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『週刊エコノミスト』3月19日号 - 中国で成長率低下と人手不足が同時進行、完全な「日本病」に

2019-03-15 | 『週刊 東洋経済』より
今週の週刊エコノミストの特集「中国大失速」はかなり良い。
2003年以降の日本経済の回復に中国経済は大きく貢献したが、
今後はそうはいかなくなる。アセアンと南アジアへのシフトが絶対必要だ。

26頁の「懸念される潜在成長率低下」が秀逸で、
(野村資本経済所の関志雄氏による優れた分析)
中国のGDP成長率が刻々と低下しているのに
都市部の有効求人倍率が上昇し、人手不足が深刻化している


これはアベノミクス下で日本で起きている現実と酷似しており、
人口動態の劣化を放置し続けてきた報いである。

日本の人口動態劣化も深刻であるが、
中国の人口動態は日本よりも歪なので
(一人っ子政策の廃止が余りに遅過ぎた)
今後の中国経済の老化と沈滞は破壊的なものとなる。

ましてや資本投入への依存度が高い中国経済は、
2020年代半ばからのたうち回るようになろう。
(中国需要がじりじり減る日本企業も他人事ではない!)

後年、米中貿易戦争は「中国経済の負の転換点」として
経済史家が評するようになると確信している。
特集28頁からも明白であり、米中貿易戦争は経済版の「相互確証破壊」である。

『週刊エコノミスト』2019年 3/19号


意外に良かったのが原丈人氏へのインタビュー。
熱烈な「信者」のいる氏であるが、
株主資本主義への厳しい批判が興味深い。
大株主ファンドが「女性の社会進出を煽った」との説も出ている。
(労働者の賃金を削減できるからだそうだ!)

一般企業や市民の意識やインセンティブでは
到底実現不可能と思われるのは残念だ。
(日本の御用労組などは真っ先に公益を裏切るだろう)
公益資本主義は政府が強制的に再分配を進める北欧型より非力という印象。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の自動車産業特集は矢張り大前インタビューが良かった。
東洋経済はどうも「誰に取材するか」で内容が大きく左右される。
ダイムラーの「car2go」の脅威は全く以てその通り。
「政府は何もしないほうがいい」「経産省が半導体産業を潰した」
も蓋し名言であろう。ゴーン事件でも見せた冴えは相変わらずだ。

『週刊東洋経済』2019年3/16号 (自動車 乱気流)


もう一つ、「中年女性の労働参加は介護保険で増えたのか」も良い。
安藤道人・立教大学准教授は、介護保険導入によっても
日本の中年女性の就労は増えなかったと分析している。

理由は「今後の重要な研究テーマ」とされているが、
当ウェブログが何度も指摘している通り、
強固な日本型ジェンダーの岩盤が根底にあると考えざるを得ない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドのビジネス英語特集は時流に合っていない感じ。
初心者と熟達者を分けた方がいいと思う。

初心者には違いを出せるポイントの紹介、
熟達者には「達人」からの鋭い指摘、
とでもしないと潜在顧客層を取り逃がしてしまう。

ビジネス英語を仕事にしている個人や企業は多いから、
それぞれの売りを競って貰えば良い。
社会人をカテゴライズしてお薦めサービスをランキングするのも良案。

『週刊ダイヤモンド』2019年 3/16号 (最新ビジネス教養を語り合うエリート英語)


投資関連では矢張り「OECDが急膨張の社債市場に警鐘 ジャンク債“予備軍"が過半に」。
当ウェブログは、近々リセッションに陥るとしたらここが最右翼と見ており、
是非熟読しておきたいところ。炭鉱のカナリアが反応し始めている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次回も注目はダイヤモンドに注目、5Gは先が見難い分野なので料理の仕方がポイントか

▽ サブ特集の「ZOZO失墜」の方が鋭い内容になるかも

『週刊ダイヤモンド』2019年 3/23号 (5G開戦 アップル後の世界)


▽ 東洋経済は、「崩壊前夜」に見えても中々崩壊しない不動産特集

『週刊東洋経済』2019年3/23号 (不動産バブル崩壊前夜)


▽ エコノミストは恒例の為替特集、ユーロ強気派の登場が逆に不吉かも

『週刊エコノミスト』2019年 3/26号

あとはアルゼンチンの黒木レポートかな。。
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