教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

伊藤久仁子(共立女子第二中)の優秀賞受賞

2006-03-13 08:24:35 | 教師
◆集英社・一ツ橋文芸教育振興会主催の「第15回読書指導体験記コンクール」において、共立女子第二中学校の伊藤久仁子先生が、中学校の部・優秀賞を受賞。おめでとうございます。

◆受賞論文テーマは「授業は本の『試食』の時間」。伊藤先生が以前から継続している日頃の実践を綴った珠玉の論文。

◆論文の内容そのものは、伊藤先生の書かれた論文を直接読んだ方がよいので、論旨をまとめることはしないが、その中の一節(下記☆~☆)をご紹介したい。

 ☆教師が精選したものを与えて無駄なく活用させるより、膨大な無駄やロスを恐れずに、バリエーション豊かな情報を提供すること。何でも食べて大きく育ち、そのうちに 自分にとって「美味しい味とまずい味」の区別がつくようになれば、自力で必要な情報 を選べるようになっていくのではないか。日々の授業の冒頭にあるちょっとした無駄な 時間。それが実は「選書眼」を磨き、自己理解を深め、学校を卒業しても「自分で自分 に水遣りができる」力を育てるのではないだろうか。☆

◆このような発想はベルカーブ型の成績を日ごろから意識している授業からは生まれてこない。生徒1人ひとりのオリジナリティを大切にする眼差しから生まれてくる発想である。生徒の個性とは結局「選択眼」という価値判断の「価値」形成にあるということではないか。

◆ところがベルカーブ型の成績は、個性を平均化する作業である。これはこれで大きな役割がある。公平性の発想が片方で必要だからだ。しかし、これだけだと才能の芽を摘まれてしまう。教育とはまさにバランスである。

◆生徒の思い出に残る授業。それはベルカーブの壁をときどき破る仕掛けが設定されている授業。授業DE-SIGNこそ教師力の基礎であろう。

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