教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

フィンランド式学習の導入の仕方が問題

2008-03-31 07:05:48 | 文化・芸術
J-CASTニュース(3月30日20時5分配信)によると、

日本の「学力」低下が懸念されるなか、フィンランド式教育が注目されている。OECDが実施した学習到達度調査(PISA)で、日本は順位が低下傾向にある一方、フィンランドは上位を維持していることもあって、ちょっとしたブームになっている。国内でも授業に「フィンランド式」を取り入れる学校が出現したほか、「フィンランド式学習」を謳った書籍も続々と登場している。「フィンランド式」の根幹は何なのか? J-CASTニュースでは、実践型の「フィンランド式学習」としては初の書籍『フィンランドメソッド実践ドリル』を執筆した諸葛正弥氏に聞いた。

☆基本はよいことだと思う。ただ、「今の教育は「子供のために」という言葉を履き違えているのではないかということです。子供にとって、親も教師も都合のいい大人を演じてしまっている。子供に皆が振り回されてしまっている。そんな気がしてなりません。」という発想で取り入れるのは何かが違うなあ。

☆日本とフィンランドでは、社会の安定度が違う。子どもの自律を待てる環境は、フィンランドの方がある。福祉国家であるから。国が学校を教師を子どもを守る。しかし、日本は親が守る以外にない。だから塾が必要なのだ。

☆日本は従来国が公立の教師を守ってきた。最近少し変わったかな、ガス抜き程度に。私立の教師が、公立の教師と違うのはそういうところに帰因する。公立学校で子どもが反乱起こすのは、一面は正しいのかもしれん。子どもながら権力のチェックをしているのだから。

☆フィンランドに塾が必要ないのは、国が守るからだ。日本は自衛手段が必要なんだね。その経済あるいは金融的背景を抜きに、子どもを批判しても・・・。

国家権力と権力の意志は違う?

2008-03-31 06:36:37 | 
権力の読みかた―状況と理論
萱野 稔人
青土社

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☆国家権力と権力のプログラムそのものは区別して考えることというのはポイントだな。この区別ができないと、国家権力をチェックできない。そこから逃れられない。また、権力そのもののチェックもできない。振り返りだとかメタ視点だとかというものを持つことができない。

☆ということはダイアローグとしての対話や議論ができない。権力のプロラムとは、権力に従って生きる心身の構築の工学的戦略の仕掛けである。この工学的戦略の仕掛けの組み立て方によって、関係性は変わる。

☆国家権力は、かつてはその源泉を国王だとか独裁者などに要素還元してきた。源泉さえ絶てば、革命は成立するという幻想。国家権力は税金収奪の正当化の理論として最適なものを求める。あるときは封建制度、あるときは絶対王政・・・。そして近代は、心身の構築そのものに、つまり教育の中にその仕掛けを見出している。戦前はその教育の仕掛けがまだまだ収奪権力が丸見えだった。しかし、最近は工学的戦略を大いに活用している。

☆この戦略の変更こそが国家権力の逆活用につながる。いずれにしても権力から逃れることはできない。力の関係性は生そのものだからしかたがあるまいということか・・・。余りにニーチェ過ぎるきらいが・・・。

私立中高一貫校3校が平和サミット

2008-03-30 12:01:30 | 文化・芸術
中国新聞(2008年3月15日)によると、

広島、福山、沖縄の3つの中高一貫校が、広島と福山両市で27―30日、「08中高生平和サミットinHIROSHIMA」を開く。昨年、沖縄で初めて沖縄尚学中高(那覇市)とサミットを開いた盈進中高(福山市)が、広島女学院中高(広島市)に呼び掛けて実現する。サミットは27日、広島市で開会。中区の平和記念公園内の碑めぐりや原爆資料館を見学するほか、被爆者と平和活動家の話を聞く。討論・発表を通じ、地域や国際社会での平和貢献策を探り、独自の平和宣言を採択する。

☆とある。今日が最終日だ。たいへんよい活動。中等教育時代に、こういうグローバルで世界の痛みのシェアを発信する行動は、日本や国際社会によき影響を与えるのは間違いない。

☆そのためには、もっともっと発信メディアの工夫をするとよいと思う。また、東京の私立中高一貫校も、国際アンネ・サミットを開催してもよいと思う。≪私学の系譜≫に属する私学が集まればそれは可能になるはず。戦後教育基本法が改正された今、政治ではなく、本質的な人間論をベースにした教育活動で、戦後教育基本法の精神を継承し続けるには、そういう方法があると思うが。

☆ところで、広島女学院には「第18回谷本清平和賞」が贈られている。

【関連記事】広島女学院、谷本清平和賞受賞

就活でも役立つ本 そして経営戦略は人生戦略だった

2008-03-30 11:13:32 | 
経営戦略を問いなおす (ちくま新書)
三品 和広
筑摩書房

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このところ三品和広さんの本を読んでいる。学習戦略、学校経営戦略、企業経営戦略の構想・実行のお手伝いをするのが私の生業だが、戦略の類の書籍でこれはと思うものになかなか出会えなかった。

ところが三品さんの本を読んでいるうちに、これはマイケル・ポーターを超えられる視点があるなと感じた。それで読んでいる。といってもいつものように斜め読みなのだが。

なにせ学校と企業では若干戦略手法や視点が異なる。ポーターでは学校経営の戦略のヒントがないのだ。その点ハワード・ガードナーは、学びの組織づくりという点で大いに参考になる。だが、学校経営戦略ではもう一歩。

そんなとき三品さんの本は、実によくデータを調べ、それに基づいて、論を展開してくれている。そして、データの積み重ねのプラトー状態がやってきたとき、データの非意味性に気づかせてくれる。ここからがポーターを超えるところだ。

それに特にこの書は、結局経営戦略は人生の選択戦略の話であるというオチがまたいいんだな。新書なので、電車の中でも読める。就活でも大いに役立つし、癒しになると思うよ。

世界の痛みを感じるのは難しい・・・。

2008-03-30 10:34:25 | グローバリゼーション
少女兵士、北ウガンダ…世界が知るべき10大ニュース(朝日新聞) - goo ニュース

国連は27日、「世界がもっと知るべき10大ニュース」を発表した。国際社会が重要性に気づいていなかったり、メディアの関心が薄れたりした問題を取りあげた。

☆まったくそうだ。しかし、遠くで知ることで、何かの役に立てるのだろうか。途方にくれる。何もできないし、世界の痛みを感じるイマジネーションなど自分にはない。無力。

☆10大ニュースとは、同紙によると、以下の通り。

◆「世界がもっと知るべき10大ニュース」

・ウガンダ北部での和平進展

・国籍のない人々の存在

・常態化する異常気象

・少女兵士の苦しみ

・岐路のアフガニスタン復興

・マラリア予防と治療の進歩

・国連人権理事会・特別報告者らの役割

・平和維持活動での警察の活躍

・平和を模索するスーダン南部

・鳥インフルエンザの脅威

☆クオリティ・ライフをなんて言っている自分はなんて空しいのだろうか。。。



西村和雄さん「ゆとり教育見直し」を講演

2008-03-29 15:54:22 | 文化・芸術
産経新聞(3月27日22時44分配信)によると、

和歌山「正論」懇話会の第53回講演会が27日、和歌山市内のホテルで開かれ、京都大経済研究所長の西村和雄氏が「日本の教育の現状と望まれる改革」と題して講演した。西村氏は、ゆとり教育がもたらした学力低下の改善に向けて「単に授業を増やすだけでなく、小人数クラスの実現と自学自習できる教科書が必要だ」と強調した。・・・ゆとり教育の見直しについては「少し授業を増やすだけでは本質は変わらない。こま切れの非効率なカリキュラムや教師の主観的な評価がない制度を見直さなければいけない」と訴えた。

☆主観的な評価はしかたがないが、恣意的な評価は困りますな。西村さんの主張は以前から一貫している。

☆この記事よりは少し詳しい以前のリソースも参考になるはず。

【参照】→西村和雄氏の新学習指導要領批判



ゲーム中毒現象は教育の欠陥

2008-03-29 08:09:33 | 文化・芸術
☆悲しい事件が起こるたびに、ゲームやアニメ、マンガに責任転嫁される。しかし、それは全く愚かな姿勢だ。

WiredNEWS(2008年2月8日(金)11:34)によると、

スタンフォード大学薬学部の研究チームが最近行なった研究の結果、ビデオゲームによってもたらされるような刺激を受けると、脳内の報酬系は、女性よりも男性の方が活性化することが分かった[報酬系とは、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系のこと。ドーパミン神経系とされる]。

☆このドーパミンという脳内神経物質のコントロールができない心身セットが中毒を生むのだろう。つまり条件反射心身セット。

☆だから、何もゲームだけではなく、あらゆるモノに条件反射心身セットがなされる危険性がある。このリスク・ヘッジをする方法は、制限規則、刑罰規則、道徳規則などのルールによる規制という方法がある。ゲームに限らず、あらゆるモノに規制はある。

☆しかし、それだけでは息苦しいし、必ずルールを破る事件が起こる。したがって、外的規制より、内的コントロールのほうがよい。しかし、それは遊びと学びのプログラムをつくるという教育システムの課題。

☆遊びなき学び、学びなき遊びしか、教育システムは実行してこなかった。ここに大きな欠陥がある。


ゲームは子どもに悪影響??

2008-03-29 07:42:45 | 文化・芸術
ビデオゲームは子供に悪影響=暴力に鈍感に-英報告書(時事通信) - goo ニュースによると、

英政府は27日、ビデオゲームやインターネットが子供に及ぼす影響に関する報告書を公表、産業界や家庭と協力して対策に取り組む方針を明らかにした。ゲームのパッケージに「子供の健康を害する恐れがある」といった警告文が印刷される可能性もありそうだ。

☆「報告書は政府の委託を受けた臨床心理学者が作成」ということらしい。心理学者の役割は、目の前の否定的現象を引き起こした原因を探すことだろうから、いつも短絡的犯人捜しになりがち。

☆ゲームが、子供の暴力の誘因。だから、性と極端な暴力描写を含むゲームについて年齢制限の拡大をせよということになる。

☆性や暴力の原理についての教育プログラムをつくるという総合的プランを立てることのほうがより重要であるはず。今のところ、家庭教育と道徳教育あるいは宗教教育にゆだねられているが、いずれも破たん。では、どうすればよいのか。

☆NHK教育番組を見ていると、ゲームやビデオによるプログラムの実施が最も効果があるように思えるな。えっ!!ゲームやビデオは子どもに悪影響を与えるのではないの?

☆悪影響を与えるのであれば、良影響も与えられるのは明らかである・・・。

新学習指導要領に見える化される権力

2008-03-28 08:47:40 | 文化・芸術
読売新聞(3月28日5時5分配信)によると、

文部科学省は、約3年の改定作業を経てまとめた小中学校の新学習指導要領を28日付官報で告示する。先月15日公表の改定案と比べ、「我が国と郷土を愛し」といった記述が追加されたほか、「君が代」についても「歌えるよう指導する」と明記されるなど、「愛国心」の養成をうたった改正教育基本法を色濃く反映する形となった。これらの修正点は、文科相の諮問機関「中央教育審議会」の審議を経ないまま盛り込まれており、なぜ新たな文言が突然加わったのか議論を呼ぶのは必至だ。

☆「議論を呼ぶ」とは?法律制定上の手続きを踏んでいるので、呼ぶのはおかしい。悪法も適正なプロセスで成立してしまったのだから、こうなる。文科省も

「修正は中教審の答申の枠の中で行っており、批判を受けるとは考えていない」

☆強気の発言だ。法論理上しかたのないことだが、なにゆえ、今さら学習指導要領に権力を見える化するのかなぁ。文科省が国家権力を担っていることはそもそも自明。そこが制作するモノの背景に権力が横たわっているのは誰でも知っている。

☆この権力のチェック機関が国会なんだが、機能していないのだから、ますます権力は背景にあって、環境設定型権力のほうがよいのではないのだろうか。

☆なにも自ら露にベールを脱ぐ必要もなかろう。それとももしかして、文科省は自らの権力はチェック不要な神の正義だとでもいうのか。だから、崇め奉ってくれということか。いや、そんなことはないな。ないない。そんなバカではあるまい。

「カーリング型」大いに結構ではないか!!!

2008-03-27 10:48:20 | Weblog
今年の新入社員は「カーリング型」=手が掛かる?-生産性本部が命名(時事通信) - goo ニュースによると、

今年の新入社員は「カーリング型」-。社会経済生産性本部(牛尾治朗会長)は26日、2008年度の新入社員のタイプについて発表した。今春入社組の採用戦線は空前の売り手市場だったが、こうしたことも影響してか、「少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まったりしてしまう」。

☆新入社員が受け身だとでもいいたいのかなぁ。もちろん、違うよね。強権発動型のリーダーシップからフォロワー型リーダーシップで迎える企業体が望ましいよねということを言いたいんだと思うがいかに。

☆新人の育成の仕方が変わったよということだろうねぇ・・・。