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『週刊東洋経済』4月3日号- JR東海がペンタゴンの人材リクルート、葛西敬之会長は鉄道輸出に本気だ!

2010-03-29 | 『週刊 東洋経済』より
今週の『週刊東洋経済』の特集は「鉄道新世紀」、
直近1年で幾度か組んだ東洋経済の鉄道特集の内、
最も質の高い号だと言ってよいでしょう。
国内外における日本の鉄道産業の現状がバランス良く整理されています。

あとは表紙にインパクトが欲しかった。
K-1のように「対決! JR vs シーメンス」なんて面白いのでは。





『週刊東洋経済』2010年 4/3号


メイン特集で見ておきたいのは、
P54の「高速鉄道オールジャパンの幻」。

JR東海が昨夏からアメリカへの鉄道売り込みに俄然積極的になったこと、
葛西会長が国防総省から人材をリクルートしたこと。
ラスベガスやマイアミで新幹線N700系の疾駆する姿が見られるかも!

ただ期待のベトナムもブラジルも不確定要素が大きく、
鉄道事業者の方針も一致せず車輛製造会社も小粒の日本勢は苦しそう。

P58の「ビッグ3の世界売り込み戦略」と題した
サトーレイルウェイリサーチの佐藤芳彦氏は、
「高速鉄道は戦略商品」
と断言されています。矢張り政治の役割が大きいのでしょう。

そうそう、P47の資料は着眼点も情報の整理も完璧。
やたらめったら図表を並べるより遥かに上質になった。

次世代鉄道構想「スマートカー」が地方を救うかもしれない。

     ◇     ◇     ◇     ◇

今週、本当に素晴らしいと思ったのは
P9の八代尚宏ICU教授の寄稿です。

不況期の雇用調整として、

 米国型 → レイオフ

 欧州型 → ワークシェア

 日本型 → 非正社員の解雇と新卒採用抑制


と整理されており、(最も既得権優先で偽善的な日本)
「急速に進む高齢化社会の下で、大企業の男性正社員の
 高い年功賃金カーブという既得権を、いつまでも維持
 することはできない」

と明確に喝破されています。

     ◇     ◇     ◇     ◇

P176の山田昌弘中央大教授の寄稿も素晴らしい。
タイトルは「生活レベルが親よりも低下する」。(………)

高卒若年層の「アスピレーション(向上心)の低さ」が
教授のゼミ生の調査で示されたという衝撃的な話も出ています。
(いい研究だが、暗い話だ)

     ◇     ◇     ◇     ◇

さて今週の『週刊ダイヤモンド』、
池田信夫教授が「差し替え」特集だと暴露されていたので
どうだろうと懸念していましたが、こちらも鋭い特集です。

これからソーシャルアパートメントやシェアハウス、
コミュニティ関連NPOの拡大は必至なのでしょう。





『週刊ダイヤモンド』2010年 4/3号


そうそう、質の高い分析の多い「Data focus」では
小林慶一郎氏が日本のデフレを分析し、
日本のデフレの犯人は金融政策よりも生産性低下
であると鋭く指摘されており、私も全く同感です。
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