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流出雑記 

2014/7/25

2014年07月25日 | Weblog

今月のはじめに妹の産んだまだ肺呼吸をはじめて17日目の人は、母乳を吸うための顔の筋肉が発達したのか輪郭がちょっとシャープになり、目も大きく開くようになってきた。妹はどんどん母乳を作ることができるようになり、その量は日々増えて出産直後は滲む程度だったのが今は湧いて出る感じになって、副乳まで張っているらしい。牛みたいと妹は言う。

その子はとても好ましいにおいを持っていて、近くにいると安心する。初めて病院で見た産まれて半日くらいのときは、まだしなかった人の肌のにおいがするようになった。頭から妹と同じにおいがしている。

まだ自分がどんな姿をしているのか知らないんだと思いながらうごめいている姿を見ている。目はまだぼやけて、こっちを見ているようなときも、髪の毛の色が濃いことくらいは識別できる程度にしか見えていないそうで、自分に接する生き物の形状も、自分がいる場所がどんなふうなのかもわからないのでは、お腹がすいているとかおむつが気持ち悪いとかの欲求以外に泣く理由も大いにあるだろう。

触れてくる者を全面的に受け入れるという状態にまず置かれるところから生き物は生き始めることを改めて知る。それ以外にどうしようもないとは言っても、それはあり方として30年ばかり生きてきた地点から見ればいきなり難易度が高いし、過酷だと思える。でもそれが当然のはじまりだった。体はものすごく投げ出されている。生きることは身を投げる姿勢から始まるのだと。

覚えていないけれど自分も経てきた過程を、もう生きなおすことは出来ないけれど、なぜこんなに新生児を見ていたくなるのかは掛け値なしの可愛さもありながら、この世界に投げ込まれたばかりのまだ何も身に付けていない人を見ていたいからだった。


2014/7/24

2014年07月25日 | Weblog
修学旅行で中国の超巨大高層ホテルに泊まっている。たぶんそれほどいいホテルではなくて、さまざまな国からやってくる修学旅行などの団体客をごそっと泊められるような宿泊施設らしかった。フロアではいろんな制服と人種の高校生とすれ違う。

部屋は3人部屋で、ベッドが3つ横並びになっていて、あとは人ひとり通れる程度の通路しかない。私は一番入り口に近いベッドだった。館内は深い赤を基調としていて、いかにも中国という雰囲気の内装になっている。でも高級感はない。
宿泊人数が多い分エレベーターも大きい。一度に50人くらい乗れる。エレベーターは空気圧を変えることで昇降する仕組みで、ロープ等で吊られずに浮いているので、乗るとふわふわして怖い。そして移動速度が速いときと遅いときの差がものすごい。

チェックアウトの日、集合時間が近付いて、近場で最後の外出をしていた相部屋のふたりにそろそろ荷造りしないと間に合わないと言ったらふたりとも、もう出来てると言う。いつの間にと思いながら急いで部屋に戻って、スーツケースに衣類をくるくる丸めて入れていく。相部屋のふたりはスーツケースに入りきらなかったらしいものをかなり部屋に置き去っていて、どう考えても持って帰りようのない背丈ほどあるオブジェみたいなものや、1房に20本くらいついているとても立派なバナナ2房がその他ゴミと一緒に玄関付近にまとめてあった。持って帰れないのになんでこんなにバナナを買ったのか、あるいは旅のおやつとして持ってきたのかも知れないけど、どっちにしても多すぎるし、どっちにしても粗末にするなよと思いながら荷造りを急いでいると、先生らしき人が、もう空港行きのバス出るから!と部屋まで呼びに来て、忘れ物チェックをする間も無く荷物をスーツケースに詰め込んで、焦りと苛立ちに絡んでくるバナナの甘いにおいのする部屋を走って出た。
エレベーターを待つが、こんなときに限ってなかなか来ない。25階のあたりから全然登って来ない。部屋は73階とかだった。
帰れないかも知れないと思った夢。