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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

2022年に「1ドル65円の危機」か、日銀は既に惨敗した -「折見式バフェット指標」では明白なバブル

2017-04-11 | 株式・為替マーケット全般
トランプ政権のシリア攻撃を機に米金利低下・円高・株安が進んでいる。
これは単にが外乱要因によって日本株が割を食っているということではない。

元々、アベノミクスなど小賢しい株価操作政策でしかなく、
実質賃金が低迷して消費が沈滞し、実体経済が改善していないのに
(事実、成長率で安倍政権はスウェーデンやドイツに大敗している)
株価だけ水膨れのバブルにしたから「幻想」が剥落しただけの話だ。

事実、バフェット指標を応用して市場のバブル度を計測している折見氏によれば、
現在の東証は明白なバブルだと判断している。(全くもって同感である)
GDPが増えていないのに株だけ上がるのはバブル以外の何物でもない。

日銀の異次元緩和は見事な失敗に終わって、
途中からただのPKO(株価操作)に堕しているのだ。
市場の神を侮った報いで、あと数年の内に国民の財産に大穴を空けるであろう。

トランプ政権の誕生に乗じグローバル投資家がつくった相場で
「思惑」主導の米金利上昇が起きたため、
アベクロコンビのとんでもない「不始末」が覆い隠されてきたが、
トランプ政権の杜撰な実態が露呈するにつれて市場も「適正化」されるであろう。

当ウェブログは昨秋、MUFJの内田稔氏の為替分析を引用し、
「今年末か今年度末にドルは95円、来年は90円」との見通しに
同意見であるとしていた。今でも見方は変わらない。

若林栄四氏は最近、2022年に日本は1ドル65円の危機を迎え、
苦し紛れのヘリマネによって株価が暴騰すると予言している。
これは間違いなく日銀のマネタイズとインフレ急伸を意味し、
もしそれが的中するなら日本国民は貧乏のどん底へつき落とされることになろう。
かつての太平洋戦争「惨敗」直後の預金封鎖の時代のように。

▽ 教え子を罵倒してまで自説に固執した浜田宏一氏に、スティグリッツ教授は唖然としていたと言う

「日本「一発屋」論 バブル・成長信仰・アベノミクス』(原真人,朝日新聞出版)


▽ 市場では何が起きるか分からない、それが唯一の真実である

『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社)


当ウェブログが警告してきたように、アベノミクスには未来はない。
転落と汚辱だけである。

「日米とも金融政策だけで成長率低下の問題を誤摩化すことはできず、
 急速な少子高齢化と低い女性就労率、豊かな高齢層への所得移転で
 アメリカより大きく成長率に劣る日本が異次元緩和もむなしく依然として低成長なのが現実だ」

「多くのエコノミストも経済評論家もまともな有効策を提案していないのだから、
 アベノミクスによる大惨事も当ウェブログの言う「コラテラル・ダメージ」も不可避である」

「アベノミクスは単にタイミングが良かっただけの幸運に過ぎない。
 それを己の力と勘違いした連中が、市場の神によって厳しく罰せられることとなろう」

「世界景況と市場環境が逆風の中で、インチキ・アベノミクスの虚飾が剥落し
 惨めな内実が暴かれる日が刻々と接近している」

「往生際の悪いリフレ派は、マイナス成長や一向に上がらない実質賃金を無視し、
 日銀のマイナス金利政策を賞賛しながら政府の政策対応を求めるという支離滅裂な状況だ。
 (マイナス金利を打ち出すこと自体、政府の政策対応を求めること自体が敗北の証拠である)
 事実を否認して自己洗脳を強化する、まさに太平洋戦争の末期状態そのものと言える」

「当ウェブログは既にリフレ派と安倍政権が「台湾沖航空戦」の段階を経たと判断した。
 彼らは壮大な勘違いのままフィリピン戦に突入し不可逆的な打撃を受けるステージに入ろうとしている。
 次にはレイテ沖で戦艦武蔵を失うような致命的な失策を犯すことになろう」

「何しろ最近は「為替介入を!」とまるで民主党政権と同類の
 みっともない叫びをあげる者も出現する始末だ。
 もはや、「売国政策、ここに極まれり」というところだろう。
 彼らの亡国の踊りが集団的自滅に向かう様を、我々は目撃することとなろう」

「実際、リフレ派やアベノミクス支持派が(数少ない)成果として挙げている株高が、
 今や崩壊し始めようとしている。しかも悪いことに、
 リフレ政策もしくはアベノミクスを喧伝して巨額の海外資金を東証に招き入れたため、
 海外勢の動向が東証に与える影響は恐らく過去最高の域にまで高まっている」

「海外マネーは別に日本のために円売り日本株買いを行う訳ではない。
 儲かるから円を売って日本株を買っていただけの話だ。
 円買い日本株売り(先物売り)が儲けになるなら躊躇なくそうするだろう」

「まさに今、彼らが行っているのが円の買い上げと日本株売り崩しであり、
 安倍政権を利用し掌で踊らせて大儲けした彼らは、
 今度は安倍政権の足下を崩して大儲けしようとしている」

「オンラインで非常に興味深い記事が二つ出ていた。
 一つは日経マネーによる「山崎指数」の紹介であり、
 一つは現代ビジネスの「マンションバブル崩壊」の予兆である」

「二つに共通して言えるのは、景況が既にダウントレンドになっていることで、
 いずれにせよ「遂にアベノミクスの虚飾が剥がれた」との結論になろう」

「「山崎指数」によれば東証はまだ割高圏で、
 あと15%は時価総額が減らないと大底にはならない」

「日本の富の原資であるGDPが伸びていないのだから、
 そもそもGDPが大きく伸びるような政策が何一つ実施されていないのだから、
 そうした暗澹たる現実はごく想定内のものと言える」

「先見性のある者にとっては何ら不思議な話ではなく、
 早ければインチキ・アベノミクスが始まった当初から分かり切ったことで、
 頭の悪い政策がごく当たり前の「末路」を迎えたということになろう」

「安倍政権が基本的には支持層へのバラ撒きに過ぎず、
 改革を騙って小手先の誤摩化しばかり展開しているのだから
 所詮は次元の低い政権への因果応報と言えるだろう」

「もはや政権は、いつ市場の神によって致命的な打撃を受けても
 おかしくないような累卵の危機に近付いているのである。
 (日本経済にとっては、そうした崩壊こそ寧ろ福音であるのだが)」

「高齢化と人口減少が進み、経済がゼロ成長なのだから、
 不動産市場の活況が続く訳がないのは分かり切った話だ。
 東京五輪前に不況が来るのは間違いないと確信できる」

「安倍政権による市場操作の愚行は、必ず崩壊の時を迎えるであろう」

「もはやB層しか信じていないアベノミクスの貧相さは明らかであり、
 「異次元緩和」が日本経済を回復させるなどという「妄想」も
 市場の神に嘲笑され、ゴミ屑のように薄汚れて路頭に転がっているような惨状だ。
 当ウェブログが予言したように、太平洋戦争のような惨憺たる敗北を再び繰り返している」

歴史から学ぶ能力も政策リテラシーもない安倍政権は、
かつての大本営と同様、大敗を宣伝で誤摩化して滅亡へと向かっている。

 ↓ 参考

「ドルは年末95円、来年は90円に」「為替はいったんトレンドを帯びて動くと2~3年は続く」内田稔氏
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/55d0d05effa2c144fb2ccb62f36fa98d

「マンションバブル崩壊」の接近を石澤卓志氏が警告、アベノミクスは末期症状 - 東証も今「下落トレンド」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6a95831abd008bef0af5296d4a10666b2

「アベノミクスは日本経済を破壊する政策でしかない」- ジム・ロジャーズ、安倍首相の悲惨な没落を予言
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/be77d61983dc09d1c6e37ce8399e

アベノミクスの帰結は1000兆円超の政府債務+金利上昇 - 財務省が財政危機を事実上認める試算発表
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d7d54acd2408cc63f24a9d86b0d67753

▽ 次元の低い安倍政権は典型的なレントシーカーによる傀儡政権であり、真の経済成長を妨害している

『グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代』(クリスティア・フリーランド,早川書房)


相場の神様が断言、2022年に訪れる「転機」とは?(ZUU online)
https://zuuonline.com/archives/141914
”昨今、金融筋を中心に話題となっているFTPL(Fiscal Theory of the Price Level:物価水準の財政理論)。やや乱暴な説明になりますが、一言でいうと「インフレによって実質的な負担を軽減させつつ、債務を返済する」というもので、米プリンストン大のシムズ教授が提唱しています。
 しかし、これは「事実上のヘリコプターマネー(ヘリマネ)理論である」という声があり、最近の金融緩和施策に見られる手詰まり感もあってか、市場関係者からも「日銀はヘリマネに踏み切れるのか?」などと注目されています。
 そうしたなか「2022年に訪れる1ドル=65円の危機により、日銀はヘリマネを導入。それを機に、日本市場は暴騰相場に転じる」と断言しているのが「相場の神様」として名高い若林栄四氏。
(若林氏の最新著書『黄金の相場予測2017 ヘリコプターマネー』の第2章「黄金分割で予測できる日本経済の未来」から一部を抜粋し、ご紹介します)

■日本に残されたデフレ対応策とは?
 日銀は2016年9月の金融政策決定会合において、量的・質的金融緩和導入以降の経済・物価動向と政策効果についての総括的な検証を行なった。その検証によって導き出された結論としては、それまでマイナス0.3%程度だった長期金利をゼロ金利に戻すとともに、ゼロ金利を維持するために「イールドカーブ・コントロール」を導入するというものだった。
 この結論が意味するのは、日銀の敗戦である。要するに、言外に「量的・質的金融緩和はうまく機能しなかったので、これからは金利を重視する」と言ったのだ。
 QQEを続けるなかで、日銀は債券市場に流通している国債を、猛烈な勢いで買い進めていった。その結果、債券市場では国債の流動性不足が懸念されることになり、また、ETFやREITの買い入れによって、日銀のバランスシートは株価変動次第で大きく毀損するリスクを負った。
 それでもデフレ解消の明確な効果がみられなかったのだから、本来なら日銀は判断ミスを認めるのが筋だ。しかし、やはり日銀としては敗戦を認めたくないために、このような政策を打ち出してきたのである。

〔中略〕
 黒田日銀総裁は量的・質的金融緩和の導入を行ない、その後も随時、国債やETF、REITの買入額を増額したりしたものの、デフレは大きく改善しなかった。
 量的・質的金融緩和は失敗に終わったが、日銀としてそれを認めることができないため、今度は「イールドカーブ・コントロール」という奇手を出してきたというわけだ。ガダルカナル島の戦いで旧日本軍が敗れた際に、大本営が「撤退」という言葉を使わずに「転進」と言ったのと同じである。

 整理すると、日本は2000年以降、量的緩和、ゼロ金利政策、量的・質的金融緩和、マイナス金利というように、ありとあらゆる金融政策を講じてきたが、かれこれ16年が過ぎてもなお、デフレから本格的に脱却できずにいて、イールドカーブ・コントロールという奇手を出してきたものの、それが2%の物価上昇率を実現できるかどうかはまったくわからない、というのが現状だ。
 こうなると、2%という物価上昇率の目標値を達成するために残された打ち手は、限られてくる。そのなかで、おそらくこれは間違いなく効果があると思われるのが、ビル・ボナーがいう中央銀行のデフレ対抗手段の最終段階、すなわち「ヘリコプターマネー」なのである。
■ヘリコプターマネーは究極のデフレ対応策
 これまで日銀が行なってきた国債の買い入れは、新たに発行された国債を、日銀が直接買い付けるのではなく、まず銀行が新規発行された国債を買い付けた後、債券市場で売却したものを日銀が買い付ける、という流れになっている。
 そうであれば、「そんなまどろっこしいことをせずに、日銀が財務省から直接、新規発行された国債を買い付ければいいのではないか」と考える人もいるだろう。まさに、この「財務省から直接、新規発行された国債を買い入れる」ことを、ヘリコプターマネーという。
 つまりは、中央銀行による国債の直接引受のことなのだが、それに「ヘリコプターマネー」という呼び名が付いているのは、米国の前FRB議長であるベン・バーナンキが、FRB理事に就任した直後の2002年に行なったスピーチからきている。
 そのスピーチの内容は、「景気がもうどうにもならなくなったときは、ヘリコプターから金をばらまけば、景気は確実に浮揚する」というものであった。ちなみに、このときヘリコプターマネーを提唱したベン・バーナンキには、「ヘリコプター・ベン」というあだ名も付けられた。
 ともあれ、いま日銀が行なっている国債の買い入れと、ヘリコプターマネーと呼ばれている国債の直接引受とでは、「あいだに銀行が介在するかどうか」という点が大きく違う。
〔中略〕
 しかし、国民の貯蓄で国債をファイナンスし続けるには、限界がある。2016年9月時点の個人金融資産は総額で1752兆円あり、このうち52.3%に相当する916兆円が現預金だ。
 いまでこそ日本の個人金融資産は非常に潤沢だが、人口の高齢化が進むにつれて、この蓄えは徐々に目減りしていく
。歳をとれば、誰もが若いころのようには働けなくなるので、それまで蓄えた預貯金を取り崩して生活費に充てるしかない。大勢の高齢者が似たような行動をとるようになれば、それだけ個人金融資産の減り方も加速していくことになる。
 ちなみに個人金融資産全体のうち約60%が、60代以上に偏在している。今後10年を考えてみても、年齢別の人口構成がもう一段上がれば、個人金融資産はさらに減少傾向をたどっていくだろう。
 そうなると、困るのが日本の財務省だ。預貯金が取り崩され続けると、銀行には財務省が発行した国債を引き受けるだけの資金的余裕がなくなる。国債発行による資金調達が困難になれば、国家財政は一大危機に見舞われる。
 当然、日銀の国債買入についても、銀行が預金を通じて引き受けたものを日銀が買い入れるという、いまのしくみが目詰まりを起こしてしまう。それを解決するためには、日銀が直接、財務省発行の国債を買えばいいということになる。(提供:日本実業出版社 http://www.njg.co.jp/)

若林栄四(わかばやし・えいし)
1966年京都大学法学部卒業。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。同行シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店次長を経て、1987年、勧角証券(アメリカ)執行副社長。1996年末退職。現在、米国(ニューヨーク)に在住。日本では外国為替コンサルタント会社である(株)ワカバヤシFXアソシエイツの代表取締役を務める。”

若林氏のこの見通しは、大変興味深く、
東京五輪前後の経済危機を想定している当ウェブログの見方と共通点が多い。
ただ、日銀のマネタイズは政府債務を帳消しにするが国民を極貧に突き落とすもので、
株が暴騰したところで呪うべき富にしかならないであろう。
日本国民が膨大な富を失った分が移転されるというゼロサムゲームなのだから。


「相場の転換点が近い? 折見式バフェット指標とは」――折見世記・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア投資ストラテジスト(ZUU online)
https://zuuonline.com/archives/138930
”1990年代、ロンドンで6年間のセールス・ディーラーを経て、現在は地方金融機関中心に市況見通しや投資戦略をコンサルティングしている折見世記氏。株式が専門の同氏は、相場の転換点をどのような視点で分析しているのか。
(聞き手:ZUU online編集部 菅野 陽平)※インタビューは2017年1月11日に行われました。
■相場の転換点を測る折見式「バフェット指標」
――――2016年はボラティリティが高く、テールリスクと呼ばれることが頻発した年でした。今後、個人投資家はどのように立ち向かっていけばよいでしょうか。

 リーマン・ショック後、米国株式を中心に株式資産は約8年に渡ってブル相場が続いていますが、上昇し続ける相場はありません。では、いつ崩れるか。ひとつ参考にしたいのは、時価総額を名目GDPで割った数値、いわゆる「バフェット指標」です。株価の適正水準をはかる際、長い目で見たら一国の株価は経済力に見合った水準に近づくと考えられるため、値が1を超えると過熱感があるといわれています。
 私は少しアレンジを加えておりまして、分母に名目GDPではなく「名目GNI(国民総所得)」を持ってきて分析しています。昔はGNP(国民総生産)と呼ばれていたんですが、現在、内閣府はGNPを発表しておらず、概念も金額も同じであるGNIに統一しています。
 これ(折見式バフェット指標)で日本株と米国株を分析すると、興味深いことにボトムが50%、だいたい上限が100%なんですよ(編集部注:時価総額を名目GNIで割り100を掛けてパーセント表記にしている)。そして今、日本は100%のところにいます。


――――どれくらい前から取ったデータなのですか。

 1980年代の半ばくらいからのデータですね。100%前後のピークをつけてから約3年くらいもみ合い、その後、50%前後まで落ち込む鋭角的な下落となる傾向があります。
 アメリカの場合、分母はGNIではなくGNPですが、リーマン・ショック後の底値は、アメリカも日本もだいたい50%です。あくまで過去のデータによると、という前置きが必要ですが、50%になったときは、もう「買い」なんですよ。誰がなんと言っても「買い」です。だいたい3年後にイグジットするイメージで、買って買って買いまくる。
 でもたぶん普通の人は買えないんです。怖くて(笑)。バブルが崩壊したあと、下がって下がって、もうどうしようもなくなって、みんなが「もう駄目だ」と思っているときに50%つけますので。ちなみに、このときに買って大儲けしたのがウォーレン・バフェットその人です。ゴールドマン・サックスへの出資をはじめ、世界同時金融危機の最中、果敢に買い向かいましたよね。

■過去の事例に共通するのは「金融当局の引き締め」
――――過去どのような例があったのですか。

 1980年代半ばから少なくとも3回、歴史は繰り返されています。ひとつはご説明した通り2008年前後の信用バブル崩壊による世界同時金融危機(サブプライム・ショック)、次に2000年前後のITバブル、最後に1990年前後の平成不動産バブルです。
 これらの3つにはある共通点があります。それはバブルのピークアウトの原因(遠因)は、財務省や中央銀行など「金融当局の引き締めが絡んでいる」ということです。

 平成不動産バブルの場合は、当時の大蔵省がバブルつぶしに動いて、「総量規制」という金融引締めを行いました。これは金融機関に対して不動産融資の伸び率を「総貸出の伸び率以下に抑制しなさい」という行政指導です。当然、不動産融資は減る。不動産市場にお金が入らなくなりますから、不動産価格の高騰抑制には効果があったんですけど、1980年代後半は山手線内の地価で米国全土が買えるといった試算まで出る状況までバブルが膨張していたため、急激な信用収縮が起こりました。結果として、ご存知の通りまずは株式市場が、少しタイムラグを置いて不動産が暴落しました。

――――日経平均は1989年につけた最高値3万8915円を未だに超えることができませんね。ITバブルの高値は2万833円です。

 ITバブルに関しては「西暦2000年問題」が関係しています。西暦2000年問題によってコンピュータの誤作動が起こり、金融システム不安が起こるのではないかという懸念から、世界中の中央銀行が1999年の秋頃から年末にかけて流動性を一気に供給したんですね。過剰流動性相場がほんの短期間に起きて、行き場を失ったお金が一気に株式に流入したのです。
 当時ハイテクと名のつく銘柄は強烈に上昇しました。そのときの最高値を更新できない銘柄もたくさんあります。ところが2000年の2月くらいになると、コンピュータの誤作動もあまり起こらず、金融システム不安も起きなかったということで、今度は世界中の中央銀行が一斉にマネーを引いたんです。これによって何が起きたかというと、やはりバブルの崩壊ですね。

――――そして記憶に新しい世界同時金融危機ですね。

 世界同時金融危機の発生原因は非常に複雑ですので簡潔に申し上げます。当時、サブプライムローン問題が燻っているなかで、保険の市場、いわゆるCDS取引が金融機関を中心に活況だったわけです。しかし当時、保険マーケットは決済機関がなく相対取引でした。
 相対取引ということは、ある金融機関が万歳してしまうと、その先にどこが繋がっているか見えない。カウンターパーティー(取引相手)リスクが高まって、不安が連鎖してしまったわけです。
〔中略〕

■「中央銀行が資金供給の量を減らす」サインに注目
――――非常に興味深いお話です。個人投資家としてはどう気をつければいいでしょうか。

 結論から言うと、「中央銀行から資金供給の量を減らす」サインがでてきたら注意が必要です。もっと具体的に言えば、「FOMC議事録でFRBのバランスシートを縮小する議論」がでてきたら、さっき言った50%への大津波が来る可能性があるので、そのときはもう儲かっていようが損していようが、いったん株式を現金化した方がいいと考えています
 段階的な利上げよりも、流動性を絞るタイミングに相当影響があると思っています。FRBのバランスシートは、債券やMBSを大量に抱え膨張しています。現在は、満期がくると再投資するのでマネタリーベースは減らないのですが、これをいつ減額していくか。FOMCの3週間後にFOMC議事録が発表されるので、再投資に関する議論には注意を払いたいですね。議事録だけでは会議の全容は分からないのですが、ある程度はつかめます。
 再投資を減らす議論が全くないうちは、徹底した「押し目買い&戻り売り」のスタンスを取りたいところです。ある程度、株を持ってないと寂しいというのであれば、短期売買を推奨する気は毛頭ないんですけど、長く持ち続けないのが鉄則ですね。安全性、流動性というのを念頭に置きながら投資をすることが重要です。
 先ほど申し上げたように、基本的には50%のときに一気に買い、上昇局面では押し目買いして、100%ゾーンに達するまで持ち続ければいいんですよね。100%に到達したら、利益確定できるものは一旦売って、100%ゾーンのボックス相場で、押し目買いと戻り売りを行う。流動性収縮のシグナルを確認したら、儲かっていようが損していようがキャッシュに戻す。この動きを徹底したいですね。

――――現在の状況も過去3回と似ているように感じます。各国がマネーを大量に供給して、ボックス入って数年経つ。もうそろそろ、なのでしょうか。

 最近、市場関係者と話していて感じることなのですが、リーマン・ショック以降に入社した人たちが結構増えています。リアルで急落局面を体験していないので、その意味では、リスク管理にはやや不安が残ります。政策当局の人は、リーマン・ショック前から第一線でやってる人ばかりですから、その点は大丈夫だと思いますが、記憶は時間とともに薄れてしまうものです。
 今年か来年か分かりませんが、少しずつ転換点に近づいていることは事実だと思います。ただボラティリティは収益の母でもありますので、過去の事例から危機対応の方法を学びたいですね。

折見 世記(おりみ・せいき) 
1986年、第一證券入社。6年間のロンドン駐在を経てリサーチセンター配属。つばさ証券投資情報部(チーフ・ストラテジスト)、UFJつばさ証券投資情報(チーフ・ストラテジスト)、三菱UFJ証券投資情報部(シニア投資ストラテジスト)を経て、2010年5月より現職の三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資情報部(シニア投資ストラテジスト)。〔以下略〕”

この「折見式バフェット指標」も非常に示唆的である。
既に多くの者が東証の「バブル」を見抜いたポジションを取っているが、
折見氏の明快な理論的説明により彼らの先見性が確認されたと言えよう。
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2017年も日本経済は下方修正へ、円安でも円高でも同じ ―「トランプ政策で長期的景気後退へ」と闇株新聞

2017-01-08 | 株式・為替マーケット全般
新年明けましてお目出度うございます。
昨年の当ウェブログの予想は、前半に関しては完璧に的中しました。

年初から叩き売られてアベノミクスの虚妄が暴かれましたが、
トランプ大統領の誕生に助けられて東証はぎりぎりで年間プラスでした。
安倍政権は実力がなく口だけですが、悪運だけは強いので
これが災いしていずれ日本国民に及ぶであろう災厄が益々巨大化しています。

日中韓すべての成長率見通しも想定通りに下方修正され、
日本経済は「重大な危機」と言う迄には至りませんでしたが、
黒田日銀の苦し紛れのマイナス金利政策で経済界にも衝撃が走りました。

これでクリントン大統領誕生で12月にイエレンが利下げ延期を仄めかしたら
間違いなく東証は1万6000円を割り込んでいたでしょう。

しかし、相場にはタラレバはありません。
ミクロの個別銘柄では前半は完全に想定通りだったものの、
後半はかなり精度が悪かったと反省しています。

秋のトランプ勝利から米金利上昇、円安急伸は全く想定していませんでした。
結果、最もパフォーマンスが良かったのが年始の日経先物ショートだったという始末。
早く先物も総合課税になって欲しいものです。


…今年2017年は、トランプ政権がレーガノミクスの二の舞以下となり、
政権誕生のご祝儀相場すらすぐ終わる危険性があると考えています。

今よりも人口動態が若かった時代のアメリカですら、
レーガン大統領が誕生して3ヵ月でNY市場は下げに転じて、
1年4ヵ月にも渡る長い弱気相場が続くという惨状でした。

ましてトランプは支持層を裏切ってウォール街の人材を重用し、
保護主義傾向を強めているのですから失敗する以外の結末は考えられません。

ちょっと東証が戻しただけで有頂天になり、
2万円だの2万2000円だのと騒ぐ金融界の太鼓持ちを信用してはいけません。
彼らはつい1年前に悉く予想を大きく外しているのですから、
今年になって一転して的確な予想を示せる筈がありません。

闇株新聞ですらアメリカ経済は「景気後退」の恐れありとしているのです。
次元の低い支持基盤バラ撒きのアベノミクスですら効果あるように見えるのは、
ひとえにアメリカ経済が何とか回復基調を続けてきたため。

その肝心のアメリカ経済が変調を来したら日本経済に激震が走り、
安倍政権の程度の低さが完全にバレます。

アメリカ経済がそれほど悪くなくとも、トランプが円安牽制発言をしようものなら
既に割高で為替に依存している東証は軽々と叩き落とされるでしょう。

日本経済は円安なら実質賃金低迷で消費減退、
円高なら輸出関連を中心とする大企業の収益が低迷するため
円安でも円高でも成長率低迷に変わりありません。

中国と韓国が人口動態の老化で経済減速するため、
日本でのインバウンド消費もブレーキがかかるでしょう。

▽ MUFJMSの藤戸氏は、レーガン政権発足時の株安を例示して警告している

『週刊エコノミスト』2017年01月03・10日合併号


安倍政権が何一つ真の改革に値する政策を実行しないで
スピーチライターの考案する空疎な言辞で誤摩化している内に
経済危機が刻々と近付いてきています。

経済成長率よりも社会保障支出の膨張の速度が速いのですから、
日銀が4兆円も東証を買い支えて安倍政権がバラ撒きを続けても1%成長も危ういのですから、
(成長率1%で5兆円程度しか日本の富が増えないのだから、安倍政権の非効率性は明白)
いずれ日銀がアウト・オブ・コントロールに陥るのは火を見るよりも明らかです。

リフレ派は師匠格のクルーグマンにも裏切られ、
太平洋戦争で言えばレイテ沖で大敗して作戦遂行能力を失いつつあり、
自業自得であとはただひたすら没落を待つだけの状態です。

▽ 愚かな安倍政権は、遠からず金融政策をコントロールできなくなる

『中央銀行は持ちこたえられるか ──忍び寄る「経済敗戦」の足音』(河村小百合,集英社)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  一昨年年頭の予想

2015年の日本は追加緩和も空しく成長率下方修正、安倍政権は「オワコン」化 ― リフレ派の最期も近い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/33071ad9826f99881da4d245513175309

  昨年年頭の予想

2016年の日本経済は再び下方修正、安倍政権が致命的な打撃を受ける ― 米経済もリセッションの危機
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/37d8704ceccf8bb1da387ee49b587d1a

……2016年は今年と同じく日中韓すべての成長率見通しが下方修正されるでしょう。
唯一、韓国だけは円高ウォン安が進めば何とか下方修正を免れるかもしれません。
(が、その可能性は決して高くない)

ハイイールド債・借金しての自社株買い・高水準の自動車版サブプライムローンと
今年の米経済に懸念材料が余りにも多く、リセッションの危険性がかなりあります。
当然、日本経済も重大な危機を迎える可能性が高いです。

アベノミクスの成果と官邸が自慢するあれこれも、
実際には順調な米経済の回復によるものに過ぎません。
今年は安倍政権の「次元の低さ」が完全にバレます。

選挙前にGPIFの巨額損失が明るみに出るようなことがあれば、
自民党は呆然とするほど多くの議席を失って「死に体」になるでしょう。

勿論、安倍政権とともにリフレ派も遂にとどめを刺されるでしょう。
根本的に誤った政策を正当化し、唖然とするような低成長が続いても
責任転嫁している始末なので因果応報でしょう。

大本営発表を繰り返すリフレ派は愈々、
台湾沖航空戦のような勘違いを経てレイテ海戦のステージに入りつつあります。

見苦しく消費税に責任転嫁しても、
日本より間接税率の高いイギリスやスウェーデンに成長率で負け続けている事実は揺らぎません。
昨年はリフレ派は死屍累々の有様で、今年は目を覆うような惨状になるでしょう。

というのが1年前の見通しでした。
前半は概ね想定通りと言えるでしょう。


  ↓ マツダ(Rakuten.sec) 1年チャート


  ↓ 森精機(Rakuten.sec) 1年チャート


  ↓ サイボウズ(Rakuten.sec) 1年チャート



楽天証券のサイト
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/


さて逆指標評論家のコーナー。昨年も当ウェブログの予言した通りになった。(以下参照)

「この逆指標ぶりは本当に、賞賛に値する。
 今年は以下のようになると思われる。

 「中国経済・欧州経済に波乱は少なく、
  日本経済は重大な打撃を受ける」

 恐ろし過ぎる話だが、これまでの「実績」で言えばそうなるのだから仕方がない。」



これまでの「実績」から言えば、グローバリズムは終わることなく、
EUも崩壊せず、中国や韓国経済はそう大きくは落ち込まず、
日本経済は相変わらず地盤沈下が続く。2017年はそういうことになる。

▽ もはや毎年毎年、大袈裟な話をしてナショナリズムを煽らないと売れないらしい

『2017年 アメリカ大転換で分裂する世界 立ち上がる日本』(三橋貴明,徳間書店)


▽ 昨年も冴え渡った逆指標評論家、中国もユーロも無事でロンドンは寧ろ上昇した

『2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本』(三橋貴明,徳間書店)


▽ 2015年も見事な逆指標となり、世界経済は波乱なし

『2015年 暴走する世界経済と日本の命運』(徳間書店)


▽ 2014年には完全な逆指標で、日本経済は落ち込んで世界経済は平穏

『2014年 世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機』(徳間書店)


▽ 2012年の逆指標ぶりは驚嘆すべき的確さ

『ユーロ崩壊!』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて2017年の市況に関しては、闇株新聞の見通しに注目したい。


トランプ政策で財政赤字倍増。長期的な景気後退の引き金に(HARBOR BUSINESS Online)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161217-00121892-hbolz-bus_all
”◆真っ先に反応したのは債券市場
 トランプ新政権の動向に世界の注目が集まっています。
 その政策の全貌は明らかになっていませんが、「最初の2年間で2500万人の雇用創出」「35%から15%への法人減税」「1兆ドルのインフラ投資」など、“アメリカ国内”に絞った経済政策だけは具体性を帯びています。
〔中略〕
 大型財政出動に伴う大量の国債発行で長期金利が上昇するのを見越して、米国債売りが加速。10年物の米国債利回りは1.6%から3週間で2.4%にまで急騰しました。金利上昇を受けてドル買いが加速し、円相場は大統領選当日に101円台まで下げたのち、115円近くまで14円も上昇しました。一方、NY市場では景気対策を好感して、インフラ関連銘柄が上昇。NYダウは史上初の1万9000ドルを大きく上抜きました。本来であれば、金利上昇は株の売り材料となりますが、トランプ効果で株・ドル・金利とすべてが上昇してしまったわけです。
◆高まるインフレ圧力がアメリカの足を引っ張る
 ただし、トランプ氏の経済政策は、大きな矛盾をはらんでいます。まず、アメリカはオバマ政権下で失業率が4%台に低下しました。日本と算出方法が異なるため、これは事実上の“完全雇用”の状態といえます。そのなかで大規模な経済対策を行えば、人手不足が深刻化するのは必至。
〔中略〕
 アメリカの’95~’04年の実質経済成長率は平均3.4%ありましたが、直近の’16年1~9月期は1.5%しかありません。この成長鈍化の背景には労働生産性の低下があります。’95~’04年の労働生産性の伸びは前年比平均2.8%でしたが、’16年には0%に落ち込んでいるのです。そのような状況で賃金インフレを起こせば、さらに労働生産性は低下します。企業収益の低下は減税でカバーしようと考えているのでしょうが、結果、財政赤字が雪だるま式に膨れ上がっていくことは間違いありません。
 ブッシュ政権時代に10兆ドルにまで膨らんだ連邦債務は、オバマ政権で20兆ドルに拡大しています。トランプ氏は大型財政出動と大規模減税に加え、10年間で支出が1兆ドルを超すと言われるオバマケアも存続させるようなので、さらに連邦債務が拡大するのは避けられません。確かに、株式や不動産などの資産価格は一時的に上昇するでしょう。しかし、これがインフレの加速と長期金利のさらなる上昇を招くのも間違いありません。
 当然のことながら、インフレ圧力を受けてFRBは利上げに追い込まれます。’17年は少なくとも2回の利上げが実施されるという見方が広まっています。さらなるドル高で、発展途上国の経済が混乱するのも必至です。世界的な経済の停滞は巡り巡ってアメリカ経済の足を引っ張ることになるのです。つまり、現状で明らかになっているトランプ政策が実行に移されれば、ごく短期的には財政出動効果で高成長を実現できても、中長期的には景気の悪化を招く可能性が濃厚なのです。
【闇株新聞】
’10年に創刊。大手証券でトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった後、独立。証券マン時代の経験を生かして記事を執筆し、金融関係者などのプロから注目を集めることに。現在、新著を執筆中”

全くもって同意見だ。トランプは失敗するか成功するするかではなく、
「いつ」失敗が明らかになるか、という問題なのだ。

当ウェブログはトランプが瞬殺でレイムダック化する可能性すら想定している。
有権者はウォール街と癒着した政治家を憎み、政府からの保護と雇用を求めたのに
トランプは自分に投票して大統領に押し上げてくれた彼らを既に裏切り始めているからだ。

2017年もダウンサイドリスクを想定しておかなければならないだろう。
もし円安方面にオーバーシュートするとしても実質賃金低下で日本経済の低迷は不変だ。
リスクシナリオを警戒していた方が遥かに賢明である。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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メモ

2016-11-09 | 株式・為替マーケット全般
トランプ大統領の下で最も容易に実施できる米経済への梃入れは、ドル安誘導。
今回、トランプ・ショックで東証の下落率が最も大きかったことからも分かるように
ドル安の「被害」を最も受けやすいのは輸出セクターの比率の高い東証だろう。



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「ドルは年末95円、来年は90円に」「為替はいったんトレンドを帯びて動くと2~3年は続く」内田稔氏

2016-10-10 | 株式・為替マーケット全般
MUFJの内田稔氏が興味深い分析を東洋経済オンラインに寄稿している。
今年末か今年度末にドルは95円、来年は90円との見立てだ。
当ウェブログで何度も取り上げたドイツ証券の田中泰輔氏の見通しとよく似ている。

内田氏は金融緩和の「賞味期限」がせいぜい3年であること、
為替市場では一度トレンドが出ると2〜3年は一方向に動き易いとも指摘しており、
マーケットを常に見ている者には非常に説得的な指摘も行なっている。

もはやB層しか信じていないアベノミクスの貧相さは明らかであり、
「異次元緩和」が日本経済を回復させるなどという「妄想」も
市場の神に嘲笑され、ゴミ屑のように薄汚れて路頭に転がっているような惨状だ。
当ウェブログが予言したように、太平洋戦争のような惨憺たる敗北を再び繰り返している。

尚、市場の先を鋭く見通すMUFJMSの藤戸則弘氏は、
アメリカの労働生産性が3四半期連続で低下していることから、
米経済への楽観論に対し警鐘を鳴らしている。

▽ こちら参照のこと

『週刊エコノミスト』2016年10月11日号


当ウェブログの見方は一貫して変わっていない。
原油安リスクが緩和されて多少打撃が和らいだ程度である。

「原油安の負の影響について重要な指摘が二つ出てきた。
 一つは世界銀行、一つはビル・グロースである」

「原油安の効果は世界経済の0.1%程度でしかない、
 原油安が米利上げの時期を後退させるとの指摘であり、
 他人の受け売りで「原油安で7兆円効果」などと世迷い言を吐く
 我が国の閣僚とはまさに「次元の違う」鋭さがある」

「年末年始にかけて様々な2015年の市場予想が語られた中で、
 当ウェブログが注目したのは「債券王」ビル・グロースの見通しである」

「債券王も近年は神通力が失われたかのように見えたが、
 PIMCOを辞めた後になって斬れ味鋭いコメントを出している」

「それは「2015年は低リターンに満足しなければならない」というもので、
 年頭の経済誌やマネー誌で見苦しい提灯持ちを務める衆愚的な連中よりも
 遥かに的確に現下の状況を言い当てている」

「日米とも金融政策だけで成長率低下の問題を誤摩化すことはできず、
 急速な少子高齢化と低い女性就労率、豊かな高齢層への所得移転で
 アメリカより大きく成長率に劣る日本が異次元緩和もむなしく依然として低成長なのが現実だ」

「多くのエコノミストも経済評論家もまともな有効策を提案していないのだから、
 アベノミクスによる大惨事も当ウェブログの言う「コラテラル・ダメージ」も不可避である」

「アベノミクスは単にタイミングが良かっただけの幸運に過ぎない。
 それを己の力と勘違いした連中が、市場の神によって厳しく罰せられることとなろう」

「世界景況と市場環境が逆風の中で、インチキ・アベノミクスの虚飾が剥落し
 惨めな内実が暴かれる日が刻々と接近している」

「往生際の悪いリフレ派は、マイナス成長や一向に上がらない実質賃金を無視し、
 日銀のマイナス金利政策を賞賛しながら政府の政策対応を求めるという支離滅裂な状況だ。
 (マイナス金利を打ち出すこと自体、政府の政策対応を求めること自体が敗北の証拠である)
 事実を否認して自己洗脳を強化する、まさに太平洋戦争の末期状態そのものと言える」

「当ウェブログは既にリフレ派と安倍政権が「台湾沖航空戦」の段階を経たと判断した。
 彼らは壮大な勘違いのままフィリピン戦に突入し不可逆的な打撃を受けるステージに入ろうとしている。
 次にはレイテ沖で戦艦武蔵を失うような致命的な失策を犯すことになろう」

「何しろ最近は「為替介入を!」とまるで民主党政権と同類の
 みっともない叫びをあげる者も出現する始末だ。
 もはや、「売国政策、ここに極まれり」というところだろう。
 彼らの亡国の踊りが集団的自滅に向かう様を、我々は目撃することとなろう」

「実際、リフレ派やアベノミクス支持派が(数少ない)成果として挙げている株高が、
 今や崩壊し始めようとしている。しかも悪いことに、
 リフレ政策もしくはアベノミクスを喧伝して巨額の海外資金を東証に招き入れたため、
 海外勢の動向が東証に与える影響は恐らく過去最高の域にまで高まっている」

「海外マネーは別に日本のために円売り日本株買いを行う訳ではない。
 儲かるから円を売って日本株を買っていただけの話だ。
 円買い日本株売り(先物売り)が儲けになるなら躊躇なくそうするだろう」

「まさに今、彼らが行っているのが円の買い上げと日本株売り崩しであり、
 安倍政権を利用し掌で踊らせて大儲けした彼らは、
 今度は安倍政権の足下を崩して大儲けしようとしている」

「オンラインで非常に興味深い記事が二つ出ていた。
 一つは日経マネーによる「山崎指数」の紹介であり、
 一つは現代ビジネスの「マンションバブル崩壊」の予兆である」

「二つに共通して言えるのは、景況が既にダウントレンドになっていることで、
 いずれにせよ「遂にアベノミクスの虚飾が剥がれた」との結論になろう」

「「山崎指数」によれば東証はまだ割高圏で、
 あと15%は時価総額が減らないと大底にはならない」

「日本の富の原資であるGDPが伸びていないのだから、
 そもそもGDPが大きく伸びるような政策が何一つ実施されていないのだから、
 そうした暗澹たる現実はごく想定内のものと言える」

「先見性のある者にとっては何ら不思議な話ではなく、
 早ければインチキ・アベノミクスが始まった当初から分かり切ったことで、
 頭の悪い政策がごく当たり前の「末路」を迎えたということになろう」

「安倍政権が基本的には支持層へのバラ撒きに過ぎず、
 改革を騙って小手先の誤摩化しばかり展開しているのだから
 所詮は次元の低い政権への因果応報と言えるだろう」

「もはや政権は、いつ市場の神によって致命的な打撃を受けても
 おかしくないような累卵の危機に近付いているのである。
 (日本経済にとっては、そうした崩壊こそ寧ろ福音であるのだが)」

「高齢化と人口減少が進み、経済がゼロ成長なのだから、
 不動産市場の活況が続く訳がないのは分かり切った話だ。
 東京五輪前に不況が来るのは間違いないと確信できる」

「安倍政権による市場操作の愚行は、必ず崩壊の時を迎えるであろう」

歴史から学ぶ能力も政策リテラシーもない安倍政権は、
見苦しく選挙対策ばかりに奔走する醜態を見せながら轟沈することとなろう。

 ↓ 参考

「マンションバブル崩壊」の接近を石澤卓志氏が警告、アベノミクスは末期症状 - 東証も今「下落トレンド」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6a95831abd008bef0af5296d4a10666b2

「年末には多くの資産の投資リターンがマイナスになる可能性」- ビル・グロス氏が警告、米利上げも後退か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2214dcb0b09ef0a00e67319e1f28a556

「アベノミクスは日本経済を破壊する政策でしかない」- ジム・ロジャーズ、安倍首相の悲惨な没落を予言
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/be77d61983dc09d1c6e37ce8399e

アベノミクスの帰結は1000兆円超の政府債務+金利上昇 - 財務省が財政危機を事実上認める試算発表
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d7d54acd2408cc63f24a9d86b0d67753

▽ 愚劣なアベノミクスは典型的なレントシーカーによる傀儡政策であり、真の経済成長を寧ろ阻害する

『グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代』(クリスティア・フリーランド,早川書房)


英ポンド「暴落」、謎の巨額売り 誤発注説やEU離脱巡る懸念も(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07H7Q_X01C16A0000000/
”7日早朝の東京外国為替市場で英ポンドが突然急落した。8時すぎ、それまで対ドルで1ポンド=1.26ドル前後、対円で1ポンド=131円前後で推移していた相場が、一瞬で1.18ドル台と121円台まで売り込まれた。対ドルは31年ぶりの安値を更新した。今のところ市場では「一時的に巨額の売り注文が出ただけ」といった冷静な受け止めは多いが、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る懸念再燃に伴う、ポンドのもろさを再認識…〔以下略〕”

為替市場ではブラックスワンの羽根の先が見え始めたようだ。
何の裏付けもなく「巨額の売り注文」が出る訳がない。
得体の知れない何かの前兆と捉えた方が正しかろう。

▽ これまで市場では、予測すらできない現象が何度も実際に起きてきた

『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社)


ドル円は年度末95円から来年度90円に進む(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160920-00136652-toyo-bus_all
”9月20~21日にかけて、日本では日本銀行の金融政策決定会合を、米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)をそれぞれ控えている。しかし、ここでどのようなアクションが取られても、ドル円相場がドル安円高基調を脱するのは難しいと見ている。
 為替市場ではすでにこうした日米の金融政策の格差というものがあまり効かなくなっているためだ。日本の予想実質金利(=名目金利-予想物価上昇率)の高止まりが続くと見込まれる中、日米間の経常収支やインフレ率の格差が重石となり、ドル安円高傾向が続く可能性が高いだろう


■日銀はマイナス金利の深掘りへ
 日本では、異次元金融緩和によって予想物価上昇率を高め、予想実質金利を押し下げるというのが日銀の黒田東彦総裁の狙いだが、そのとおりになっていない。市場は原油価格の下落や中国経済の減速などによって、金融緩和によるデフレ脱却が難しいとの見方に転じたためだ。
 そのため、今年1月末には、マイナス金利政策を決定し、名目金利を引き下げることによって、予想実質金利を引き下げようとしたが、これもうまくいっていない。かえって副作用が意識されてしまい、予想物価上昇率が低下し、かえって予想実質金利の上昇と円高を招いたからだ。
 こうした経緯も踏まえ、日銀は9月20~21日の金融政策決定会合で、これまでの金融政策の効果について総括的に検証した結果を公表する、としている。
 ここで、日銀が2%という物価目標を下げることはないだろう。多くの先進国の中央銀行が、2%の物価目標を掲げる中、目標を下げれば、購買力平価の観点で言えばその目標の差の分だけ、円高を許容することになるためだ。また、結果的に達成時期が後ズレしようとも、目標達成へのファイティングポーズを示し続けること自体、粘着性の強い日本のデフレマインド払拭に役立つと日銀はみているはずだ。
「総括的検証」と次の一手
 こうした中、黒田総裁は、9月5日の「きさらぎ会」における講演にて、各主体の調達コストを引き下げたと説明し、マイナス金利政策の効果を強調した。一方、「短期調達・長期運用」を基本構造としている銀行にとって、イールドカーブのフラット化(短期金利と長期金利の差が小さくなること)が収益の悪化と金融仲介機能の低下につながる可能性に留意しなくてはならないとして、その副作用にも言及した。
 従来の「銀行のために金融政策をやっているのではない」といった強い口調ではなくなった点が印象的だ。加えて、長期金利の低下による年金や生保の運用難が、貯蓄性の高い保険商品の販売停止や、企業による年金債務の拡大をもたらすなど、マインド悪化が経済活動に悪影響を与える可能性にも言及している。
 これらを踏まえれば、日銀が今後、マイナス金利をさらに深掘り(マイナスの金利幅を拡大)する場合に、長期国債の買い入れの柔軟化(減額)によって、イールドカーブのスティープ化(短期金利と長期金利の差が大きくなること)を図る可能性が高い。もちろん、緩和姿勢の後退と映ることを避けるため、長期国債の買い入れを減額する一方、短期から中期の国債買い入れを増やし、全体としての国債買い入れ額は概ね維持するだろう。
 しかし、イールドカーブの形状をコントロールすることは容易ではないと考えられる。なぜなら、長期金利の決定要因は、需給のほか、海外債券市場の動向、期待潜在成長率、期待インフレ率、そして財政のリスクプレミアムが複雑に絡み合うためだ。加えて、今まで以上のスピードで償還を迎える国債が増えるため、国債買い入れ額を維持することも、難しさを増すだろう

■サプライズに頼ったことが黒田日銀の誤算
 本来であれば、米FRBの金融政策の正常化(利上げ)VS日銀の異次元緩和の継続や拡大(マイナス金利政策の付加)によって、円安が進んでいてもおかしくはなかったはずだ。しかし、そうならずに円高が進んだ最大の理由は、黒田総裁がサプライズに頼り過ぎたためだろう。もちろん、これは予想物価上昇率の押し上げを狙ってのことであろう。
 しかし、非伝統的な金融緩和は、企業や家計、市場の日銀の政策に対する共鳴を得て初めて、当局の意図したような期待形成に働きかけることができると考えられる。その点、説明もほとんど行なわれないまま、マイナス金利政策が導入されたとあっては、日銀の政策によって、「これで景気がよくなる」、「これで物価が高まる」という意識が各経済主体や市場に浸透するとは考えにくい。マイナス金利政策のメリットより、副作用に対する不安感がかえって高まったと考えられる。
 特に、長らくインフレ率2%程度が当たり前だった米国と、物価が上がらないことに慣れてしまった日本とでは、金融緩和の効き方も異なると考えられる。
〔中略〕
金融緩和の賞味期限はせいぜい3年
 とは言え、金融緩和の効果が薄れている理由は、ほかにも考えられる。まず、日米ともに潜在成長率が下がり、自然利子率(景気を熱しも冷ましもしない金利)が下がっている可能性がある。金融政策が働くメカニズムは、景気や物価に中立とされる自然利子率よりも実質金利を下げることで、景気を浮揚させることだ。仮にその自然利子率が下がっているとすれば、実質金利との差が縮小し、景気浮揚効果が弱まっている可能性がある
 特に、予想物価上昇率が2%前後で推移している米国では、実質金利はマイナスとなっているはずだ。しかし、日本の場合、予想物価上昇率がゼロ近辺のため、実質金利はそれほど下がらないということになる。このため、やはり日銀は、実質金利を下げるために、マイナス金利(名目金利)の深掘りという政策をとる可能性が高いだろう。
 金融緩和効果が薄れているもう1つの理由は、金融緩和にそもそも賞味期限があるためだ。金融緩和は、生産性を高めるわけではなく、あくまでも通貨安という追い風を利用した景気浮揚のきっかけになるとの側面が強いとみられる。
 ただし、この追い風は5年も10年も続くわけではないようだ。リーマンショック後の日米欧の経験則を踏まえると、せいぜい3年だろう
。例えば、米国も資産の買い入れ(QE)をQE1、2、3と3回実施したが、ドル安誘導に成功したのは、QE2までだ。2012年9月のQE3以降は、ドルは徐々に持ち直している。日本の場合も、QQE(量的質的緩和)導入以降、2015年半ばまでは円安が続いたが、昨年6月をピークに円高が進んだ。さらにユーロ圏でも、ECB(欧州中央銀行)が2014年6月からマイナス金利政策を導入し、ユーロ安を招いたが、昨年12月の追加緩和以降、いくらマイナス金利幅を拡大しても、もはやユーロ安とはなっていない。
 さて、一方の米国の金融政策について見ると、利上げがあるにせよ、いつなのかが不透明である上、あった場合も極めて緩やかなペースという見方が強い。この程度の利上げ観測では、経常収支赤字国通貨であるドルの上昇は容易ではない。もちろん、それでも世界的な低成長が見込まれる中、ドルは新興国通貨などに対しては一定の強さを維持しよう。しかし、経常黒字国通貨である円に対しては、上昇するのは難しく、次第に下落圧力が強まるだろう。

■米国景気はピークアアウトした可能性が高い
 FRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長は8月末のジャクソンホールでの講演でも利上げが近い可能性を市場に示した。しかし、8月の雇用統計が市場予想を下回った上、8月のISM製造業景況感指数が49.4と景気拡大・縮小の分かれ目とされる50を割り込んだ。また、ISM非製造業景況感指数も51.4と2010年2月以来の低水準となっている。米国の景気拡大は8年目に突入しており、ピークに達した可能性を疑う必要がありそうだ。
 とくに注目しているのは、米国の新車販売台数だ。2015年10月には季節調整済み年率換算で1800万台を突破するなどITバブル期並みの数字を記録した。しかし、その後は、1700万台、1600万台と減少基調にある。原油価格の下落を追い風に自動車が売れたことが、今回の米国の景気回復局面の一つの象徴でもあり、注意を要する。また、19の労働市場関連の指標から編み出す「労働市場情勢指数」(LMCI)も2016年に入って、1月から6月および8月分がマイナスになるなど、労働市場の改善も既に大きくペースダウンしているとみられる。

仮にトランプ政権が誕生すると?
 このため、時間の経過とともに、景気拡大ペースが鈍り、さらに経済指標が悪化する可能性がある。加えて、仮にトランプ政権が誕生した場合、政策の不連続性が警戒され、12月も利上げどころではなくなる懸念もある。
〔中略〕
 いずれにせよ利上げは困難か、あってもあと一回で、来年にかけて打ち止めとなる可能性が高い。もちろん、緩和的な金融政策が続き、ドル高が一服すれば、潜在成長率2%に対し来年は1%~1%半ばと低成長とはなろうが、米国の景気後退入りは回避できそうだ。

■年末から年度末は95円前後、来年度は90円に
 こうしてみると、FRBによる年内一回あるかどうか程度の利上げや日銀のマイナス金利の深掘りがあっても、ドル安円高基調は変わらないだろう。いずれドル円は100円を割り、今年末~年度末にかけて、95円程度に達すると予想している。
 とは言え、今年の年初来8カ月で20円も円高が進んだのは、2014年半ば以降にみられた急激な円安への反動と考えられる。今後も円高が進むが、ペースはかなり緩やかなものとなろう

 OECDが試算する相対的購買力平価は、1ドル=約106円、IMFによる試算で103円だが、為替はいったん、トレンドを帯びて動くと、2~3年は続き、適正水準を超えていく。このため、2017年はもう一段のドル安円高が進み、1ドル=90円前後の水準に絡んでいくとみている。もっとも、米国が景気後退には陥らず、日本もデフレ経済への逆戻りは回避できるとみている。このため、1ドル=90円から多少のオーバーシュートがあったところが今回の円高局面のボトムではないかと予想している。
内田 稔”

こちらが内田氏の見通しである。
ISMに関しては当面の危機は回避できたようには見えるが、
勿論トレンドが転換した訳ではなく、依然として円高警戒の局面である。
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「マンションバブル崩壊」の接近を石澤卓志氏が警告、アベノミクスは末期症状 - 東証も今「下落トレンド」

2016-09-17 | 株式・為替マーケット全般
今週はオンラインで非常に興味深い記事が二つ出ていた。
一つは日経マネーによる「山崎指数」の紹介であり、
一つは現代ビジネスの「マンションバブル崩壊」の予兆である。

二つに共通して言えるのは、景況が既にダウントレンドになっていることで、
いずれにせよ「遂にアベノミクスの虚飾が剥がれた」との結論になろう。

「山崎指数」によれば東証はまだ割高圏で、
あと15%は時価総額が減らないと大底にはならない

日本の富の原資であるGDPが伸びていないのだから、
そもそもGDPが大きく伸びるような政策が何一つ実施されていないのだから、
そうした暗澹たる現実はごく想定内のものと言える。

先見性のある者にとっては何ら不思議な話ではなく、
早ければインチキ・アベノミクスが始まった当初から分かり切ったことで、
頭の悪い政策がごく当たり前の「末路」を迎えたということになろう。

安倍政権が基本的には支持層へのバラ撒きに過ぎず、
改革を騙って小手先の誤摩化しばかり展開しているのだから
所詮は次元の低い政権への因果応報と言えるだろう。

もはや政権は、いつ市場の神によって致命的な打撃を受けても
おかしくないような累卵の危機に近付いているのである。
(日本経済にとっては、そうした崩壊こそ寧ろ福音であるのだが)

▽ 市場では、予測不可能な出来事が何度も実際に起きてきた

『ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち』(日本経済新聞出版社)


当ウェブログが2015年初めや2016年2月に予見した通りの状況と言える。

「原油安の負の影響について重要な指摘が二つ出てきた。
 一つは世界銀行、一つはビル・グロースである」

「原油安の効果は世界経済の0.1%程度でしかない、
 原油安が米利上げの時期を後退させるとの指摘であり、
 他人の受け売りで「原油安で7兆円効果」などと世迷い言を吐く
 我が国の閣僚とはまさに「次元の違う」鋭さがある」

「年末年始にかけて様々な2015年の市場予想が語られた中で、
 当ウェブログが注目したのは「債券王」ビル・グロースの見通しである」

「債券王も近年は神通力が失われたかのように見えたが、
 PIMCOを辞めた後になって斬れ味鋭いコメントを出している」

「それは「2015年は低リターンに満足しなければならない」というもので、
 年頭の経済誌やマネー誌で見苦しい提灯持ちを務める衆愚的な連中よりも
 遥かに的確に現下の状況を言い当てている」

「日米とも金融政策だけで成長率低下の問題を誤摩化すことはできず、
 急速な少子高齢化と低い女性就労率、豊かな高齢層への所得移転で
 アメリカより大きく成長率に劣る日本が異次元緩和もむなしく依然として低成長なのが現実だ」

「多くのエコノミストも経済評論家もまともな有効策を提案していないのだから、
 アベノミクスによる大惨事も当ウェブログの言う「コラテラル・ダメージ」も不可避である」

「アベノミクスは単にタイミングが良かっただけの幸運に過ぎない。
 それを己の力と勘違いした連中が、市場の神によって厳しく罰せられることとなろう」

「世界景況と市場環境が逆風の中で、インチキ・アベノミクスの虚飾が剥落し
 惨めな内実が暴かれる日が刻々と接近している」

「往生際の悪いリフレ派は、マイナス成長や一向に上がらない実質賃金を無視し、
 日銀のマイナス金利政策を賞賛しながら政府の政策対応を求めるという支離滅裂な状況だ。
 (マイナス金利を打ち出すこと自体、政府の政策対応を求めること自体が敗北の証拠である)
 事実を否認して自己洗脳を強化する、まさに太平洋戦争の末期状態そのものと言える」

「当ウェブログは既にリフレ派と安倍政権が「台湾沖航空戦」の段階を経たと判断した。
 彼らは壮大な勘違いのままフィリピン戦に突入し不可逆的な打撃を受けるステージに入ろうとしている。
 次にはレイテ沖で戦艦武蔵を失うような致命的な失策を犯すことになろう」

「何しろ最近は「為替介入を!」とまるで民主党政権と同類の
 みっともない叫びをあげる者も出現する始末だ。
 もはや、「売国政策、ここに極まれり」というところだろう。
 彼らの亡国の踊りが集団的自滅に向かう様を、我々は目撃することとなろう」

「実際、リフレ派やアベノミクス支持派が(数少ない)成果として挙げている株高が、
 今や崩壊し始めようとしている。しかも悪いことに、
 リフレ政策もしくはアベノミクスを喧伝して巨額の海外資金を東証に招き入れたため、
 海外勢の動向が東証に与える影響は恐らく過去最高の域にまで高まっている」

「海外マネーは別に日本のために円売り日本株買いを行う訳ではない。
 儲かるから円を売って日本株を買っていただけの話だ。
 円買い日本株売り(先物売り)が儲けになるなら躊躇なくそうするだろう」

「まさに今、彼らが行っているのが円の買い上げと日本株売り崩しであり、
 安倍政権を利用し掌で踊らせて大儲けした彼らは、
 今度は安倍政権の足下を崩して大儲けしようとしている。
 東証が休日だった2月11日に急激な円高が進んだ事実がその傍証と言える」

安倍政権による市場操作の愚行は、必ず崩壊の時を迎えるであろう。

↓ 参考

安倍政権を利用して大儲けした米系ファンド、今度は円買いで稼ぐ -「ターゲットは100円近辺」か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/66f2c6b17a8df5f5fab0c9a38b3cff8f

「年末には多くの資産の投資リターンがマイナスになる可能性」- ビル・グロス氏が警告、米利上げも後退か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2214dcb0b09ef0a00e67319e1f28a556

「アベノミクスは日本経済を破壊する政策でしかない」- ジム・ロジャーズ、安倍首相の悲惨な没落を予言
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/be77d61983dc09d1c6e37ce8399e

アベノミクスの帰結は1000兆円超の政府債務+金利上昇 - 財務省が財政危機を事実上認める試算発表
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d7d54acd2408cc63f24a9d86b0d67753

▽ レントシーカーは政治家をカネで操って利益誘導を行い、経済危機を招いた(日米とも同じである)

『グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代』(クリスティア・フリーランド,早川書房)


株価の大底と大天井 「山崎指数」で見極める(NIKKEI STYLE)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160917-00010002-nikkeisty-biz
”自ら5億4000万円を株で運用し、「週報」と称する有料メルマガを約2000人の読者に毎週配信している武蔵野学院大学名誉教授の山崎和邦さんも、今は下落トレンドにあると明言する。
 「15年6月をもって大天井だと週報で主張し、次の大底までは、時々株価が上昇しても中間反騰にすぎないと言っている
2倍から2.5倍で満足する
 山崎さんの投資法は明快だ。「大底の近辺で買って、大天井の近辺で売る」だ。大天井と大底をピタリと当てられないが、圏内は察知できるとして、下の図にある5つの目安を示す。このうち3番目は山崎さん自身が考案したもの。「山崎指数」と称する。東証1部の時価総額が国内の家計の現預金の6割以上なら「大天井圏」、4割以下なら「大底圏」と判定する。
 15年6月の東証1部の時価総額は約600兆円で、家計の現預金は約890兆円だったので、600÷890×100=67.4(%)と、山崎指数の法則に合致する。
 4番目は、ウォーレン・バフェットが考案した「バフェット指数」だ。株式時価総額は名目GDP(国内総生産)と比例して推移するとの前提に立ち、名目GDPからの乖離(かいり)で割高かどうかを判断する。15年4~6月期の名目GDPは約500兆円だったので、600÷500=1.2(倍)と、こちらも大天井圏になる。

株価の大底と大天井 「山崎指数」で見極める
 1961年慶応義塾大学経済学部卒業、野村証券入社。38歳で三井ホーム入社。同社常務などを経て現職。「週報」と呼ぶ有料メルマガを約2000人の読者に配信。自らも5億4000万円を運用する
 「大底圏から大天井圏にかけてはどの銘柄も2倍から2.5倍に値上がりする。基本的にはどの銘柄でも構わないが、できればよく知っているシンプルな銘柄を選んだ方がいい」と指摘。
〔中略〕
 「2倍や2.5倍に上がったところで売却できれば満足すべきだ。5倍や10倍を取ろうとするから変な銘柄を買って失敗する」
山崎さんが注目するPBRが低い銘柄
 大底圏で買って大天井圏で売るといっても、その間は何もしなくていいわけではない。「投資資金の1~2割の範囲で売買を続けて市場に居続けないと方向感が分からない」と言う。またPBR(株価純資産倍率)が0.5倍を割っていて、倒産の心配がない銘柄は本気で買いに行ってもいいそうだ。
 倒産の可能性の有無を判定するコツの一つは、大株主をチェックすることだと言い、PBRが0.43倍の日本コークス工業(東1・3315)を例に出す。大株主は1人の個人を除けば、コークスの大口ユーザーである製鉄会社と総合商社だ。特に製鉄会社にとっては欠かせない存在といえる。 (日経マネー 中野目純一)
[日経マネー2016年9月号の記事を再構成]”

こちらが日経マネーの「山崎指数」の紹介。
マネー誌としては卓抜した記事なので一読を薦めたい。

山崎氏の投資手法は余りに手堅いのでリタイア層向けだが、
大天井と大底の判断には非常に使いやすい。
詳しくは元記事の図表もあるので参考にされたい。


都心でマンション「大暴落」、売れ残り続出…要注意エリアはここだ! 2020年まで持たなかった(現代ビジネス)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160913-00049680-gendaibiz-bus_all
”全国のマンション数は600万戸超。毎年10万戸前後の新築物件が生まれる巨大市場だが、それがついに「暴落劇」に襲われ出した。しかも、発火点はなんと都内の「中枢」。これはただごとではない。
駅近物件でもダメ
 成城、三軒茶屋など、「住みたい街ランキング」で上位にランクインする街を多く抱える世田谷区。不動産業界では「世田谷は鉄板」「作れば売れるエリア」というのが常識だったが、ここに大異変が起きている。
 世田谷のマンション市場でまったく新しい「売れ残り現象」が発生し、マンション業者たちが悲鳴を上げ始めたのだ。

〔中略〕
 ここでグラフをご覧いただきたい。
 これは首都圏マンションの販売価格と発売数の直近の推移を示したものだが、ここへきて市況は急激に悪化。発売戸数にいたっては前年同月比で30%以上も激減しており、売れ行きが急減速していることがわかる。
 実は、首都圏マンションは7月の販売在庫数も6498戸に増えていて、「これは不動産ミニバブルが崩壊した'09年頃に近づく水準です。マンションバブルの崩壊を予兆するデータが出揃ってきたと言えます」と指摘するのは、みずほ証券市場情報戦略部上級研究員の石澤卓志氏である
〔中略〕
 不動産エコノミストの吉崎誠二氏が言う。
 「過剰にブランド化している二子玉川などは下落幅が大きく、2~3割下がってもおかしくありません。こうした連鎖現象は次々に起こり、たとえば世田谷でも環七通りの外側の用賀や経堂などは厳しくなってくるでしょう。すでにこのエリアではある新築マンションが売り出しから数ヵ月にして、2割しか売れていないと聞いています
 東京都心から始まった大暴落劇場は、もう止まりそうにない。
「週刊現代」2016年9月17日号より”

高齢化と人口減少が進み、経済がゼロ成長なのだから、
不動産市場の活況が続く訳がないのは分かり切った話だ。
東京五輪前に不況が来るのは間違いないと確信できる。
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