教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

学校選択制の本当の意図

2008-05-31 12:53:10 | 学校選択
学校間で人気格差ジワリ 大阪枚方市の“越境入学”(5月31日12時7分配信 産経新聞)によると、

中学校の“越境入学”を認める制度を導入した大阪府枚方市で毎年度、入学予定者の2、3割が転出する通学区域が生じ、学校間で人気の有無が目立ち始めている。生徒や保護者の意思を尊重する「学校選択制」を促す文部科学省の方針にのっとり、近隣自治体に先駆けてスタートして5年目。学力レベルへの不満からの転出がうかがえるケースもあり、導入前に懸念された「格差」を生まないための創意工夫が、現場レベルでは行われている。枚方市では、今も市教委が決めた通学区域内の中学校に就学するのが原則だ。平成16年度から、保護者が申し出れば「生徒の具体的な事情」があれば、越境も認められるようになった。通学区域がなく、全域から自由に中学が選べる東京都品川区のような「学校選択制」とは異なる。市教委によると、これまでに認められたのは初年度の16年度162人、17年度189人、18年度218人、19年度286人で、増加傾向にある。

☆変更理由は、友人関係、クラブ、通学距離などが大勢を占めているようだが、学校と教師の魅力が本当のところだろう。そういう意味で、選択の自由は、学校当局、教師側にとっては、厳しい試練だ。

☆しかし、本当は学校は、当局と教員だけがつくるのではない。地域、保護者、そしてなんといっても生徒自身がかかわらなければならない。

☆自らの力で思い出作りの場をつくる組織づくりを学校側が仕掛ければよいのであり、基本は社会を形成するシミュレーションの場なのである。
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宗教信じない日本人70%

2008-05-31 09:31:15 | 文化・芸術
宗教「信じない」7割、「魂は生まれ変わる」3割…読売調査(5月29日23時41分配信 読売新聞)によると、

読売新聞社が17、18日に実施した年間連続調査「日本人」で、何かの宗教を信じている人は26%にとどまり、信じていない人が72%に上ることがわかった。・・・先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めた。

☆宗教教育を行わないという日本国憲法の意向を汲むものであると考えることもできるが、儒教や仏教、神道の伝統を引き継いでいるともいえる。

☆日本人のキャラクターはいろいろであるが、基本はコアなキャラクターより多神教的キャラがぴったり合っているのが、日本人の特性ということかな。

☆アイデンティティは中空点で、そのまわりを多元なキャラが浮遊している日本人。それがよいのかわるいのかは、わからないが、1つのアイデンティティに封印し、キャラもそれに合わせようという意味での道徳教育をやろうとしているとしたら、日本の文化は萎縮する。もっともそうなれば、アキバ文化はますます萌えるとは思うが。

☆村上隆の16億円のフィギュアは萌え文化の象徴象のように思う私は、やはり芸術オンチなのか・・・。
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文科省vs財務省

2008-05-30 07:40:16 | 経済
☆ 「教育予算7兆増なら幼稚園無料・私大生に30万…文科省検討(2008年5月29日14時39分 読売新聞)」によると、


「幼稚園、保育所は無償」「私立大学生200万人に30万円支給」――。政府の「教育振興基本計画」で、教育投資の総額が対国内総生産(GDP)比で、現在の3・5%から5%になった場合、文部科学省が検討している増額分1・5%(約7兆円)の使途が29日、明らかになった。低所得者世帯の大学生の授業料免除や私立の高校・大学生などへの授業料減額などに約2・2兆円をつぎ込むなど大盤振る舞いが目立つ。財務省は反発を強めており、振興計画の閣議決定は6月中旬以降にずれ込みそうだ。

☆どんな背景があって文科省は大盤振る舞いを考えついたのだろうか。文科省はEU諸国の制度の一部を導入しているのだとは思うが、良い悪いは別にして、日本はアメリカ型の限りなく自由市場経済で乗り切ろうとしている。財務省はそれをベースに反発しているのだろう。

☆文科省は接ぎ木的発想だし、財務相は一徹主義。どちらも時代の認識が・・・。ただ勤勉であるだけ。それは日本の文化としては頭が下がるが、倹約というのはどこにいったのか?これは財務省に分がある。

☆しかし、イノベーションというのは両者にはない。教育も起業すべきではないか。社会的起業ということである。大学は日本や欧米だけではない。また、フリーターをポジティブに見直せば、教育サポーターとして働く機会も作れる。おそらくそれぞれの教科や精神的な面で相当長けている人材がいる。

☆ここにはおそらく多くの人が注目するだろう。ネット広告の出番だ。しかも、国内だけではなく、海外、特にアフリカ、アジアの子供たちのために支援する部隊をつくる。教育支援部隊で世界を席巻する。

☆また仏の道やキリスト教の道を天職に選ぶ道もあるだろう。今のままでは若者にとって魅力のない領域かもしれないが、怪しげな宗教を装った集団にひきこまれるのを防ぐこともできるはずだ。

☆教育起業と宗教起業の推進力に期待する。それから芸術起業は忘れてはならない。官僚は正義としての経済に傾注した方がよいのではないだろうか。

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芸術も起業

2008-05-29 17:48:44 | 
芸術起業論
村上 隆
幻冬舎

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☆村上隆さんの作品「マイ・ロンサム・カウボーイ」が16億円で落札されたというニュースを聞いて、本棚の奥から引っ張り出してきた。

☆なるほどこの「芸術起業論」を実践したのだなぁと今更ながら感心した。社会起業といい、芸術起業といい、会社ばかりが起業ではない。

☆社会起業と企業の壁をなくす社会。それは芸術起業論を媒介にしなければならないな。欧米の芸術の世界のルールをふまえないと、アーティストは世界で通用しないと村上さん。

☆学びも、金融も、会計も、ボランティアも、医療も、そしてついには芸術も世界標準でなければ認められない。評価の基準は世界標準をまずクリアすることだ。

☆それはまた売れるということだ。売れるあるいは売るとは理不尽な利益を獲得することではなく、評価されるということを意味する。このルールで行けば、社会起業と企業の壁はなくなるなぁ。

☆それから認められるということは、歴史に作品が残るということ。かけがえのない存在をつくるということ。それには歴史を学べと。歴史を学ぶことは自由になることであるというのもイイジャないですか。
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社会起業家の活動を知りたい方へ

2008-05-29 08:40:29 | 
世界を変える人たち―社会起業家たちの勇気とアイデアの力
デービッド・ボーンスタイン
ダイヤモンド社

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☆NHKのBS放送で、金子郁容さんがファシリテータで、アショカという社会起業で活躍しているビル・ドレイトンさんにインタビューしている番組があった。

☆社会起業家については、1999年ごろから気にはしていたが、これほどまで豊かな活動をしているとは実感がもてなかっただけに、驚愕した。「世界を変える」というのは私にとっても重要なテーマだけに、多くの社会起業家が具体的にどういう活動をしているか、もっと知りたくなった。

☆そこで本書を読んだが、これは狭い意味の社会起業家論ではなく、人間論であり、人間としてどういうリーダーシップをいかにとっていくのかという実践的バイブルであった。

☆本書の考え方でいけば、マザー・テレサも社会起業家になるだろう。こういう広い視野で論じられる社会起業家論は、日本でも必要である。

☆世界を変える組織の4つの特徴は

1)苦境にある人々の声に耳を傾ける
2)予想外の出来事からひらめきを得る
3)現実的な解決策を考える
4)適材を見つけ出して大切にする

とある。

☆これは社会起業家の特徴というよりも、共鳴共感リーダーシップとして、企業や学校や官庁などすべての組織で働く人々にも通用する。もちろん家庭でも。

☆社会起業のいきつくさきは企業との境界線がなくなるという。どんな社会に変わるというのだろう。いずれにしても日本の若者の未来の選択肢は広がる。
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桐光の知の冒険

2008-05-27 11:05:27 | 
大学授業がやってきた!知の冒険―桐光学園特別授業

水曜社

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☆大学進学実績の飛躍的伸びを果たした桐光学園だからこそ、試みることができた桐光の知の冒険。

☆大学入試の情報は山ほどあふれているが、大学における研究そのものの情報が少ない。校長伊奈先生のビジョンは、大学進学指導からリベラルアーツへの学びのチェンジであったが、それは見事に果たされた。

☆しかし、それは桐光の歴史の否定の上に立ったリフォメーションではない。表紙の帯の部分に、北村弁護士らしい推奨フレーズが載っている。「甲子園で見せた桐光学園の凄みがここにも生きている」と。

☆知そのものの探究のおもしろさもあるし、あらゆる分野の知の探求がされているので、本質的な進路選択にも大いに役立つ。

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18歳未満の子ども兵は世界に25万人とも30万人とも推定

2008-05-26 07:44:53 | グローバリゼーション
日経のコラム「春秋」(2008年5月26日)によると、

ユニセフによれば18歳未満の子ども兵は世界に25万人とも30万人とも推定される。アフリカや東南アジアに多いという。貧しさなどからの志願組もいれば、・・・強制的に徴用される子も少なくない。こうした子ども兵をいかに減らすかとともに、解放・復員後のケアも課題になりつつある。厳しい環境で生きるアジア、アフリカの人々はまだ多く、手助けの主役は政府だけではない。例えば冒頭の女性は日本のNPOが洋裁技術の習得を支援した。この女性を含め3年で元子ども兵92人の社会復帰を支援したと理事長の鬼丸昌也さん(28)は最近出版した体験記で報告する。

☆心の痛みはジンジョウではないが、何もできない自分がいる。しかし鬼丸さんのように社会起業家として支援活動を実践している若者がいる。

☆日本の国内における若者バッシング論なんてものは、やはり大量消費システムを運営する側の仕掛けに過ぎないような気がする。

☆鬼丸さんの姿は、必ずや多くの人に共鳴共振を広めていくことだろう。
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文章とはトートロジーなのだ。ソレデイイノダ・・・?

2008-05-25 12:35:16 | 
知識だけあるバカになるな!
仲正 昌樹
大和書房

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☆これほどどこを開いても、「知識だけあるバカになるな!」をあからさまに飽きるほど書いている本も珍しい。

☆知識をたくさんもっていることが教養ではない。未熟なうちに権威を鵜呑みにするなというのもなんてトートロジー。未熟だから権威を鵜呑みにするのだ。

☆だからすべての人が権威をまずは鵜呑みにする。なるほど。教養とは鵜呑みにしていた自己の記憶の知識体系を組み替える・壊す・脱構築することだ。ではどうやって?権威ある本を読書することによって。ナヌ^^????

☆だからレベル6までの読解リテラシーを身につけなければだめなのだ。そこのところが日本の教育者や学者が表現できていないね。国際教育研究家の岡部憲治さんに教えを請うことが重要じゃないかい。
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「若者論」を疑うことは大事なコト、そして次に・・・。

2008-05-25 12:22:22 | 
若者論を疑え! (宝島社新書 265) (宝島社新書 (265))
後藤和智
宝島社

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☆「今時の若いもんは!・・・」というのはいつの時代もあったけれど、最近のは困る。「今時の若者」を非難するのは今回だけは的外れだからである。彼らは確実に時代を拓く役割を引き受けているからだ。

☆もちろん、65%は従来の考えに従っているだろう。5%はそこには居辛く逃走しているだろう。しかし、この逃走は闘争を迂回しているだけで、創造の閃きがある領域だ。

☆さて残りの25%。この「今時の若者」はクリエイティブ・クラスで、団塊・断層の世代が理解できないライフ観を持っている。従来型の学校社会や企業社会に興味と関心を持っていないし、かといって、逃走も闘争もしない。迂回もしない。ワープしてしまうのである。すべてリソース。それだけである。新物好き、好奇心旺盛、刺激がなければすぐ飽きるという、人間の本性まるだしの新教養人なのである。

☆まずはそのことを理解するためにも、レッテル貼り「若者論」の幻想を打ち砕くのはよいことだ。

☆しかし、65%の中には、すでにその幻想の虜になっている、つまりオリエンタリズム化している若者もいることも確かである。大人の「若者論」の幻想を打ち砕くことも誠に重要だが、催眠術にかかっている若者の救済も肝要である。

☆本書の著者と対談している本田由紀さんが、それほど若者はこのレッテル貼りにメンタルにダメージを受けていない、迷惑は被っているがと語っている。「若者論」なんてそんなものと言いたいのだろうが、実際にはこの「若者論」を鵜呑みにしている教師の言動がダメージをあたえていることも否めない。

☆著者と本田さんは社会学者だからデータにないものは取り扱わない。しかしデータは、現象を造るが、すべての現象を分析できない。本書は重要な視点だし、検証の成果だが、現場に働きかける気概は感じられない。それでよいというスタンスなんだろうが・・・。
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テストばかりでは学力向上に逆効果かも

2008-05-25 02:00:49 | 文化・芸術
☆ 「基礎活用の問題追加 新学力調査、12月予定(5月22日10時11分配信 琉球新報)」によると、

県教育委員会が全庁一体となって取り組む学力向上施策検討委員会(仮称)の第一回会合が21日、県教育庁で開かれた。昨年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を踏まえ、県が1989年度から毎年実施してきた達成度テストを発展させ、基礎的な知識を活用した思考力、判断力などをはかる問題を追加した県学力調査(仮称)を実施することを確認した。調査は12月を予定。小学4年生と中学2年生を対象に国語、算数(数学)、英語(中学のみ)で実施する。

☆意気込みはよーくわかる。しかし、何か違うのではないかな。知識を活用したり考えたりする力を養うには、むしろ沖縄の海洋を調査したり、サンゴ礁を保守するための提案をしたり、戦争回避の提案を過去の歴史から考えたりと、沖縄自身の体験学習こそ役に立つのではないだろうか。

☆同記事には、次のような文も載っている。

仲村守和県教育長は「子どもたちが県外でも劣等感を持つことなく、振る舞いができるような学力をつけてあげたいと考える。学力向上対策についてしっかり議論し、方向性を示してほしい」とあいさつした。

☆痛いほど教育長の思いは伝わってくる。しかし、この劣等感を持つような事態こそ解決すべきで、それを学力によって見返そうみたいな発想では劣等感そのものがなくなるわけではあるまい。

☆現場の苦労も知らずに何を言うと叱責されるかもしれない。しかし、どこかおかしいと感じるのは私だけだろうか。

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