11月第1週は連休で経済誌も合併号となった。
先週書いた通り内容としてはエコノミストが最優秀だったが
実はダイヤモンドにも良記事が複数あったので今回、取り上げる。
エントリーのサブタイトルに挙げたのはコラム「数字は語る」、
行政システム総研・顧問の榎並利博氏による執筆である。
氏としては珍しく社会保障についての分析であり、
厚労省によると2023年度の医療費が47.3億円で
コラムによれば保険料以外の公費負担が約4割であるので
概算すると日本国民は高額な保険料負担以外にも
年19兆円もの医療費を負担していることになる。
氏は既に失敗しかけているマイナンバーで事務費の合理化をと唱えるが、
そもそもこれほど巨額の公費を食い潰しているのであれば
小手先の合理化で済むような話では全くなかろう。
マイナンバーが使えない制度なら既に付与されている保険証か
納税者のナンバーを用いて資産を補足し、豊かな高齢者には
現役世代並みの窓口負担を課すべきである。
執筆者も、同世代や先輩方が医療費負担をツケ回しすることで
下の世代を貧しくしている現実を認識し真摯に対処策を考えるべきでは。
池上氏の連載は相変わらず良かった。
旧東独でAfDのような極右政党が台頭する背景に、
旧東独における平均所得の低さを挙げている。
経済成長率が低下してインフレに苦しむ米国で
トランプのようなポピュリストが大統領に二度もなれたのも
経済的要因以外に考えられない。経済低迷は右傾化を招くのだ!
そう考えれば、主要国で最も早く右傾化が指摘されたのが日本であり、
安倍政権が長期安定を保ち得たのも経済低迷が元凶であると判断できよう。
書評では佐藤優氏が、国民の非合理な感情論が国益を損なうと
取り上げた本とは殆ど関係のない自論を展開しているが
それは寧ろドイツ極右、安倍政権、トランプ再選に当てはまる話だ。
しかも氏は先週のAERAでは北朝鮮の兵士はカフカス方面の
建設要員として派遣されるのではとロシアの怪情報を鵜呑みし書いている。
北朝鮮から弾薬も兵士も送られないと言い切ってしまった自身の立場が
刻々と悪化してきており焦っているのはよく理解できるが
国民を批判する前に自身の胸に手を当ててよく考えた方が良いのでは。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミスト誌にも良い記事があった。
サブ特集が良くて、インバウンドが急速に戻ったものの
都市と地方の格差が拡大してオーバーツーリズムと閑古鳥に二極化、
「下位7県の訪日客は(全体の)0.1%」という悲しい話が出ている。
これは明らかに、安倍・菅による売国安売りインバウンド政策の弊害だ。
今からでも遅くない、特にアジアからの訪日客を大幅に絞り込むことで
人数ではなく消費単価を政策目標とする正しい政策に大転換すべきである。
黒田日銀の始めた異常な緩和策の正常化も急ぎ、違法行為続出の
アジア客を絞り込んで健全な観光産業へと正してゆかねばらならない。
市岡繁男氏の連載は矢張り素晴らしい。
アメリカの乳幼児死亡率が三年連続で悪化して
何と中国に抜かれてしまい、かつてエマニュエル・トッドが
ソ連崩壊を警告したパターンと似てきているとのことである。
これまでは改善が続いていたから明らかな異常事態だ。
中国の数値が正しいかどうかにはかなり疑問があるが、
米国の数値は間違いないであろう。
個人的にはインフレ確実のトランプが再選されるような
アメリカは完全に衰退の局面に入ったと考えているが、
乳幼児死亡率に早くもその前兆が見てつつあると判断している。
◇ ◇ ◇ ◇
ところで東洋経済、合併号で最重要の記事を紹介するのを忘れていた。
ジャーナリスト金田氏の連載で、ぎょっとするような話が出ている。
れっきとした上場企業(建設業)である上司が部下に
「法律なんか守っていたら会社が倒れる」と放言していたとか。
自民党にたっぷり献金して仕事を貰おうとするような業界だから
驚くまでもないことだが、溜め息の出る実態である。
裏金問題で落選続々の自民党、自民党にカネを出し続ける業界。。
日本経済が成長しないのも至極当然の話であろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、今度の大学入試改革はかなりの大変動になりそうで必読だろう。
▽ 「大学受験“5歳差の明暗”」か。。深刻な少子高齢化により大学生の質の劣化が進むに違いない
▽ 東洋経済は孤独特集、高齢層や若者の問題はよく言われるが深刻なのは氷河期世代では。。
サブの「陰謀論にハマる中高年」はやや牽強付会だが、茨城の中年警官がヘイトデマで捜査受けるような時代だしな。。
先週書いた通り内容としてはエコノミストが最優秀だったが
実はダイヤモンドにも良記事が複数あったので今回、取り上げる。
エントリーのサブタイトルに挙げたのはコラム「数字は語る」、
行政システム総研・顧問の榎並利博氏による執筆である。
氏としては珍しく社会保障についての分析であり、
厚労省によると2023年度の医療費が47.3億円で
コラムによれば保険料以外の公費負担が約4割であるので
概算すると日本国民は高額な保険料負担以外にも
年19兆円もの医療費を負担していることになる。
氏は既に失敗しかけているマイナンバーで事務費の合理化をと唱えるが、
そもそもこれほど巨額の公費を食い潰しているのであれば
小手先の合理化で済むような話では全くなかろう。
マイナンバーが使えない制度なら既に付与されている保険証か
納税者のナンバーを用いて資産を補足し、豊かな高齢者には
現役世代並みの窓口負担を課すべきである。
執筆者も、同世代や先輩方が医療費負担をツケ回しすることで
下の世代を貧しくしている現実を認識し真摯に対処策を考えるべきでは。
『週刊ダイヤモンド』2024年11/2・9合併特大号 (最強財閥・オーナー企業) |
池上氏の連載は相変わらず良かった。
旧東独でAfDのような極右政党が台頭する背景に、
旧東独における平均所得の低さを挙げている。
経済成長率が低下してインフレに苦しむ米国で
トランプのようなポピュリストが大統領に二度もなれたのも
経済的要因以外に考えられない。経済低迷は右傾化を招くのだ!
そう考えれば、主要国で最も早く右傾化が指摘されたのが日本であり、
安倍政権が長期安定を保ち得たのも経済低迷が元凶であると判断できよう。
書評では佐藤優氏が、国民の非合理な感情論が国益を損なうと
取り上げた本とは殆ど関係のない自論を展開しているが
それは寧ろドイツ極右、安倍政権、トランプ再選に当てはまる話だ。
しかも氏は先週のAERAでは北朝鮮の兵士はカフカス方面の
建設要員として派遣されるのではとロシアの怪情報を鵜呑みし書いている。
北朝鮮から弾薬も兵士も送られないと言い切ってしまった自身の立場が
刻々と悪化してきており焦っているのはよく理解できるが
国民を批判する前に自身の胸に手を当ててよく考えた方が良いのでは。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミスト誌にも良い記事があった。
サブ特集が良くて、インバウンドが急速に戻ったものの
都市と地方の格差が拡大してオーバーツーリズムと閑古鳥に二極化、
「下位7県の訪日客は(全体の)0.1%」という悲しい話が出ている。
これは明らかに、安倍・菅による売国安売りインバウンド政策の弊害だ。
今からでも遅くない、特にアジアからの訪日客を大幅に絞り込むことで
人数ではなく消費単価を政策目標とする正しい政策に大転換すべきである。
黒田日銀の始めた異常な緩和策の正常化も急ぎ、違法行為続出の
アジア客を絞り込んで健全な観光産業へと正してゆかねばらならない。
『週刊エコノミスト』2024年11/12・19合併号【特集:日立 ソニー パナソニック 復権の道のり】 |
市岡繁男氏の連載は矢張り素晴らしい。
アメリカの乳幼児死亡率が三年連続で悪化して
何と中国に抜かれてしまい、かつてエマニュエル・トッドが
ソ連崩壊を警告したパターンと似てきているとのことである。
これまでは改善が続いていたから明らかな異常事態だ。
中国の数値が正しいかどうかにはかなり疑問があるが、
米国の数値は間違いないであろう。
個人的にはインフレ確実のトランプが再選されるような
アメリカは完全に衰退の局面に入ったと考えているが、
乳幼児死亡率に早くもその前兆が見てつつあると判断している。
◇ ◇ ◇ ◇
ところで東洋経済、合併号で最重要の記事を紹介するのを忘れていた。
ジャーナリスト金田氏の連載で、ぎょっとするような話が出ている。
れっきとした上場企業(建設業)である上司が部下に
「法律なんか守っていたら会社が倒れる」と放言していたとか。
『週刊東洋経済』2024/11/2・11/9合併号 (銀行 大波乱) |
自民党にたっぷり献金して仕事を貰おうとするような業界だから
驚くまでもないことだが、溜め息の出る実態である。
裏金問題で落選続々の自民党、自民党にカネを出し続ける業界。。
日本経済が成長しないのも至極当然の話であろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、今度の大学入試改革はかなりの大変動になりそうで必読だろう。
▽ 「大学受験“5歳差の明暗”」か。。深刻な少子高齢化により大学生の質の劣化が進むに違いない
『週刊ダイヤモンド』 2024年11/16号 (大学格差) |
▽ 東洋経済は孤独特集、高齢層や若者の問題はよく言われるが深刻なのは氷河期世代では。。
『週刊東洋経済』2024年11/16号 (超・孤独社会) |
サブの「陰謀論にハマる中高年」はやや牽強付会だが、茨城の中年警官がヘイトデマで捜査受けるような時代だしな。。