経新聞)」によると、


大阪府の堺、東大阪、箕面の3市教育委員会は18日、全国学力テストの結果を公表することを決めた。このうち堺と箕面市教委は結果を公表、堺市の平均正答率は小学校が府の平均を若干上回り、中学校は下回り、いずれも全国平均を下回った。箕面市は小中ともに大阪、全国を上回った。両市教委ともにホームページなどで詳細を公表する。

☆賛否両論はいろいろあるが、最も大事な話は、生徒一人ひとりの成績結果の個人表の活用。今回の公開は、ただ公開では終わらない。

☆生徒一人ひとりにアドバイスをしていくという動きにつながる。ところが、今回の全国学力テストは、曲がりなりにもPISA型。思考力についてアドバイスしなければ、意味がない。もちろん、現場は、まず基本のA問題をできるようにしようで終わるかもしれない。

☆しかし、やがては、思考力を要するB問題をどうするかアドバイスしなければならない状況が訪れる。この時点で、公立学校における教育の質の市場の原理がやっと動き始める。

☆しかも、思考力のアドバイスは、今までのような総括的アセスメントでは役に立たない。子ども自身が、学習プランを自ら試行錯誤しながら組み立てられる学びの力を評価する形成的アセスメントの導入が必要になる。今まで、現場では手間がかかるといって、拒まれてきた評価方法だ。

☆ここにクオリティ・コミュニケーションが成立するシステムが登場する。一人一人対応するのは、先生方はしんどいが、ICT導入でそれはうまくいく。この導入によって、日本のIT産業は潤う。日本経済の土台が教育の質によってささえられる。

☆そうなれば、全国学力テストの質も改善される。このテストは学習指導要領が反映しているから、今度は学習指導要領の質が改善されねばならないということになる。

☆現状の日本政治経済の負のスパイラルを反転させるのは、学力向上ではなく、教育の質向上。21世紀は知識産業の時代であり、教育の時代であると言われて久しいが、そのときがやっときた。大阪負の奈落からの脱出!3市教委は、3年後に大きな評価を得るだろう。

理科学習は役に立つ!

2008-06-06 09:33:48 | 授業
<理科学習>「大切」と考える中3、国際比較で最低水準(6月5日23時3分配信 毎日新聞)によると、


「理科の勉強は大切で、将来に役立てたい」と考える中学3年生の割合を07年、経済協力開発機構(OECD)が実施した15歳対象の国際学習到達度(PISA)調査に当てはめたところ57カ国・地域中54位の水準であることが国立教育政策研究所の調査で分かった。「科学は身近で有用」と思う中3の割合も52位と国際水準に達していなかった。「科学を学ぶのが楽しい」と答えた割合は36位と国際水準並みで、中学の授業で理科の大切さや有用性を伝えきれていない実情が浮かんだ。

☆ウム、これは確かに課題ではあるが、問題ではない。よって解決できる。理科の授業がおもしろくなるには、実験だ!の前に、国語は理科ではないのだろうか?算数は理科ではないのだろうか?美術は理科ではないのだろうか?音楽は理科ではないのだろうか?体育は理科ではないのだろうか?・・・・

☆あらゆる教科は、科学が背景にあるし、科学に結びつく。科学はイノベーションにつながる。観光立国、文化立国、金融立国、技術立国・・・いろいろあるが、全部科学が背景にあるはず。

☆科学主義ではなく、先入観を確認し、新しい考え方の発見、それの実用化という流れを科学と考える。大人にとって当たり前でも、子どもにとってはそうではない。どちらの先入観が正当性・妥当性・信頼性があるのか。 検証して、結果的に大人の常識にいきついても構わない。

☆その子どもは科学したのだ。あらゆるところに科学するチャンスはある。いつもアハ体験は可能である。

☆道徳もよいが、科学するマインドを養うと、道徳感情も養える。理科という授業のみに責任をおっつけるその保守主義、偏向主義、リスク隠蔽主義、断片主義にこそモチベーションを下げる雰囲気が蔓延する原因があるのではないか・・・。

指導主事自ら授業モデル(大阪府教委)

2008-05-17 10:49:00 | 授業
学力低下で「出前モデル授業」スタート(5月17日7時51分配信 産経新聞)によると、

全国学力テストの成績低迷を受け大阪府教委が計画した、小中学校課指導主事による「出前モデル授業」が16日、岬町深日の町立岬中学校でスタートした。・・・インタビュー映像の内容を生徒たちに英語で説明させることを通して、知識を活用する力を育てる授業のモデルを示した。・・・

☆モデル提示が疑似体験を生徒に喚起させ、モチベーションをアップさせながら授業を展開していくという方法。従来の座学や講義形式の授業とは少し違う。これを指導主事自ら範を示すというのは画期的だと思う。

☆総合学習は非難され続けているが、これが総合学習の基本。脱ゆとり路線が逆説的にも、日常の授業に総合学習的ねらいの道を開くことになる。日本はいつもかくのごとく天の邪鬼。すべてがねじれている。脱ゆとりがゆとりを取り戻すことになるのなら大いに結構ではないか。