今週の『東洋経済』は、『四季報』秋号発売直前ですが、別の特集でした。
「日本版ワーキングプア(低賃金で働き続けなければならない貧困層)」です。
『週刊東洋経済』の定期購読(レビュー投稿で1,000円券プレゼント付)
最新の記事内容紹介は、こちらの方が早いです。
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/
今週は長々と引用させて下さい。
「働き方の多様化」。改めてこの言葉への不信感が募りました。
若年雇用の取材を始めて5年目になりますが、請負・外国人労働
者を使い捨ての「玉」としてしか見ていないメーカーや請負・派
遣会社の何と多いことか。彼らの"十八番"がこの言葉です。低賃金
で不安定な働き方は若者自身が望んだもの、と言わんばかりです。
望んだ働き方と言うなら、なぜ就職難の続く東北まで、何も知ら
ない高校新卒を「仕込み」に出かける必要があるのでしょうか。
あるいはまた、次のような言葉もあります。
朝日新聞の偽装請負問題連続報道によって、財界、企業、行政など
がようやく動きつつあります。偽装請負蔓延の構造については、本
誌も3年前に記事化しています。当時も反響がありましたが、ある
請負業者から名誉毀損で訴えられました。訴訟リスクに臆すること
なく、『週刊ダイヤモンド』が巻頭特集で秀逸なリポートを書き、
毎日新聞はこの問題を掘り下げてキャンペーンを展開しました。そ
して各社それぞれ訴えられ、すべての裁判が現在進行中です。また、
この一連の訴訟は非常識な高額訴訟である点も特徴です。〔中略〕
しかし事態は3年前より悪くなっている。力のなさに忸怩たる思い
です。
いとすぎはよく存じ上げていないのですが、
後者は山崎編集長の言葉かと思われます。
(マスコミ的な功名心・競争意識が抑制されていて、すばらしいです)
… 以上の編集部の方々の真摯な筆致から、
これが重大な問題であるとお分かり頂けるものと思います。
ぜひ今週号の『東洋経済』に目を通されることをお薦めします。
個人的には、表紙のインパクトで『ダイヤモンド』に負けているので、
”「使い捨て労働力」が支える現代日本 ”と題して
下部に疲れ果てた労働者、上部に豊かな消費生活を送る人々のイメージを
組み合わせて図柄をつくった方が、と思いました。(蛇足ですが)
◇ ◇ ◇ ◇
以前から思っていたことですが、
予言的な指摘としてふたつほど書きたいと思います。
近年、訴訟を頻発した企業の典型は、あの「武富士」です。
悪質な請負会社は、遠からず社会的制裁を受けるでしょう。
(腐敗した会社は必ず、反社会性があちこちに染み出てきます)
不祥事で会社名を変えるというのは、悪徳金融と同じです。
また、外国人労働者と粗暴なナショナリストが暴力で対決し、
流血の事態を招く日も近づいていると思われます。
特に後者は起きて欲しくないのですが、決して楽観視できません。
日本政府の外国人労働者への態度は非常に憂慮されるものです。
P58には解決策の模索と提案がありますが、
政府、大企業、請負企業すべてに課題があると分かります。
そして社会(=私たち)も正しい道を選択して援護しなければなりません。
… この部分は確実に先週の『ダイヤモンド』よりも質が上です。
貧困の再生産という衝撃的な言葉まで出てくる
P48の「学校に行かない子供たち」も御覧下さい。
『東洋経済』はフェアであり、アイシン精機やスズキ自動車のように
労働環境・雇用状況に配慮のある企業ははっきりと称えており好感が持てます。
◇ ◇ ◇ ◇
最後になりますが、投資関連としてはP108の「イスラム金融」の特集を。
10月に予想されるオイルマネーの動きに関わってきます。
他には、P9の「格差社会での資産課税・相続税」(消費税の話もあり)、
P23の温室効果ガス削減法案(何とシュワルツェネッガー知事が!)、
P88の温泉旅館再生の記事もお薦めします。
「日本版ワーキングプア(低賃金で働き続けなければならない貧困層)」です。
『週刊東洋経済』の定期購読(レビュー投稿で1,000円券プレゼント付)
最新の記事内容紹介は、こちらの方が早いです。
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/
今週は長々と引用させて下さい。
「働き方の多様化」。改めてこの言葉への不信感が募りました。
若年雇用の取材を始めて5年目になりますが、請負・外国人労働
者を使い捨ての「玉」としてしか見ていないメーカーや請負・派
遣会社の何と多いことか。彼らの"十八番"がこの言葉です。低賃金
で不安定な働き方は若者自身が望んだもの、と言わんばかりです。
望んだ働き方と言うなら、なぜ就職難の続く東北まで、何も知ら
ない高校新卒を「仕込み」に出かける必要があるのでしょうか。
あるいはまた、次のような言葉もあります。
朝日新聞の偽装請負問題連続報道によって、財界、企業、行政など
がようやく動きつつあります。偽装請負蔓延の構造については、本
誌も3年前に記事化しています。当時も反響がありましたが、ある
請負業者から名誉毀損で訴えられました。訴訟リスクに臆すること
なく、『週刊ダイヤモンド』が巻頭特集で秀逸なリポートを書き、
毎日新聞はこの問題を掘り下げてキャンペーンを展開しました。そ
して各社それぞれ訴えられ、すべての裁判が現在進行中です。また、
この一連の訴訟は非常識な高額訴訟である点も特徴です。〔中略〕
しかし事態は3年前より悪くなっている。力のなさに忸怩たる思い
です。
いとすぎはよく存じ上げていないのですが、
後者は山崎編集長の言葉かと思われます。
(マスコミ的な功名心・競争意識が抑制されていて、すばらしいです)
… 以上の編集部の方々の真摯な筆致から、
これが重大な問題であるとお分かり頂けるものと思います。
ぜひ今週号の『東洋経済』に目を通されることをお薦めします。
個人的には、表紙のインパクトで『ダイヤモンド』に負けているので、
”「使い捨て労働力」が支える現代日本 ”と題して
下部に疲れ果てた労働者、上部に豊かな消費生活を送る人々のイメージを
組み合わせて図柄をつくった方が、と思いました。(蛇足ですが)
◇ ◇ ◇ ◇
以前から思っていたことですが、
予言的な指摘としてふたつほど書きたいと思います。
近年、訴訟を頻発した企業の典型は、あの「武富士」です。
悪質な請負会社は、遠からず社会的制裁を受けるでしょう。
(腐敗した会社は必ず、反社会性があちこちに染み出てきます)
不祥事で会社名を変えるというのは、悪徳金融と同じです。
また、外国人労働者と粗暴なナショナリストが暴力で対決し、
流血の事態を招く日も近づいていると思われます。
特に後者は起きて欲しくないのですが、決して楽観視できません。
日本政府の外国人労働者への態度は非常に憂慮されるものです。
P58には解決策の模索と提案がありますが、
政府、大企業、請負企業すべてに課題があると分かります。
そして社会(=私たち)も正しい道を選択して援護しなければなりません。
… この部分は確実に先週の『ダイヤモンド』よりも質が上です。
貧困の再生産という衝撃的な言葉まで出てくる
P48の「学校に行かない子供たち」も御覧下さい。
『東洋経済』はフェアであり、アイシン精機やスズキ自動車のように
労働環境・雇用状況に配慮のある企業ははっきりと称えており好感が持てます。
◇ ◇ ◇ ◇
最後になりますが、投資関連としてはP108の「イスラム金融」の特集を。
10月に予想されるオイルマネーの動きに関わってきます。
他には、P9の「格差社会での資産課税・相続税」(消費税の話もあり)、
P23の温室効果ガス削減法案(何とシュワルツェネッガー知事が!)、
P88の温泉旅館再生の記事もお薦めします。
わたしも昨日エコノミストと、結局さきほど東洋経済も購入しました。
「多様性」への疑念。これは引用された部分とまったく同感です。
本来、ダイバーシティ・マネジメントは、多様な考え方や立場の被雇用者のシナジー効果を得るための施策だったはずですよね?
この2誌には、少し状況を知っている企業の事例もあって、怒り無くして読めませんでした。
日本で適用されたら、なんといってもアメリカ追従ですから、週給455ドルあたりを基準にするのではないか?と懸念されます。
残業代なんかそもそももらったことないからいいんじゃないの…と言っている知人もいますが、監督局の監査対象から外れて健康維持も自己責任、という制度に移行することとは大きな違いだと思っています。
『エコノミスト』で指摘されていますが、
この制度は悪用される可能性きわめて大です。
日本には倫理的な企業がたくさんありますが、
決してすべてではありません。
元来企業は性悪説で捉えるべきだと思います。
(そうでもなければ不祥事が起きるはずがない)
人をさんざん酷使しても利益を出せない企業に
存在価値などあろうはずがありません。
このままでは経営者の無能のために、負担が
非正規労働者に押し付けられてしまいます。
階層分化と治安悪化はすぐそこまで来ています。
無能で無責任な経営者を律するために
法制度は労働者の方を常に向いているべきです。