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流出雑記 

今更ピアッシン

2008年06月29日 | Weblog
誕生日。
昨夜は前夜祭で、ダーリンと梅ちゃんと実家に帰る。
大阪に下宿する体大生の下の妹も来てくれた。
夕方、母の車に乗り込み、滋賀のケーキ屋で働く真ん中の妹を迎えに行く。
その近くの焼肉屋に行く予定になっていた。 私は2年ぶりの焼肉屋。

妹の働く場所をはじめて見せてもらう。

閉店後のケーキ屋のキッチンの中はバニラ、焼き菓子、消毒用エタノールのにおい。
あちこちに妹の若い字でメモ書きが張ってある。
在庫と仕入れ、クレーム処理、明日の申し伝。「何かあったら連絡ください」と書いた明日は休みの妹、若い店長の働きぶりを垣間見る。

で焼肉。
ハラミというのはお腹の肉ではなく横隔膜だと知る。

堪能後、家に戻りケーキケーキ。
妹の店の人気商品「その日のバナナケーキ」をホールで。
それにロスのケーキが4種。これでもかというほどの至福を味わう。

妹たちからのプレゼントはきれいなロイヤルブルーのカットソー。
と、ピアッサー。
これは私のリクエストで今更なぜか開けたくなったのだった。

中学2年、反抗期の最中ジュディーアンドマリーの歌、「そばかす」にのせられて女子トイレで友達のお姉ちゃんのピアッサーを借り、思い切り開けた左耳のピアス以来のピアス。
密かにジンジンする耳で授業を聞きながらいい気になっていたのをよく覚えている。
しかし当時はばれないように透明のプラスチックをいれていただけで、飾りのピアスを買った記憶がほとんど無い。
耳に穴を開けるという行為が魅力的だったのだ。
体育のマラソンで走りながら耳が見えないかひやひやしつつ、負けず嫌いで上位はキープ。

当時さほど痛かった思い出はないがいざとなると怖い。


気の済むまで躊躇したのちかんねん。
友達のを2度開けた事が有ると言う真ん中の妹が開け役を担当。

ホッチキス的な発条感がビーンときたと思ったら貫通していた。
注射より痛くなかった。

今回は両耳に。
こういうおしゃれのどきどき感は久しぶりで新鮮だった。

そんな25歳になりました。

自分の為にマリアージュ・フレールでお茶を買う。
マルコポーロのルイボスティー。普通のマルコポーロより甘い匂いが控えめ。

ダーリンからのプレゼントは今アメリカに渡っているから3日ほど待て言われた。
一体何なのか検討もつかない。
アメリカ。

アメリカンショートヘアか。

 

虫々花々

2008年06月25日 | Weblog
ニオイスミレの鉢を移動させたら下に潜んでいた蛞(なめくじと読む)のご家族。
窓をあけておくと入ってくることがあり、床を這っていたのを小梅が…
そんな悲劇を未然に防ぐべく塩水を浴びせる。

しみるのかしみるのか。
何匹いるのかよくわからないご家族は、ぬめり、絡まりながら細くなってゆく。

そして溶解。


植物は梅雨の合間にぐんぐん育つ。
時計草も咲いた。
ライラックに似た香りがあるがクセのある部分があり、それをダーリンは松茸のにおいと言う。
街路の植込みより遅いうちのクチナシも時期に咲く。
カッコウアザミ、サルビア、薄いバニラ様の香がする香料花のヘリオトロープ、ラベンダー、紫の方々。
去年発育不良だったフェンネル。今年の苗は予想外に伸びて困るほど。
何ものかに食われてしまう青じそ。
二件隣のおばさんからエンゼルトランペットと朝鮮朝顔の苗をもらった。朝鮮朝顔はとても良い香りがするらしい。
どちらもまだ本葉四枚目くらい。楽しみだ。

夜、トイレに心から苦手な虫、げじが出没。
半ば宇宙人だと思う。
益虫らしいがあんなもの見て見ぬ振りできない。
ので退治していただいた。

5:55

2008年06月23日 | Weblog
5:20
5時台に起きる生活に体が順応してきた。
天気が気になりテレビを付ける。
目覚ましテレビ 

5:55
小学校6年生の頃、友達関係につまずいて学校に行きたくない時期があった。
その頃読んでいた雑誌に「5時55分に起きてゴーゴーゴー!5回唱えるとその日は良いことがおこるヨ」と書いてあったので試した事がある。
小学校は3分でいけるほど近距離にあり、普段は7時半に起きれば十分間に合ったので起きた後時間がありすぎて目覚ましテレビを見ながら夢うつつ。授業中もどうしても目蓋が重く、眠気と必死に戦った思い出がある。

6:20
家を出る。
朝の自転車は寒い。
地下鉄に乗り、京都駅で降りて近鉄のホームに向かう。焼きたてパンのにおいにつられてパン屋に寄る。
和三盆クリームパン に惹かれる。
まだほの温い。でもこれはお昼ご飯。

7:10
近鉄のホーム、京都に着いた電車から人が雪崩出てくる。月曜は特に多い気がする。
私は毎朝先頭車両の一番前に乗る。
事故が起こると死ぬ可能性が高いなあと思いながらそのまますぐ眠り、終着の橿原神宮前まで足りない睡眠を補う。
着いたのにしばらく目覚めず乗ったまま危うく逆行しそうになったこともある。今日は隣のおばさんが起こしてくれた。

8:26
ホームに出るとまたパン屋からいいにおい。でもお昼はもう買った。
学校までの道のり、雨がぱらつく。
見知らぬおばさんが二人私の前を歩いている。
ひとりのおばさんはサテンのようにツヤがあり、くすんだオペラレッドで内側に写実的な花の描かれたきれいな傘を差している。
きれいな傘やね ともうひとりのおばさんがその傘を褒めた。
すると傘を差しているおばさんは、その傘を買ったのは二十歳代の頃、友達と買い物に出掛け連れられて百貨店の専門店のコーナーに行き、高級なものを買う機会がまだなかったころに思い切って買った品だったそうで、無くさないように大事にしながらもう数十年使っている と話した。
朝からなんだかいい話しだと後ろをヒタヒタ歩きながら徐々に強くなってきた雨の中、私は家に傘を忘れてきたことに気づく。

8:45
学校に着く。
教務課に寄り出勤簿に判子を押す。
15日分の捺印欄 まだ4つ目。
3階に上がり洋画科の研究室に入る。副手以外はまだ誰も来ていない。
控え室で濡れた服から浴衣に着替える。紺地に白の蝶、朱の帯。
襟をぬいて、背中の皺をきちんとのばす。
着付けた頃に組ポーズのもう一人が到着。
ポーズ開始までまだ少し時間がある。
毎朝コーヒーをいただく。
ここはインスタントでなくコーヒーメーカーでいれてくれるのでうれしい。

9:00
教室に移動。
月曜は遅刻が多い。
15人ほどいるのに2人しか来ていない。今日少ないねえといいながらポーズを始める。

だんだん人が増え終わる頃にはいつものようになっていた。

12:05
着替えて帰る。
クリームパンは休憩時間に食べてしまった。
また近鉄に揺られ京都まで。

14:10
無性に夏の履物が欲しくなり京都駅の地下街に寄り道。
何件かめぐり一足買う。
即座に履き替える。

23だが右足が若干小さい。左足が大きいとも言う。どっちなのか。



梅誕

2008年06月20日 | Weblog
我が家の姫君 小梅嬢が19日、1歳になった。

奈良県東吉野の山村で5匹兄弟で生まれ去年の8月、奇妙な巡り合わせでうちの子になる。
小梅の他、あと2匹はもらわれていったが雄と雌1匹ずつもらい手がつかず、親猫を飼っている家の経済的理由から雌の子猫は処分されたとその2ヶ月後に聞いた。

生後2ヶ月で引き取り、猫を飼ったことのない私は抱き方もわからず小梅も突然親元から離され不安のあまり物陰で家具にもたれて座ったまま寝ていたり。
どうなる事かと思ったが、今やすっかり家に馴染んでいる様子。
生まれて1年経たない内にもう子供を産めるようになって、悩んだあげく避妊手術をして、冬毛がこれでもかと抜け、さっぱり夏毛に生え変わり今は落ち着いて、部屋の中を飛び回る小虫を追い回したり捕獲して食べたりしている。

小梅がいない生活など、もはやありえない。
そんなふうに思うほど自分が猫好きだとは小梅が来るまで知らなかった。

一緒にいる間に小梅の方が早く歳をとってしまう。
この親不孝、と思う。



めずらしく夢日記

2008年06月19日 | Weblog
最近あまりはっきりとした夢を見ないのだが、今日のは久しぶりに鮮明に残っているので書いてみようと思う。

場所は実家。
私と妹たちは今の年齢で、父と母は少し若い、40代前半くらい。
母が、ちょっと体調が悪いといって、二階の子供部屋の二段ベッドの下段で横になっていた。
私は大丈夫?と様子を伺いに行く。

ちょっと体調が悪いといいながら、なんだかそのまま今生の別れが近づいている雰囲気になり、母が「今までありがとう」などと言い出す。
私はいやだいやだと言った。

そして時期に母は動かなくなった。

胸部と背中に筒状の穴があいていた。
心臓に虫が寄生していて、30センチくらいになったそいつが突き破った為だった。

妹と父に母の死を知らせに行く。
妹たちは悲しみにくれ、父は葬儀のことなどで動く。
とにかく棺に入れなくてはならない。急に棺があらわれた。木製で長方形だが西洋の棺の様に六角形をしている。

そしてこの家には少し前から密かに埋葬せねばならない死体がもうひとつあった。

それは私のクローンの死体だった。

棺はひとつしかない。
妹と父と先に死んだ方を先に棺に入れようと私のクローンの死体をどさっと棺に放り込んだ。

私は自分の死顔を見た。
血の気のない顔、完全に脱力した表情筋、重力に引っ張られて顔は平ったく見える。
外傷らしきものは見当たらず、死因は不明。

一階にはもう数人の親戚が集まっている。
妹と父と話し、母の葬儀なのに違う死体が入っているのはやはりおかしいと言うことに気付き、急いで死体を入れ替えた。

場面は墓地にとぶ。
土葬である。
石碑はなく 盛り上がった土があちこちにあり、母の棺を納める為の穴が既に掘ってあった。

棺が穴の中に降りていく。
そこではじめて狂ったように私は泣いていた。
もう一回産まれるところから一緒にいたいと思った。

棺に土がかけられ、葬儀が終わる。
帰ったらもうひとつの死体がある。母の横に穴を掘って埋めようと父に提案したが、墓地の許可なく勝手に埋めるのはダメらしかった。どうしよう。

というところで目が覚め、夢の心持ちを引きずったまま目覚め、涙が出ていた。

猫徹夜2 そして奈良の日々

2008年06月18日 | Weblog
毎年恒例の奈良の15日間が始まった。
奈良芸短の洋画の固定ポーズ。

とにかく遠い。遠いのに朝9時からの授業。
普段3時就寝10時起床の生活リズムに5時起きは無理難題。
起きれるかどうかの不安と猫を描いて初日から徹夜明けである。

電車で1時間40分。駅までの徒歩をあわせると往復4時間で、3時間の勤務時間より通勤時間が長い。

1年ぶりに橿原神宮前駅に降りる。
閑かなところである。

去年はあったが、店をたたんでしまった商店、時計草が咲き乱れていた家があったのに全部伐採されていたり。
短大の向かいにあった犬の処分施設が閉鎖されていた。
古びた暗い小屋に煙突、犬小屋、鎮魂「犬の碑」。
去年は外から見えるところに子犬がいたり、見えない建物の中から鳴き声が聞こえたりしていた。
私が朝通る時間帯によく職員の人が床をデッキブラシで磨いていた。
施設はどこかに移転されたらしい。

今回のポーズは群像。群って言ってもふたりだが。そして浴衣。
たまたま同じ大学だった後輩と仕事することになった。
群像の仕事がない限りモデル同士が顔を合わす機会はほとんどない。

私はここ3年ほど毎年同じ洋画コースでモデルをしているので中に顔見知りになった学生もいる。
最初にあったころ2回生だった学生が4回生になって、上達した絵を見せてもらうのが楽しみ。

ところで久しぶりに風邪をひいた。
徹夜すると免疫力はがくんと落ちるらしい。
やはり弱点の扁桃腺がやられている。すぐさま喉スプレーとルルで抗戦。
喉は痛い位置が一日の内にどんどん移動する。
最初は浅い位置で、今はかなり奥の方に進んでいて、そうなると微熱がでる。
治りかけなのだろうけど。
 
ぼー

猫徹夜

2008年06月16日 | Weblog
あるいきさつで、猫の物語の本の挿し絵を描いてみないか と言われた。

猫。

私は動物がものすごく下手である。
でもとにかくやってみたい気持ちだけで返事してしまった。
〆切は来週。
あまり時間はないが、とにかく小梅をクロッキーしてみる。わりと動かず猫ポーズをとってくれる。
さすが我が子。

どういう画材が描きやすいかいろいろ試す。
結果、インクをつけて描くペンを用いてさらっといくのがいい感じだと分かった。

顔は比較的思うようになるのだが、足のあたりがいい加減なことになっている。
そんなことをやっていたら夜が更けてスズメがちゅん。
朝から天王寺美術館で仕事だったので出掛ける。
今日は11ポーズ固定、是非とも座ポーズを選んでいただきたかったが、立ちに決まった。

午前の部が終わり休憩は、天王寺の植物園のなかでお昼を食べる。
珍しくお弁当を作った、といってもご飯にキャベツとひじきと卵をごま油で炒めて、みりん、醤油、ゴマドレッシングで味付けしてをのせただけの手抜き極まりないものだが、結構おいしい。
もうバラはちらほら。いくつか嗅ぐ。ブルー系と白バラ。

噴水がたくさんある。
おもしろいが、昔から噴水と鯉のぼりは怖いのであまり近付けない。

園内には人に慣れている猫がいる。きれいな茶色のトラ猫がいた。片目だった。

仕事を終え帰宅し、宅配ピザのチラシに誘惑されここに引っ越してから初めて頼んでみた。
食べた結果もっとおいしいマルゲリータが食べたくなった。

そしてまた猫を描く。

梅雨休みの日

2008年06月13日 | Weblog
7月のような晴れで朝からまず洗濯したくなった。
梅雨や怠惰よって放置していたマフラーやストールなど冬物も洗ってやっと片付けることができた。
それでも尚力強い日射しなので、靴箱の靴を全部玄関先の日向に並べて日光消毒。

気が付くと昼。
ダーリン起床。
このところデザインの仕事がお忙しく明け方までパソコン。

彼の実家から頂いた乾麺を茹でてみる。
素麺に似ているがひやむぎともちょっと違う蕎麦くらいの太さの麺。
茹で時間7分。
何かで知ってから採用しているパスタなど茹でる時の裏技がある。
沸いた湯に麺を入れ全部が湯に浸かったところからかき混ぜながら1分、で火を止め蓋をする。
そこから表示の茹で時間マイナス2分、つまり7分なら5分間そのまま置く という方法。
最初半信半疑だったが、パスタでも蕎麦でもこれでちょうどいい具合にあがる。固ければ放置時間をちょっと長くすればいいだけです。なんて省エネ。
パスタの時は麺を入れる前にオリーブ油を大さじ1ほど鍋に垂らしておくと茹で上がった後ひっつかない。

つるんとした麺はおいしかった。
添えてあった竹輪を小梅がほしがる。竹輪はダーリンと梅ちゃんの好物である。安上がりで助かる。

暑い。
わらびもち粉でわらびもちを作る。
わらび粉ではなく甘藷澱粉 でもおいしい。
粉と砂糖と水を火にかけて洗濯のり状に練ってからスプーンですくい冷水に落とすだけ。母から沖縄土産にもらった黒砂糖ときな粉でよりおいしい。

暑い。
3時頃眠気がきて30分ほど昼寝することにした。
小梅もだらたらしている。昨日シャンプーしたのでばらみたいな芳しい猫になった。猫はシャンプーしなくても獣っぽいにおいにならないが、毎日の丹念な毛繕いの賜物か。
小梅を見習って爪先まできれいにケアしていようといつも思う。

窓から風が入ってくると気持ち良い。
目覚めるとアイスがあった。ジャイアントコーン何年降りか。

夕方淀屋橋で仕事。
四時半頃家を出る。

暑い。
日差しが強い。
顔以外の部位に日焼け止めを塗っていなかった。
先日UNIQLOで見付けたUV機能付きのカーディガンを羽織ったので大丈夫だと思っている。

大阪 御堂筋
ビジネスマンは帰宅の足取り。

一働きして私も帰宅。
家に着くのは10時過ぎになる。
京阪の冷房がききすぎて終点から終点まで乗る身には辛い。

貪欲曇天

2008年06月05日 | Weblog
グールドのモーツアルト・ピアノソナタ集 のCDの裏に何か取れないものが染み付いて、音が飛ぶ。
丁度あのスローなトルコ行進曲の途中から。

昨夜はその後の12番の第1楽章が無性に聴きたかったのに全然聴けずもどかしく就寝した。
色んな方法で拭き取れないか試してみたがだめで、それでもなんとか聴きたくて最終手段、除光液で拭いてみたら裏のコーティング部分が剥がれてついに読み込まなくなる。
冷静に考えたら除光液なんか絶対だめだと思ったがもはや後のまつり。
聴けないとなると輪をかけて聴きたい衝動に駆られる。

仕事帰りにレコード屋に立ち寄って同じCDをもう一枚買おうかと思ったが、この際なので4枚組のピアノソナタ全集を購入。
買って即座に聴く為に店を出てすぐに封を切りウォークマンのCDを入れ替える。

ちなみに私はiPodを持っていない。

耳が欲していたものが流れて来た。
そうそう これこれ
時々訪れる通常食欲とは異なった、例えば「今日はどうしてもケンタッキーのビスケットが食べたいんです」というような味覚のわがまま要求と似た衝動。
この種の欲望にはいつもしっかり振り回される。

どんよりした天気につられて頭の奥が地味に痛い。
仕事を終えて家に帰ったが、料理をする気も香りを嗅ぐ気力も減退し、火を使わなくてもできるアボカド丼とかろうじてみそ汁の夕食。

テレビ
いくよくるよが錦市場を歩いている。
チョコレートのコロッケを食べていた。

錦に売っているふわふわの豆乳ドーナツが好きで街に出るとよく食べる。

テレビはあまり積極的に見ないが、ふたりで食事するときは付いている。
昼にやっているテレビが苦手で、いいともとか昼ドラには気が滅入る。

明日金曜ロードショウでナウシカやるって。

どんよりしつつ岡崎京子の漫画が読みたくなって押し入れから引っぱりだした。

郡山 こおりやまって読む

2008年06月01日 | Weblog
奈良の郡山で朝から仕事。
移動中の電車では殆ど意識がないままだったがなんとか寝過ごさず下車。
始めて降りる駅だった。 ハイキングの格好をしたお年寄りが多い。

ローカル味に満ちた商店街を通り公民館へ。

黒ずんだ白壁、全体的に染みの緑色カーペット。古い公共施設のどこかユウウツを誘う暗いにおいがする。
12名ほどの絵画サークル。
油彩を使う方が多く、テレピンのにおいが充満する狭い「美術室」。このにおいは良い。
着替えに使った物置部屋にはドライフラワーやウイスキーボトル、フェイクの葡萄、花瓶などのモチーフ類が雑然と置かれていて埃っぽい。

午前、午後続きの固定だったので無理のない座ポーズ。

午前、4ポーズ終わると一時間の昼休憩があり、皆連れ立って近くにある西友の上の食堂街へ行く。
今日の仕事は昼食付き。
1000円までで好きなものを食べて良いということだった。
和食の店に入り、おばさま方と一緒に「釜飯セット」を注文する。
蛸、穴子、鯛、牡蠣、あと何かもう一種類、釜飯の具をひとつ選べるようになっている。
ちょっと楽しいではないか。

皆蛸だった。
私も蛸だった。

鯛もいいかなと思ったけど。

鯛飯で思い出すのは、去年の春先、伊勢を旅行したこと。
伊勢といってもお伊勢さんやスペイン村でなく、南伊勢町という何もない漁村。
釣り客くらいしか来ないような所らしく、泊まった民宿も他に客はなく、台帳をめくってみても稀に客がある程度だった。
民宿経営より、鯛の養殖で生計を立てているようだ。
向かいの部屋ではそこの息子が自分の部屋のように居座りプレステをしている。
旅の目的は何もなさそうで魚介類の美味しい所だったからうってつけだったのだが、宿に予約の電話をしたときに「ほんとうに何もないところですが大丈夫ですか。」と心配されるような所だ。
確かにその辺を散策して食事しようと思っても、既に廃業した飲食店がほとんどであった。
コンビニなんてなく、酒屋の自販機の前でたむろする中学生くらいの男子にものすごいヨソ者を見る目でにらまれたり。

民宿の夕食に出された鯛飯はすごく旨かった。
既に伊勢海老のバター焼きやら生牡蠣、お刺身を存分にいただいた後だったのに軽く食べてしまえた。

で、今日の釜飯は、蛸の旨みの染みたご飯というより、たこ焼程度の蛸の切り身がトッピングされた炊き込みご飯。
西友だしな。
食堂の天井を見上げるとプラスチックの竹を組み、造花のアイビーを這わせて藤棚のようにした摩訶不思議な装飾。所々南国の鳥もとまっている。
相席したおばさま方は明石の蛸の話題で盛り上がり、昨日らっきょうを漬けましたという話題を持ち込むタイミングを計れず私はにこやかに釜飯セットの小うどんをすすった。

午後は5ポーズ 今日は時間が早く過ぎるように感じる日だった。

公民館を出る。
天気が良い。日に当たるのが気持ちいい。
日傘をうちに忘れて来た。わざと忘れてくるときもある。
日焼けなんぞ気にもせず素肌で海水浴をした小学生の頃は気兼ねなく真っ黒になって、気持ちよかった。と思うと悔しくなったりする。
でも今はやっぱり恐い紫外線。

帰りの近鉄の隣に座った見知らぬおばさんが、かばんを少し開けてこそっりポッキーを食べるところを目撃してしまう。