思いやりのなさよりおこないに糸が来れた。壊れた鏡。花が枯れるのも食べ物が傷むのも、もうどうでもいいと思った30代のはじまり。
去年咲き納めを半値で買った八重の紫陽花。薄いピンクの花だったのを青に咲かせてみたいと、青い紫陽花のための肥料というのをあげて一年梅雨を待った。
5月、グリーンのつぼみが徐々に色づく段階では赤味が強かった。一年くらいじゃ反対色まで変わらないのかと思っていたが、ほころぶにつれて青味が出てきた。五分咲きで赤紫、満開になると紺碧とまではいかなかったが、紫に咲いた。写真は実際より少し青く写っている。
日々の仕事稽古家事。
稽古はほとんど夜なので、夕飯は作り置いている。自分のやりたいことをやっているときこそ仕事にしろ家のことにしろ、生活をする相手に迷惑をかけない責任を持つべきと思っている。隙があれば働く、疲れて帰ろうが翌日のことを考え買い物をする。自分を端から端まで使う。それができないなら、すべきでないと思っている。
稽古のなかった昨夜、昼仕事に出ているうちに休みだった夫が夕飯を作ると言ってくれた。
奈良から帰ってきて買物して料理と思わないだけでもずいぶん気楽になる。帰ったらごはんが出来ている。
5時に仕事を終えて7時に帰るとメールした。どちらにせよ明日の夕飯分の買物はしなくてはならないので、スーパーに寄って帰宅する。
帰るとどうやら買物から帰ったところらしくまだごはんは出来てなかった。茄子を2袋買ってきている。こっちも茄子を買ってきてしまった。
夫は挽き肉を炒めている。にんにくと生姜とネギを刻み、花椒を擦るのを手伝う。
麻婆茄子らしい。
見つけたレシピに忠実な調味料が全部買い揃えられている。甜麺醤は味噌と砂糖でどうにかなるし、辣油は食べるラー油があるし、鶏ガラスープの素はうちにあるウェイパーでもいける、案外なくてもいける、あるもので代価可、と思う主婦的感覚からすると必須外調味料に食費が消えたが、ちゃんと作ろうとしてくれているわけで、結果的に麻婆茄子は美味しかった 。
余った茄子はひと袋は焼き浸し、もうひと袋は多めの油で炒めて冷凍する。味噌汁に入れたり、炒めもの、トマトソースに入れれば茄子トマトのパスタになる便利なストック。
数日前の予報では、６月頭から連日雨曇りだったけれど、一昨日なぜか予報は一転晴れ続きになっている。
かぼちゃジュースを飲んで冷凍してあった食パンをトーストし、そのあいだに卵をゆるいスクランブルにする。パンにケチャップとマヨネーズとマスタードを塗って卵をのせる。
ばらは一段落、山紫陽花の伊予しぐれが青みを増している。
自転車で出町柳、京阪で京橋、環状線で森ノ宮。
なんとなく下腹部が張った感じがあったのでトイレに入るとやはりそうだった。ルナルナの生理日予測より６日早い。
いつもアトリエに着くまでの道にある玉出でマウントレーニアのカフェラテを買い（コンビニより５０円くらい安い）ローカルなパン屋さんで１個８５円のフランスあんパンを買うコースだが、そういう気分じゃなく自販機でキレートレモンを買った。
いつもと同じように仕事をしていたが、３ポーズ目の終わりになんだかまぶたが重くなった。よく寝たので寝不足ではないし、なんだろうと思っていたら、耳の下のリンパのあたりを圧迫してくる感じと口の中に薄い酸味が起こってきて、頭の血液が引いていく。まずい貧血と思って、タイマーをみたらあと２分だった。ちょっと早いですがすみませんと言ってトイレにかけこんだ。大魔王がきた。生理痛大魔王。年に何度かお目見えする。仕事の最中にあらわれたのは２度目。貧血と生理痛がタッグを組んで押し寄せてくる腹痛と吐き気の応酬。体に排出ボタンがあるとしたらそれが過剰に押されている感じがする。明らかに加減を間違っていると思う。どうしてこんなことになるのだろう。とにかく体のなかのものを出し切るまで薬も飲めないしどうすることも出来ない。吐くのは２度程で収まるが、腹痛がひどい。３０分は立ち上がれなくなりトイレでただ耐える廃人と化す。
ずっと生理痛は軽い方だったけれど、年々特にここ１、２年で制御不可能な状態になることが出て来た。
この日のポーズは3回でいいから休みなさいと寝る場所をつくってもらい、描かれている方に申し訳ないと思いながら、さすがに続きをするのは難しかった。前に別の仕事場で同じことになったときはなんとか最後までポーズをやりおえた。自分の体調で仕事を最後まで出来なかったのは１２年間モデルをしていてはじめてのことだった。悔しかった。アトリエにいつからあるのかわからないほこりっぽい毛布は安心するにおいがした。モデル代を半額返そうとしたがいいよと言われた。
波が去ると少し体がふわふわするが動けるようになるので、自力で帰る。駅前のドラッグストアで一日分の鉄が取れるクッキーを買って食べた。