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『週刊エコノミスト』3月26日号 - 中国経済はバブル崩壊時の日本と酷似、債務膨張+少子高齢化

2019-03-23 | 『週刊エコノミスト』より
今週の週刊エコノミストの為替特集は方向性定まらずだったが、
矢張りエコノミスト誌、良い記事はあった。

メイン特集でユーロ強気の記事が出たその週に
ユーロが対ドルで大幅下落しており、逆指標だった可能性濃厚に。
(予想通り「ユーロ強気派の登場が逆に不吉」だったと解釈出来る)


ただ、最も良かったのはいつも通りメイン特集以外、
市岡繁男氏のコラム「中国の今はバブル崩壊後の日本」である。

中国の民間債務の対GDP比がバブル期の日本とそっくりで、
中国経済の下方屈曲は間違いないと確信させられた。

65歳以上の高齢者の比率もバブル期の日本とほぼ一致しており、
何しろ政府が株を買い支えるという安倍のような国家資本主義だから
いつ崩壊するかは分からないが、いずれ崩壊するのは間違いない。

『週刊エコノミスト』2019年 3/26号


幼児教育無償化の記事も悪くない。
執筆者のイデオロギーが妙に強いので主張は経済合理性に欠くが、
(世帯470〜640万の層も「高所得層」に含めているのが作為的)
私立の認可保育所は中高所得層の利用が増えている事実が鮮明だ。
幼児教育無償化は安倍による選挙目当てのバラ撒きであると断定して良いだろう。

「親の会」の普光院代表とどうやら小林記者が同意見らしく、
「命や保育の質を守れ」とのよくある主張であるようだが、
この主張は経済政策への理解が決定的に欠けていることを意味するものだ。
本気で命や保育の質を守るなら両者とも年数十万円以上は多く納税しなければ。

大都市圏の認可保育所は子1人に年100万円以上というとんでもない公費を蕩尽している。
利権にありついた特定の保護者だけに莫大な公費を投入する腐敗構造に沈黙し、
出生率も女性就労率も高い仏の重い国民負担を無視する無責任な論者でしかない。

また、フランスの都市部では高コストな施設保育ではなく
認定保育ママ(土地代を節減し人に予算をかけられる)が保育の過半を占めている。
両者は無責任だけでなく、甚だしく不勉強であると言えよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の不動産バブル特集はかなり良かった。
56頁の「深刻化する〝負動産〟問題」では絶望的な未来が明示されているし、
43頁では中国政府の規制強化や日本の物件の期待利回り低下が分かる。

『週刊東洋経済』2019年3/23号 (不動産バブル崩壊前夜)


巻頭コラムでは太田聰一・慶大教授が所謂「バイトテロ」が
低賃金のためではないかと主張しているが、根拠薄弱である。

時給が低いのは前々からの話でありバイトテロの推移と乖離している。
バイトテロが目立った2013年と2018年頃に労働市場の需給がタイトになっているから、
「簡単に採用されたから図に乗って悪質な悪ふざけをした」
と考えるのが妥当であろう。(意識調査と比較すれば分かるから、実証研究を期待したい)

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの5G特集は時期尚早であろう。
幾つかのシナリオを分野別に立てるべきだったのではなかろうか。
基地局は北欧勢と組むしかなさそう、ということ以外は視界不明瞭だ。

『週刊ダイヤモンド』2019年 3/23号 (5G開戦 アップル後の世界)


サブ特集の「ZOZO失墜」も悪くない。
ぼったくり過ぎが最大の問題と思うが、
経営者の油断と思い上がりが祟って
ここに来てあちこちで綻びが生じてきているようだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次回もまたダイヤモンドに注目、内容は玉石混淆のような印象である。

▽「個人投資家は中小型株と中長期投資に徹すべし」は正しくないと思うが。。

『週刊ダイヤモンド』2019年 3/30号 (株・為替の新格言)


▽ 確かに「住民の嫌われ者」、しかし中国人は大好きなドンキの特集

『週刊東洋経済』2019年3/30号 (ドンキの正体)


▽ 得意の士業特集を終活と絡めてきたエコノミスト特集

『週刊エコノミスト』2019年 4/2号

他には「卒FIT」のレポートかな。
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