教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

学校選択の変化 (6) 慶應普通部

2006-07-31 20:51:20 | 学校選択
◇慶應普通部の併願校は、ある均質の傾向に収束。

◆2003年データ 慶應普通部
浅野・慶應中等部・サレジオB・慶應湘南藤沢・芝②・立教新座①・聖光学院②

◆2004年データ 慶應普通部
浅野・慶應中等部・サレジオB・慶應湘南藤沢・聖光学院②・鎌倉学園③・法政第二②

◆2005年データ 慶應普通部
浅野・慶應中等部・慶應湘南藤沢・サレジオB・芝②・聖光学院②・逗子開成③

◆2006年データ 慶應普通部
浅野・慶應中等部・慶應湘南藤沢・聖光学院②・芝②・サレジオB・立教新座①


◇ここまで欧米風の雰囲気を持っているブランド校併願に収束するのは少し珍しい。学校選択者側の目が相当磨かれてきているということか。
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学校選択の変化 (5) 麻布

2006-07-31 07:53:38 | 学校選択
◇慶應中等部が試験日を2月3日に移動してから、市川中が麻布の併願校として目立ってきた。しかし、基本に変化はなさそうだ。

◆2003年データ 麻布
渋谷幕張①・芝②・浅野・聖光学院②・慶應中等部・栄光学園

◆2004年データ 麻布
浅野・渋谷幕張①・聖光学院②・栄光学園・芝②・慶應中等部

◆2005年データ 麻布
渋谷幕張①・芝②・浅野・聖光学院②・栄光学園・市川①

◆2006年データ 麻布
渋谷幕張①・浅野・芝②・聖光学院②・市川①・栄光学園

◇栄光以外は、1月入試か2月3日以降の入試。麻布―栄光という絆が本命ということか。両校の文化や思想の根っこはルネサンスあたりにある。麻布の創設者江原素六はプロテスタント信者で、教育にそのエッセンスを注入している。一方栄光の母体はイエズス会。カトリックと言っても、中世カトリックではない。反宗教改革として近代化を牽引する修道会。

◇そこまでさかのぼる必要はあるまいが、説明会に参加すると、そういう背景がちらちら見える。ルネサンスという時代は、人間と社会・自然のジレンマやアンビバレンツをエネルギーとして、その解放のためにダイナミックに変化した時代。そのダイナミックな言動(中身はもしかしたら相反しているかもしれないが)が共通しているのかもしれない。
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学校選択の変化(4) 栄光と聖光

2006-07-30 08:43:50 | 学校選択
◇栄光と聖光の大学合格実績の差はない。それゆえ選択の差は他にある。それはいったいなんだろう。

■2004年データ 栄光学園
浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・鎌倉学園③・麻布・逗子開成③

■2005年データ 栄光学園
浅野・聖光学院②・鎌倉学園③・麻布・逗子開成③・サレジオ学院B

■2006年データ 栄光学園
浅野・聖光学院②・逗子開成③・麻布・サレジオ学院B・函館ラ・サール


◆2004年データ 聖光学院
浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・攻玉社(特)・駒場東邦・桐蔭中等教育学校

◆2005年データ 聖光学院
浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・攻玉社(特)・駒場東邦・桐蔭中等教育学校

◆2006年データ 聖光学院
浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・駒場東邦・攻玉社(特)・逗子開成③

◇両校とも浅野・サレジオなどの共通併願嗜好に大きな変化はないが、逗子開成が共通併願校に参入してきている。サレジオはカトリック校であるから、併願選択校として、今後も変化はないだろう。ただ、浅野と逗子開成はどうだろうか。受験地政学・時政学上は浅野の位置というのは不動だと思うが、教育の質と大学の結果の一体化がパワーアップしてきている逗子開成の動向も注目したい。

◇麻布―栄光、駒場東邦―聖光という、2月1日、2日の入試併願の微妙な差異傾向も変わらない。しかし、この微妙な差異が、栄光と聖光の教育の質に大きな影響を与えているはずだ。麻布を選択する生徒の性格、駒場東邦を選択する生徒の性格が違うだけではなく、それぞれの家庭の価値観も違うからである。そもそも、この4つの学校については、合格実績の違いで選択するような学校ではない。

◇教育の内容や校風で選択する学校である。言動の破格さと内面の破格さの差異が選択のポイントだと思う。


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学校選択の変化(3) 鴎友学園女子

2006-07-29 10:38:31 | 学校選択
◇鴎友学園女子の3年間の併願校多い順を見ると、カリタスと晃華が減少し、恵泉、田園調布と入れ替わっている。

◆2004年データ 鴎友学園女子
鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・恵泉②・カリタス女子①・晃華②

◆2005年データ 鴎友学園女子
洗足学園③・鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・カリタス女子①・恵泉②

◆2006年データ 鴎友学園女子
鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・洗足学園③・田園調布学園③・恵泉②

◇キリスト教主義の嗜好性に変化はないが、カリタスと晃華というカトリック校は減少。洗足学園は、イエス・キリストのクライマックスの場面、弟子たちの足を自ら洗うシーンの意味を、説明会でプレゼンしているし、創設者が碑文谷の教会に所属していた話もするぐらいキリスト教主義的な要素を持っている。

◇恵泉のルーツは新渡戸稲造で、鴎友学園女子のルーツ内村鑑三とは兄弟のような存在。田園調布は瞑想を大事にしていて、キリスト教ではないが、宗教的感覚を有している。

◇このようなプロテスタント的雰囲気と大学合格実績の両方に期待がかかっている学校ばかりを併願校として選択しているということは、保護者の選択眼もかなり磨かれてきているということか。

◇カリタスと晃華の志望理由には校風と大学合格実績以外に、外国語教育への期待も大きい。外国語教育というよりは徹底した言語学的教育。確かに鴎友学園女子の併願校の中では少し雰囲気が違う。
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学校選択の変化(2) フェリス女学院

2006-07-29 10:17:54 | 学校選択
◇フェリス女学院の2004年から2006年の併願校多い順の傾向を見ていくと、湘南白百合と洗足学園との併願が増えている。それは、何を意味するのか。

◆2004年データ フェリス女学院
鎌倉女学院②・横浜共立B・慶應湘南藤沢・頌栄②・鎌倉女学院③・鴎友学園女子③

◆2005年データ フェリス女学院
鎌倉女学院②・横浜共立B・洗足学園③・頌栄②・鎌倉女学院①・慶應湘南藤沢

◆2006年データ フェリス女学院
鎌倉女学院②・横浜共立B・慶應湘南藤沢・湘南白百合・洗足学園③・公文国際B


◇鎌倉女学院、横浜共立、慶應湘南藤沢という併願は3年間変わらない。よってフェリスに対する基本的選択嗜好性に変わりはないが、湘南白百合、洗足学園が台頭し、頌栄、鴎友学園女子との併願が減少しているということは、成績上位生でも通学時間の傾向が神奈川県内で充分であると考える層が増えたことを意味しているのではないか。

◇それと湘南白百合、洗足学園の良質教育と大学合格実績の一体化を考えれば、東京にわざわざ出る必要性もないのかもしれない。

◇ただし、東京という世界でも得がたい不思議な都市文化という角度から考えてみれば、一歩踏み出してみることも検討する価値はあると思うが・・・。
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学校選択の変化(1) 共立と大妻

2006-07-27 23:50:34 | 学校選択
◇2006年7月の志望校調査(センター模試調査)がまとまったようだ。2004年から2006年までの3年間の併願校の移り変わりを少しずつ考えていこうと思う。学校選択の変化が見られるかもしれないからだ。

◇例年注目されている共立と大妻の2校のデータを比較しよう。

■2004年データ 共立女子
市川①・大妻②・共立女子C・跡見②・共立女子B・東邦大東邦(後)

■2005年データ 共立女子
共立女子B・共立女子C・豊島岡女子①・跡見②・専修大松戸①・獨協埼玉①

■2006年データ 共立女子
共立女子B・共立女子C・市川①・跡見学園②・専修大学松戸①・国府台女子学院①

◆2004年データ 大妻
豊島岡女子①・浦和明の星①・大妻②・市川①・跡見②・共立女子C

◆2005年データ 大妻
浦和明の星①・淑徳与野①・跡見③・大妻②・跡見②・豊島岡女子①

◆2005年データ 大妻
大妻②・共立女子B・浦和明の星女子①・淑徳与野①・大妻③・跡見学園②

◇さて、2005年までは、共立女子は共立女子ファン層の確立が強化され、東京と千葉エリアの居住者が選択する傾向。一方、大妻は埼玉エリアの受験生が選択する傾向が定着。

◇2006年は、共立は前年までと同じ傾向。大妻は基本は変わらないが、共立女子も選択肢として残す受験生が多くなっている。共立は独自路線が色濃く出ているが、大妻は一般化が前面に出てきている。独自路線と普遍化路線。経営的にはどちらが有効なのか。経営陣の嗜好性は、外から見ていると、共立はヨーロッパ大陸型。大妻は英米型。哲学志向と経済志向の切磋琢磨。今後の動向も目は離せない。
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実際の志望理由と学校選択指標(2)

2006-07-06 09:53:22 | 学校選択
◆女子の学校選択の傾向は以下のとおり。

学校文化 31.94%
進学    17.78%
募集関連 15.73%
交通の便 12.77%
教師力   9.40%
学習    8.37%
教育空間 4.01%

◆やはり男子と同じような傾向。「実際の志望理由と学校選択指標(1)」の男子の傾向と上記の女子の傾向の大きさを比較すると。

学校文化 女子
進学    男子
募集関連 男子
交通の便 男子
教師力  男子
学習    女子
教育空間 女子

◆昨年の結果とほぼ同様。ただし、大きさの差は教育空間を除いていずれも僅差。女子と男子の大きな差があるといえるほど有意性があるかどうかはわからないが、学校文化、教育空間に関しては女子が注目し、進学、募集に関しては男子が注目をするという傾向は実感としてはピンとくる。また男子は教師という人に関心があり、女子は学習というシステムに興味があるというのもあたっているような気がする。

◆男子は強い組織やリーダーシップに、女子は心地よい学びの環境や雰囲気が大事だと思う傾向があるのかもしれない。この傾向は生徒というより保護者の傾向だろう。そして子供たちは保護者の影響を受けていく。するとこういう男女の違いが文化回路として成り立つのかもしれない。

◆この傾向の良し悪しは別として、学校選択という行為が文化回路を形成する働きをしている可能性は大いにあり得る。だとすれば、どのような学校選択を考えていくかは極めて重要な行為なのではないだろうか。私学受験関係者の闊達な議論を期待する。
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実際の志望理由と学校選択指標(1)

2006-07-05 03:24:09 | 学校選択
◆2006年7月2日の「センター模試」の志望校調査の集計はまだ完全には出ていないが、全体の志望理由29項目の集計が出た。男子の志望理由について、29項目を以下のように7つのカテゴリーに分けなおして出してみると、昨年と同じような結果となった。

昨年参考→「ホンマノオト2005年7月7日


学校文化 27.10%
進学   23.33%
募集関連 16.00%
交通の便 12.83%
教師力  10.18%
学習    8.00%
教育空間  2.56%

◆「12の学校選択指標」の2つの項目、つまり「教育理念」「大学実績(偏差値)」関連の項目について66%強占めている。残りの10項目については、34%弱という結果になった。

◆大学進学実績と募集関連(偏差値)の志望理由が40%弱。教育理念と教育実践関連が60%強という考え方もできる。ただし、教育理念(学校文化)が30%弱。教育実践が30%強だから、実際には教育において具体的実践に膨大な時間が費やされているにもかかわらず、選択決定は結果と学校雰囲気でなされているということ。これは昔から変わらないが、この傾向を変更するのは難しいのだろうか。

◆ロングテール論でいけば、竜の頭は「学校文化」「大学実績」「偏差値」。竜のシッポに相当するのは、「学びの活動」と「教師の質」。この2つは、「12の学校選択指標」でいえば、1から10までの項目。ブログではまさに竜のシッポを扱っていることになる。

◆「New Honma Note」や「教育のヒント」のブログは、中高一貫教育サイトとして正しい道を突き進んでいるということか♪!

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