夫福井から戻る。福井駅で江川の水ようかんを買おうとしたが並んでいたのでやめたらしい。かわりに京都駅でtawawaの丸ごとかぼちゃをくりぬいたかぼちゃプリンを買ってきてくれた。自分用にはいちごクリームのモンブラン。夫は苺菓子が好きだ。たぶん本物の苺より。
久々にみた夢。真ん中の妹と海外旅行に来ている。街並みはパリを基本としているが、少し歩くとアウシュビッツ強制収容所のだだっ広い原っぱと整列したバラックの風景につながっていたり、路地に入ると韓国になって、通貨はウォンに両替した。
ガラスのショーウィンドウに並ぶ大きなバゲットサンドを売っているのはフランス人だ。ウォンでいけるかなと言いながらサンドイッチのひとつを指差しお金を渡すと買うことができた。今まで行ったことのある外国がコラージュされた外国だった。歩きながらサンドイッチにかじりつき、たのしいなと思った。
いよかんを剥く。いよかんがなくなればはっさくを買いはっさくがなくなればいよかんを買うこの時期。そして時折苺。
午後から大阪で仕事。
仕事着を薄手のワンピースに替えることにする。ワンピースというか正式名称あっぱっぱ。
京都駅は混んでいる。大阪方面行きも混んでいる。
以前朝の仕事で、慣れないラッシュのJRに乗って神戸へ向かう途中で気分が悪いような気がする、人と電車に酔ったかなと思っていた。高槻が過ぎたあたりでいやこれは貧血だと自覚した。吐き気と腹痛が一気に来て、立ってられなくなったのでしゃがみ込んだ。横に立っていた女性が大丈夫ですかと声をかけてくれたが誰も席を立ってはくれず、うずくまったまま新快速が次に止まる新大阪までさほど遠くはないはずだ、とりあえずそこで降りようと耐えながらあんなにも車内アナウンスを待ち焦がれことはなかった。
それ以来新大阪のアナウンスを聞くとささやかな解放感を伴うようになった。
電車の窓から見る桜。満開は近い。
桜橋口から地下道をいく途中に好きなパン屋がある。ここのフランス生地のクルミぱんを通るときは必ず買う。朝は焼きたてのときもある。夫はPAULのクロワッサンが好きなので阪神百貨店の地下にも寄ってクロワッサンをひとつ買う。明日の朝でもトースターで温めなおせば焼きたてのようになる。と思ったのに翌日焼き直さないまま食べたらしい。
ウォン・カーウァイの『恋する惑星』を見た。トニー・レオンに恋するフェイ・ウォンが彼の部屋の水槽に勝手に入れるための金魚を飼ってきた。綿菓子の袋のように空気をパンパンに入れて膨らませたビニール袋の4分の1くらいに水が張られ袋の底を金魚が泳いでいる。お祭りですくう以外に金魚を買いに行った記憶があることをふと思い出した。
実家の庭には池があった。大じいちゃんが掘って作った池らしい。そんなに広くはないので大きくても2、30センチの鯉が泳げる程度の池だった。お祭りの金魚でも時々大きく育ち、何年も生きたのもいた。冬になるとサギが庭に舞い降りて鯉を狙いにきた。縁側のガラス戸越しに見るサギは鴨川の河川敷から見るよりずいぶん大きく、きっぱりとして切れ味のよい白い姿をしていた。冬の庭に前触れもなく降り立つ姿はなにか神聖なものをみたような気にさせる。夏場は水をいれてやらないと水位が下がったが、少し湧いてもいるらしかった。隣にあった近畿電気が大きな立て替え工事をしたときに地下を掘った。そのとき水質が変わってしまったようで、流れ込んだ水のせいで一度皆死んでしまった。それから水をすべて抜き、父は水が湧いていたところをセメントで塞いだ。そして鯉を買いにいこうと鴨川沿いにある鯉屋にいった。ホテルの日本庭園に泳いでいるようなのから稚魚まで、いけすは大きさ別に仕切られて錦鯉がたくさん泳いでいる。金や銀やまだら模様のうごめき。上から見て赤と白と黒のバランスがいいやつは高いやつと教わった。鯉だけでなくお祭り用の金魚やらんちゅうなども売っていた。10センチくらいの鯉を選ぶ。どれがいいか選んで店のおじさんにすくってもらう。父が何種類か、私は金色の鯉を選んだ。あと、尾びれがオーガンジーのように透けて長いコメットというのも買った。選んだ鯉たちは袋に入れられ、空気入れで酸素を満たして渡される。買って帰っていきなり池には放さず、数時間袋のまま池につけて水温を近づける。いきなり慣れない水に放すとショックで死んでしまうことがあるそうだ。ころあいをみて池に放す。この瞬間を見るのが好きだった。ここはどこだろうとさぐりさぐり泳ぎだし、奥にある岩の影に隠れたり、ものすごいスピードで泳いだり、うちの水に慣れて落ち着くまでを見ているのが。最初は人影が見えると隠れたりしていたが、そのうち陸に上がってきそうな程口をぱくぱくさせて寄ってくるようになる。元気に育つのもいれば数日で弱ってしまうのもいた。私が選んだ金はその後よく生きて、丸々になり池のボスになった。機敏なのとおっとりしたの、鯉にも性格があるようだった。
現在池には何もいない。少し前まで亀が一匹いたが春が来ても姿を見せず、いなくなってしまった。ほっておくと蚊になるボーフラを柄杓ですくって庭にまき、妹は退治していた。
もし家を建てることなんて一生のうちにあれば、小さい池がほしい。 ここに現時点での庭プランを記す。
池にいるのは赤金。地面はニオイタチツボスミレで地面で覆われ、まだつめたい春のうちはむらさきの地面になる。それとすずらん。椿は乙女椿か十八学士とか千重咲きのものと、五月姫とか紺侘助のような濃くて小さい赤のもの。梅や桜は植えない。外でたくさん見るのでいい。桜が終わってから黄色いモッコウバラをもこもこに咲かせる。これは夫が好きというから。6月あまりたくさんさかせるとこわくなるので行灯仕立てに留めたトケイソウ。濃い紫の鉄線。バラは厳選した品種を5つくらいまで。携帯に保存されているほしいバラリストはその数をとっくに超えているけれど選ぶ。赤や黄色の強いものでなくモーブ、ベージュ、アプリコットくらいの色味。芳香は強いもの。紫陽花はいまうちにある、去年花が終わりつつあって半額で売られていたのを買ってきた八重咲きの。ピンクの花だったが今年は青で咲かせたいので青い紫陽花の肥料というのをあげてみている。あとミヤマ八重紫、伊予星屑。このふたつはこの前園芸店で見かけた。前から近所の庭で見かけてこの紫陽花いいなあと思ってた真ん中が濃い青でまわりの花が白いのガクアジサイは多分清少納言という品種だ。盛夏は緑でいい。秋は銀木犀と秋のバラ、紫式部。菊の魅力にはまだ触れていない。果樹はいよかんかはっさくの木とイチジク。
和花と洋花が混在しているが、開花時期がずれるのできっと大丈夫だろう。という夢想。