教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

指導力不足で分限免職は違法 !!

2008-02-29 06:05:32 | 文化・芸術
時事通信(2月28日17時31分配信)によると、

京都市立小学校で学級崩壊したクラスを受け持っていた元教員の男性(34)が、指導力不足を理由に分限免職処分を受けたのは違法として、市教育委員会を相手に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。中村隆次裁判長は「処分は裁量権の行使を誤った違法がある」として、処分を取り消した。

☆果たして裁量権の行使を誤ったのか、子どもの権利を保障しようとしたのか、記事だけでは全くわからない。

☆いずれにしても、学級崩壊を立て直すには、学校全体の組織力が必要だろう。担任1人の責任ではない。担任のリーダーシップと組織としてのフォロワーシップのシステム作りをするのは校長・教頭である。教育委員会でもある。

☆責任の個人転嫁のシステムに問題があるのは確かである。そしてこれはコトは学校だけの問題ではない。日本社会の問題も同構造だ。

マガジンとサンデーがコラボ

2008-02-28 06:13:36 | 文化・芸術
マガジンとサンデーが新誌発行 創刊50年に向け協力(共同通信) - goo ニュースによると、

講談社と小学館がそれぞれ発行する漫画誌「少年マガジン」と「少年サンデー」が、来年ともに創刊50年を迎えるのを記念して、両誌が合同で今年4月から半年間、新雑誌を発行することが、27日分かった。

☆金融も家電も塾も・・・ついにマンガも共同。もちろん形態は資本提携や業務提携、時限的協力などいろいろあるだろう。

☆しかし、1つ言えることは、国内で競争していても、共倒れしていくだけということなのだ。ヴィトンも国内戦略だけではサバイブできなかった。グローバリゼーションの中でブランド力のパフォーマンスをあげるしかなかった。

☆日本の産業もその道を歩み始めたということだろう。ただコラボするだけでは、それは時限的だ。世界標準をどう作っていくか。やっと本当の鎖国の意味がはっきりしてきた。この鉄鎖をあるいは軛を破壊するときがいよいよきたか。

政府は「教育再生懇談会」を設置

2008-02-26 11:51:42 | 文化・芸術
毎日新聞(2月25日21時51分配信)によると、

政府は25日、安倍内閣の目玉だった教育再生会議の後継組織として、「教育再生懇談会」を設置すると発表した。メンバー10人のうち5人は中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の委員と臨時委員。再生会議は時に中教審と対立し、物議を醸したが、懇談会は協調路線で進みそうだ。・・・座長は安西祐一郎慶応義塾長が就任の見通し。山谷えり子首相補佐官が運営を担当し、政府からは福田康夫首相、町村信孝官房長官、渡海紀三朗文部科学相が出席。来月、初会合を開く。

☆中教審で十分なような気がするが・・・。メンバーを見ればよりいっそうそう思う。

赤田英博(日本PTA全国協議会長)▽池田守男(資生堂相談役)▽小川正人(東京大院教授)▽木場弘子(キャスター)▽篠原文也(ジャーナリスト)▽菅原真弓(小学校教諭)▽田村哲夫(渋谷教育学園理事長)▽野依良治(理化学研究所理事長)▽若月秀夫(東京都品川区教育長)

☆教育再生会議の終焉をきちんとしようということか。それにしては、若月さんのメンバー入りは何を意味するのだろうか。相当の改革論者であり、実行者だ。

☆学校選択制も小中一貫制度もシチズンシップ教育もがんがん実行している。座長の慶応も小中一貫構想を実行するが、若月さんのほうが先駆者。だいたい町村さんと若月さんだって歩調は合うはず。町村さんが文部大臣のとき、相当の改革路線だったはず。若月さんの活躍時期と重なっているのではないかな。教育に市場の原理を導入した二人という意味では、何かある。

☆どうも教育再生会議とは、本当のところは関係ないのではないか。次のステージの準備ではないか。当たり前ではあるが、もっと飛躍的な何かの準備ということ・・・。

教員志望者減少?

2008-02-26 01:48:59 | 文化・芸術
毎日新聞(2月25日17時15分配信)によると、

国公立大の2次試験の前期日程が25日、始まった。「ゆとり」教育の見直しや学力低下への不安が叫ばれる中、教員を目指す若者は減ってきている。人員不足や多忙化、理不尽なクレームをつける保護者への対応など課題も多い。教員職に不安はないのか。・・・文部科学省によると、2次試験の確定志願倍率は4.9倍で前年度より0.1ポイント増えた。このうち国立大の教員養成系は前年度と同じ4.4倍(志願者5万3817人)。大学入試センター試験が始まった90年度以降でみると、最も高かった03年度の5.6倍から1.2ポイント減少した。大手予備校・代々木ゼミナールによると、今年度の模擬試験で教員養成系大学の志願者数は約7%減少し、ここ数年は数%ずつ減っている。坂口幸世入試情報センター本部長は「厳しい労働で敬遠されているのでは」と分析する。

☆当然だと思う。教育心理学が重視されている教育領域。自分のアイデンティティを承認される欲求がなければ、自己実現への道は難しいことを体験するのが教育学部。

☆してその実態は、何をやってもモンスターペアレントにクレイム、クレイム、またクレイム。顧客満足を上げるために生徒の面倒を見なくてはということで、仕事は山積。

☆本当はコミュニケーションの最適化の学びが必要だが、教育学部の教授陣自身のコミュニケーションは抑圧型スタイル。最適化などほど遠い。

☆自分の時間がない。居心地のよい時間がない。疲弊こそすれ自己成長は望めない。階層構造社会が学校で、自分らしさが出せない。外部とつながる時間など毛頭ない。ネット社会はタブー・・・。

☆そんなところに今の若い人があえていこうとしないだろう。フィンランドでは教員は尊敬されている。日本でもそうでなければならない。そうなるにはコミュニケーションを最適化する学びが重要。最適化されたコミュニケーションは、互いに尊重し合い、創造的会話にわくわくし、モチベーションもアップ。

☆しかし、誰がそんな社会変革を、ラディカルな思考を実行しようというのか。すぐにつぶされるのが日本社会。絶望の国、日本なのか。

大学間で共同学部・共同大学院

2008-02-25 05:30:37 | 文化・芸術
朝日新聞(2008年02月23日15時09分)によると、

文部科学省は複数の大学が教員や施設を出し合って授業を行い、各大学連名の学位を授与する「共同学部」「共同大学院」を作れるように大学設置基準を改正する検討を始めた。28日の中央教育審議会(文科相の諮問機関)の部会で改正の方針を説明。08年度中に基準を改正し、10年度からの新制度スタートをめざす。「大学全入時代」を迎え、私立大の4割が定員割れするなど大半の大学が学生集めに苦しんでいる。だが、特徴ある学部を作ろうとしても、単独では教員や設備の面から限界がある。一方、有力大学にとっても、補助金が減らされる中、多様化する研究分野に対応して単独で学部や大学院を次々と増やすのは難しい。特に地方の学生は地元に特徴ある学部や大学院が少なく、進路の選択肢が限られてしまっていた。

☆主幹校はどこか、授業料はどうするのか様々な問題もあるようだが、それは電子マネーの分野で実施されていることを応用すればよいだけだろうから、それほど壁は高くないだろう。

☆知のリソースを有効に使えることのほうが重要。それに広くこれが実行されれば、学歴社会はフラット化するはず。もっとも遠い道のりではあるが。。。


物質化されたゲーム脳は創造的?

2008-02-25 05:04:11 | 文化・芸術
Washington Post Thursday, February 21, 2008によると、

The next video game controller you use might be between your ears. A start-up company called Emotiv Systems has developed a helmet-like headset that, it says, lets users control game characters with their thoughts.

☆ゲームのコントローラーが、エイリアンよろしく、額にはりつく。脳内思考、いやむしろ脳内感情に反応して、ゲームを操作していく。ウェアラブルPCからウェアラブルゲームへ。

☆PCがウェアラブルに軽量化され、あるいはモバイルに転用されていく流れは、ゲームにも当然の流れとなる。技術の応用は、マーケットを創出するから当然。任天堂、ソニー、マイクロソフトの競争は激化する。

☆それにしても時代は宇宙と脳とネットであることに間違いないなぁ。体験→媒介項(宇宙×脳×ネット)→経験値のサイクルが学習理論になる。


宇宙からの救い 情報格差解消

2008-02-25 04:39:21 | 文化・芸術
ネット衛星 軌道に H2Aロケット 打ち上げに成功(西日本新聞) - goo ニュースによると、

宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)などの超高速インターネット衛星「きずな」が23日午後5時55分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターからH2Aロケット14号機で打ち上げられた。約30分後、衛星は予定軌道に投入され、打ち上げは成功した。・・・地上局を介さない衛星通信の特性を生かし、インターネット環境の整備が進んでいない離島や山間部などの情報格差解消が期待されている。両機構は、大規模災害で地上インフラが途切れた際の通信手段や、遠隔医療などでも活用する考え。一方、H2A14号機は打ち上げ事業が宇宙機構から三菱重工業へ移管後、2回目の打ち上げとなった。会見で、同社の川井昭陽・航空宇宙事業本部長は「今回の成功は商業衛星の受注活動に弾みになる」と述べた。

☆3つのキーワード(キーフレーズ)

種子島
情報格差解消
宇宙機構から三菱重工業への移管

☆情報格差解消には、ネットのインフラ整備は重要だが、情報収集・分析・批判・発信という教育が必要。それもネットでできるようになるわけだ。ネットでの教育にはネット広告が参入。ネット広告の難点は、主体的に広告を見る取捨選択よりもすぐにクリックしてしまう誘導型になっている場合が多い。欲求より条件反射的マーケティング。どこか恐ろしい。。。

☆しかし、民間移管の意味するところは、経済格差。なんといってもロケット打ち上げにかかった費用は、約500億円。回収するには、利益追求型になるのは必至。しかも一部の企業に金の流れが集中するのも世の常。

☆政府払下げのような動きは、明治時代から変わっていない。。。


授業でフィンランド・メソッド人気?

2008-02-24 10:49:05 | 文化・芸術
J-CASTニュース(2月23日12時25分配信)によると、

OECDが実施した学習到達度調査(PISA)によると、日本の「学力」は、順位が低下傾向にあるが、フィンランドは上位を維持し、日本でもその教育法に注目が集まっている。授業に「フィンランド式」を取り入れる学校が出現したほか、「フィンランド式学習」を謳った書籍も続々と登場してきている。・・・最新のOECDのPISA調査(2006年)では、日本が順位を落とす傾向にあるのに対し、フィンランドは総合で1位。特に読解力で14位と同1位のフィンランドと大きな差がついてしまった。そこで注目を浴びているのが、フィンランド式の学習方法というわけだ。

☆よいことではあるが、実際にはフィンランドの授業を見に行ったわけではなく、書籍という一部の情報が切り取られたものを活用してやるわけだから、日本の鎖国時代と同じ知の輸入方法。

☆参考にするのはよいが、丸ごと本をまねしたのでは、とんでもないことになる。

☆ちょうどそのことについて、少し書いているところ。参考になれば幸い。
→学び野[06] フィンランド・メソッドの論理力としての媒介性

ネットの情報速度

2008-02-23 04:39:50 | 文化・芸術
「3歳の子助けて」チェーンメール、日赤にも電話殺到(朝日新聞) - goo ニュースによると、

RhマイナスB型の血液不足で3歳の子どもが手術を受けられない、という「チェーンメール」が流れたことで、入院先として名前の挙がった病院だけでなく、献血事業を行っている日本赤十字社にも問い合わせ電話が殺到、22日になってホームページに「輸血用血液は不足していない」と掲示するなど対応に追われた。各医療機関は冷静な対応を呼びかけている。

☆「チェーンメール」とは、要するに不幸の手紙のネット版。古典的な悪質な行為であるが、メディアが手紙でなく、ネットであることから、改めてその情報速度のすさまじさを実感する。

☆紙媒体の広告費が減少し、ネット広告の費用が増加しているのもよくわかる例だが、それにしても悪質だ。

☆医療現場では、ただせさえ多忙極まりないのに、それを阻害する情報ノイズは、後を絶たないという。

☆医療現場の情報開示サイトにより、医療危機管理をする必要がある。

片山学園 富山県内初の中高一貫校

2008-02-22 02:10:26 | 文化・芸術
毎日新聞(2月21日17時2分配信)によると、

学校法人・片山学園が4月に富山市東黒牧で開校を予定している片山学園高校の設置が20日、県から認可された。これで3年前に開校した片山学園中学と合わせて、県内初の中高一貫校が誕生することになった。・・・県内10校目の私立高校となる同高は、県内で学習塾を経営する片山浄見理事長がエリート私学を目指して開設。・・・3年後は東大と国立大医学部へ、それぞれ20人の合格を目指すとしている。・・・片山理事長は「長年の夢が実現し感慨無量。3年後の大学進学で、しっかりした結果が出るような指導を心掛けたい」と意欲を語っている。

☆片山学園自身のマニフェストでは、「全人教育」もきちんと掲げているが、新聞記事になると、その部分はカットされて、東大!医学部!大事な点は「国立大」医学部ということ。

世はまだまだ学歴主義。逆走日本の教育!を新聞が煽る。いや造る。