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流出雑記 

2007/7/31

2009年07月31日 | Weblog
昨日に引き続き、母校の高校にて中学生向け体験学習人物を描くクラスのモデル。
家を出しなに何やら新しく買ったレンズを装着したカメラで写真を撮りたいダーリンに玄関で小梅と一緒に写してもらう。
今日は夏らしい日差し。

体験学習は2日間の日程で今日は昨日と違う中学生が来ている。
約十年前、私も緊張しながら体験学習に来た。
その時はステンシルでTシャツに好きな模様をつける実習で、なぜか左胸にコンセントボックス、裾の方からコンセントが伸びているデザインにした。
なんとかデッサンと着彩の適性検査に合格し、この高校に入る事が出来たが、周りの同級生たちの絵のうまさやセンスのよさを知ってから私はアイデンティティの確立に必死だった。妙な劣等感を3年間引きずってしまい、そのために人と関わるのを自分で不自由にしてしまったところがある。勿体ないことをしていた。


今日のお昼はコンビニのサンドイッチとかぼちゃスープ。

午後から4ポーズ。今日もやはり時間が足りず学生たちの絵は仕上がらなかった。

学校を出たのは4時前、まだ日差しが鋭い。日傘をさすがあまり役立ってないように思う。
スーパーでサーモン、きゅうり、とうふなど買う。

夕飯はアボカド丼。
ご飯を固めに炊いて酢飯にする。塩揉みして水気を切ったきゅうり、ごま昆布を冷めた酢飯に混ぜる。アボカド、サーモンをわさび醤油で和えてマヨネーズを少し、海苔をちらして混ぜて食べる。おいしい。

2007/7/30

2009年07月30日 | Weblog
10時半から母校の美術高校で仕事。
中学生向け夏の体験入学、人物を描くクラスのモデル。出来るだけ色柄のハッキリしたワンピースで来てほしいということで、去年も同じ内容の仕事で着たのと同じワンピースで行く事にした。描きやすそうなものが他に思い当たらないのだ。
自転車で学校へ。
校内には水色のTシャツを学生スタッフ、父兄、いろんな制服の中学生。
染織科の実習室がモデル控え室となっていた。
織り機や糸車、実習で作った藍染めの布などが吊ってある。
着替えをすませると別の教室でポーズするモデルさんが入って来た。去年も一緒だった。彼女も去年と同じ紫のエスニック風ワンピースだった。

時間になりそれぞれ教室へ。10人ほどの中学生がイーゼルを立てて並ぶ。男の子は一人だけ。
はじめてモデルを描くという初々しい空気がポーズしている方にもくすぐったい様な感じで、中学生たちはそれぞれ遠慮がちに線を引いていく。それをぼんやり視界に入れつつ皆、着ている制服は洗濯してもらってお弁当も作ってもらってるのかあと思う。

母のお弁当にはよくかまぼこを2ミリくらいの厚さに切って、それを何枚かうまく巻いて爪楊枝に刺して作った薔薇が入っていたのを思い出していた。友達はそれを見てすごいと言っていたが、私はもう見慣れてしまって特に感慨もなく一口で食べていた。卵焼きにはのりが巻き込んであった。冷凍の春巻きが入っているとうれしかった。デザートに蒟蒻畑のぶどう味がよく入っていた。作ってもらっているのに持って帰ってきた弁当箱を自分で洗わず怒られた。

12時過ぎに昼休憩。
教室を出ると学生の頃お世話になった数人の先生とすれ違う。「あ今日モデル?ご苦労様~」。学生だった頃まさかこんな仕事をすることになるとは思わなかったな
と当時のままの軋む廊下を歩いた。

ゼスト御池のパン屋に行く。
好物のモルトくるみパンは焼きたてでほの温い。それと鮮やかな緑色の抹茶スコーン。
イートインには昼時で買い物ついでの主婦やサラリーマン。サラリーマンは大体食べるのが早い。座ってクリームパンをかじったと思ったらアイスコーヒーを一気に吸い上げ5分足らずで席を立つ人もいた。
くるみパンを食べ終えスコーンは食べきれず半分、袋をもらって持って買える。
ゼストの中の雑貨屋セール中の雑貨屋を覗く。猫のピアスがあった。しばらく悩んだが買わなかった。

1時半から午後の部。
中に私が中学の時に着ていた制服と同じのを着ている子がいるのに気がついた。
休憩中、ネームプレートをみるとやはり出身中学の名前が書かれていたので私も同じ中学の卒業生ですと話しかけてみた。
小柄でショートカットでこんがり日焼けしている。私もそんなだった。ソフトテニス部でその頃は日焼けなんてむしろ練習量が染み付いたお守りのように思えた。
今は欠かさず日焼け止めを塗り美容液を塗りビタミンCをとる。そんなふうに自分を甲斐甲斐しく世話するのもたのしくはあるが。

午前午後あわせて8ポーズ。水彩で色を付ける所までなんとかたどり着いたが、皆完成には至らず。もう2ポーズくらいしたい気持ちだった。

終わって学校を出る。

帰ってとにかくしたかった洗濯を、思いっきりする。






2009/7/28

2009年07月29日 | Weblog
10時から大阪、交野市で仕事。
小梅、昨日の晩ご飯をほとんど残している。ドライフードと缶詰めを混ぜてあげたがお気に召さなかったらしい。お残しを捨てて器を洗い新しいフードと御水を差し上げる。
ゴミをだし家を出る。

雲り時々水滴が顔にあたる程度の降っていると呼べない雨。
プールの用意を提げて歩く小学生たち。
曇りの日のプールなんてふやけた気持ちになる。夏休みのプールはカンカンに晴れてこそと思う。

出町柳から京阪、その前に柳月堂でくるみパンを買う。このおいしさで90円は申し訳ない。

交野で降りる。
日曜の続き、2時間4ポーズ着衣固定。
立派なかたちの耳だと言われる。

終わって出町柳に戻り近くのニックへ。小さい観葉植物と玄関の魚柳梅植え替え用の鉢を買う。
鉢を持って植物コーナーを歩いていたら向かいから長身の男性。psy氏だった。先日も出町付近で遭遇した。よく会うねえといいながら、psy氏は何か舞台の音響に使う太い筒を探しているそうで、なかなか見つからないらしい。
植物を見ながらいいなあと思っていたそうだ。

psy氏と別れてドラッグストア、スーパーなどを巡り、石けん、チューブのにんにく、豚ロース、キウイ、ごま昆布など買って帰宅。
疲れてしばらく横になる。

30分ほどして復活し、魚柳梅を植え替える。
買った時は10センチ程の苗だったが、今は50センチのちょっとした木に成長。植え替えも3度目。梅の様な小さい花を咲かせるので小梅の木と思っている。

押し入れの「着て途中の服入れ」のカゴの中の底に放置されていた冬物とジーンズ洗濯。ジーンズは裏返して色落ちを防ぎます。

ダーリンは教習所で帰ってくるのが遅い。
お腹が空いて戸棚を探すと、ずっと前に買ったココナッツジンジャーヌードルというタイのインスタント食品が出てきた。紙で出来た容器に入っていて電子レンジで調理する。賞味期限が今年の5月頃だったが内容物のスープの素も麺も乾燥しているし、開封しても特に問題なさそうだったので作ってみた。紙の容器に水を入れ、スープの素とココナッツパウダーとビーフンを入れてふたをして電子レンジで3分。開けてかき混ぜてさらに1分。
水分でビーフンが戻り、タイカレーのようなソースが絡んだものが出来た。思ったよりおいしい。

8時半頃ダーリン帰宅。「揚げずにとんかつ」という優れた調味料でとんかつを作る。 
用意をし終えると眠気がやって来て2階のベッドに倒れる。
目覚めると朝の9時だった。化粧落とさず女子的失態。


2007/7/27

2009年07月27日 | Weblog
昨夜1時前に寝たので早く目が覚める。8時。
朝5時頃に帰って来たダーリン起こす。自動車免許取得中の彼は教習所で9時から授業。
見送ってよく冷えたプルーンとヨーグルトを食べながら朝刊をぱらぱらと見る。

しばらくしてから思い描いていたローズベースの調香を始めた。
runaroseというタイトルが浮かんでいる。まずバラの骨格を組み立てる。そこからもう少し甘さを押さえたい、冷たさがほしい、華やかさがほしい、スパイスがほしい…と1滴足す毎に出てくる鼻の要求に応えて、できるだけイメージに近づけるように香料を足していく。
昼前に一先ず落ち着くかたちになり、鼻もボケてきたので手をとめる。
掃除機をかけて玄米フレークを食べる。最近こればっかり食べているが飽きない。
1時過ぎダーリン帰宅。キャベツとキムチとチャンジャの焼きそばを作る。

午後、詩仙堂と圓光寺に行く。
どちらも近所なのに行った事なかった。これからの時期暑くなると行く意欲を失いそうなので、平日で休みで用のない今日この日。
自転車で10分ほど。
詩仙堂の門構えのひっそりとした感じがいい。庭の風景は蝉の声。床の間にさりげなくあった桔梗の青が目の中に残っている。
圓光寺は誰もいなかったので、水琴窟の透明な音を独り占めできた。
縁側のある家に住みたいと思った。あと苔のような色の絨毯がほしい。

帰りにビデオ屋で映画を3本借り、スーパーで鯵のおさしみとトマト、キュウリ、牛乳、しょうがなど買って帰ろうとしたら夕立ち。
傘も何もないので何も降っていないかのように雨を浴びて帰った。

以前豆腐料理屋で食べた、ものすごくおいしいおぼろ豆腐があった。
濃厚な豆乳を葛粉でかためていると思われ、家でも真似しようと試みた。
豆腐屋さんの豆乳と、葛粉は高いので試しにゼラチンでゆるくかためてみた。それでもかなり上出来。







2009/7/26

2009年07月26日 | Weblog
2時前就寝、5時頃目が覚めた。網戸にしている窓から蝉の声が入ってくる。昼間にジャワジャワ鳴いてるやつじゃなくて、澄んだ高い音でシャワーのように気持ち良く浴びられる。時々さらに高い鳥の声もまざる。
トイレに降りると、居間で27時間テレビを見てカップラーメンを食べる夏休みらしい姿のダーリン。
ベッドに戻って7時にアラームで目覚める。
身支度をし8時過ぎ家を出る。雨の降る様子はないが朝刊によると午後から降水確率100%らしい。
自転車で出町柳まで行き京阪に乗る。
寝過ごしそうなので乗り換え駅に着く時刻に携帯のアラームをセットして握り締め安心して朦朧とする。
私は電車の中で上を向いて口を開けて寝てしまう。あまりの無様さにダーリンと一緒に電車に乗っているとき、周りの人にクスクス笑われてるから本当に気を付けるようにと怒られる。5年経っても改まらない場合リコンだと言われた。

枚方市で無事乗り換え交野というところで降りる。
コンビニで缶コーヒーを買い、駅から歩いてすぐの公民館へ向かう。
公民館の敷地内にいた網とカゴを携えた虫取り少年、すれ違いざま独り言のように「とれすぎたわ」と誇らしげに虫カゴをかかげた。 プラスチックのカゴの中には十匹くらいの蝉がぎちぎちに詰まっており、ジッ!といってはプラスチックの壁に激突する。
直視できなかった。

公民館の中は公共施設らしい陰気臭い明かりとにおい。
2時間着衣4ポーズ固定。
眠気を心配していたが意識は冴えつつぼーっとして、いい具合にカラの心境でいた。

最近、休憩中に安部公房の『他人の顔』を読んでいる。
『砂の女』を読んだときもそうだったが、安部公房の小説を読んでいるとじんわりまといつく触感のような不気味なものが肌に重なり、皮膚呼吸が困難になる感じがある。

4ポーズ終え京都に戻る。雨はまだ降っていない。
出町柳の柳月堂でくるみパンを買うことを朝から心に決めていた。
トレイとパンをはさむのを取り、カチカチさせながらいつものくるみパンの場所に行くが、ない。狭い店内を一回りしてみたがやはりない。レジの人に聞いてみると売り切れだという。
がっかりした勢いで店を出てしまい、向かいのコンビニでヤマザキランチパックのたまごサラダを買い2分で完食。


生のプルーン等を買って雨が降る前に帰宅。

ところで、音楽をダウンロードして買う方法を昨日教わった。
ヌーヴェルシャンソンと呼ばれるジャンルのものが好きなのだが、一番好きなアーティストから芋づる式に近いテイストの音楽に出会えるのでおもしろくて飽きずにひたすら試聴しフィーリング買いしてしまう。

2009/7/25

2009年07月25日 | Weblog
10時過ぎに目覚める。
今日の予報は雨だがまだ降っていない。
昨日の昼過ぎに干したままのマフラーやストール、手袋などの冬小物、取り入れなければと寝返りをうって起き上がる準備をしていると物干のトタン屋根からパタパタと雨音。飛び起きて、寝起きとは思えない迅速さで洗濯物を取り込んだ。
それから数分後土砂降りになった。

午後から岡崎のあたりで仕事がある。家を出るまでに止んでくれると良いが、ニュースでは、昨夜九州地方で大雨、雨雲は北上していると言うのでそれが今上空にあるのだろう。
自家製ヨーグルトにハチミツをたらす。最近毎朝これを食べている。
母方の祖母が健康食品の友の会で買うらしい良いハチミツをくれたのだが、瓶入りで内容量2.4キロ。受けとった時は全部使うのに数年かかるのではないかと困ったが、毎日使っていると案外減っていくものだ。しっかりとした風味のあるトチのハチミツ。
ミツバチがなぜかあまり働かなくなっているそうで、ハチミツの収穫量は減少傾向にあるらしい。
なみなみと瓶の中で光る琥珀色を見ていると申し訳ない気持ちになると同時に女王の贅沢さだと思いながらヨーグルトを食べる。それと玄米フレーク。暑くなってくると火を使わないでいいものばかり食べてしまう。

雨は時々弱まるがすぐにまたバケツをひっくり返したように降る。
家を出る時間になってもその調子。白川通りからバス一本で行ける場所なのだが、バスは遅れる事があるので怖いのと、エアコンのカビ臭いにおいとゴムのにおいと人の熱気の混ざった窓の曇った雨の日のバスが嫌いなので濡れるのは覚悟で自転車で強行。
鞄をクリーニング屋でもらった大きいナイロン袋に包み、自転車に傘を装着、私はあずき色のカッパを着て出発。
雨粒が傘に叩き付けられる。横を通った軽トラに水をはねかけられ、右側のズボンがびしょびしょになる。どこかから跳ね返ってくる水で傘をさしているのに頭と顔に水がかかる。カッパのフードを被るのを忘れていたので被ろうと右手でフードを持ち上げたら内側に水が溜まっていてそのまま浴びるかたちになる。
晴れている時なら20分ほどで着くところ、今日は30分かかって到着。
ポーズ開始より時間にずいぶん余裕があった。
びしょびしょになった服を脱いでワンピースに着替えて一息。
顔見知りの方が服を乾かしたらと、絞れるほど濡れたズボンをイーゼルに引っ掛けて扇風機を回してくれた。霧の中にぼんやりと見える様な人物を描く人で、何度かグループ展を見せてもらったが、はっきりと描かれた人物画より人を描いているように見えた。展覧会の時には必ず奥さんの絵を一枚飾る約束だそうで、アトリエには描きかけの奥さんの絵があった。紫の紫陽花のような色合いだった。

時間になりポーズ開始。このアトリエは自然光で描けるように設計されている。外から見えないように模様の入った古いガラスから入る自然光の肌ざわりは柔らかい。建物自体も古く、黒っぽくなった木の床のあちこちに絵の具が散っていて、油絵の具のにおいが染み付いている。
雨の日に描きに来てくれた人たちの為に出来るだけいろんなバリエーションのポーズを。3時間クロッキー。
終わった頃にはズボンもすっかり乾いて雨も上がっていた。

帰りにスーパーに寄る。献立を考えるのが面倒になり鯵フライ1匹80円を買って帰る。
腕と肩で体を支えるポーズを幾つかしたので詰まっている。クナイプの入浴剤も買う。
帰って、家にあったジャガイモを3つ、皮を剥いて無水鍋で柔らかくする。途中でキャベツもひと掴み投入し、火を止める直前にみじん切り玉ねぎも加える。
熱いうちに塩こしょう、酢を少々。冷めたらマヨネーズと明太子一房細かくして混ぜる。ポテトサラダ。


韓国旅行記 母

2009年07月15日 | Weblog
韓国滞在最終日。昨日一日雨は降り続いたが今日は曇り。
正午過ぎの飛行機で帰国する。
9時に初日に案内してくれた女性がホテルまで迎えに来てくれることになっていたので出歩く時間はあまりなかったがホテルの周辺をぶらっと歩きコンビニでサンドイッチを買った。デパートの地下食料品コーナーでもよく見かけた、クッキー状の生地を乗せて焼いたメロンパンの親戚のようなパンがあったのでそれも買ってみる。
小型のバスで空港へ向かう。
車には我々の他に学生女子2人組が2組。
途中停車しお土産屋に寄る。
値段はすべて¥で表示。
かぼちゃ飴というのを見付けた、300円。
スープ付きの冷麺2袋で1000円。

10時半金浦空港着。 案内をしてくれた女性にお礼を言い別れる。
カフェでお茶しながら朝買ったパンをかじりなんでもないようなことを話して過ごす。かぼちゃ飴はまずい。
免税店の袋を傍らにうどんをすする日本人、韓国から日本に旅行するらしい欧米人はエヴィアンを買う。
妹が、韓国には化粧品店が多いが、街ですれ違う韓国の女性たちはみんな薄化粧だったと言う。確かに、人によって多少違うが基本的に眉は濃くかかれていて、目元もマスカラを塗りかさねたりしないさっぱりした顔をしていた。
眉がしっかりしていると意志の強い顔に見える。
日本では最近眉を薄くかくのが普通になっているのでよりそう見える。
国民性ということをおぼろげに考えた。
韓国の人たちは日本人相手の接客中、上手だが少しイントネーションや接続語の妙な日本語で話しかけてくれるので愛嬌を感じてしまうが、ぱっと振り返り同僚と韓国語で話すとき、突然声の印象と言葉の強さが変わるので驚く。
韓国語は日本語と比べると音として鋭いし、息を強く吐いているように聞こえる。
語尾に「ッ」という音の言葉があることからも、日本語を話すよりエネルギーを要するだろうと思う。
3日間見たソウルの街やこの国の辛い食べ物のパワフルさとそういうことがなんとなく結びつくように感じた。

私は日本で育って身に付いた、言語、考え方、作法その他、をベースとしてものを見ている。あたりまえだが。選択した訳ではないが肌に馴染んだ日本。良い悪いというのでなく私の要素として日本人ということは頑なにあり続けるのだろう。
よその国に行くと母国の輪郭を感じる。
飛行機の隣の座席で寝ているのは私を産んだ人物で母という。
母とつくものは選択できるものでなく、いつもすで与えられているものなのか、でも母校は選べるな、などと思っていたら関空に着いた。





韓国旅行記 雨

2009年07月14日 | Weblog
韓国2日目
8時半頃目覚める。朝から雨。

晴れていたらお粥を食べに行って、南大門市場を散策する予定だったが、外に出てみて思いの外強く降る雨に足止めされ思うように出歩けない。
小雨になるのをちょっと待とうと近くのカフェに入る。
母と私はホットのカフェオレ。妹はモカフラペチーノのようなものを注文したが、それもやはりチョコソースは妙な風味。
雨は強まったり弱まったりするが止む気配なし。
お腹が空いたのでクリームの乗った分厚いメープルトーストもひとつ頼んだ。

排水設備が悪いのか車道は川のようになっている。
この雨では露店の並ぶ南大門散策は難しいだろうと、濡れないで動けるように考えた結果しばらく地下街を散策することになった。
地下街は大阪の問屋街のような雰囲気で服や下着、高麗人参、土産物、雑貨、革製品、様々な専門店が並んでいておもしろい。
和紙製ランプの専門店があった。シェードだけでなく、台座も茶色い和紙で木製のような質感に作られていて発光するキノコのような、オブジェとしておもしろいものをたくさん置いている。
小さいもので5000yen程度。ちょっと悩んだがすぐには購入に踏み切れず。

ゴブラン織りの生地にビーズ刺繍をあしらった鞄を見つけた。ベージュやワインレッドを中心に落ち着いた色。
約3000yenと破格でそこからさらにまけてくれた。母はそれを買って荷物をその鞄に入れ替えた。

だいたいどこでも日本語が通じるので怠惰な旅行客でいてしまう。

朝食にお粥の専門店でかぼちゃ粥やアワビ粥を食べたかったが、さっきカフェで食べたトーストが空腹を満たしてしまった。

1時頃昼食におすすめと教えてもらった焼肉屋に行く。店に電話して現在地を伝えると車で迎えに来てくれるそうなので公衆電話を探すがなかなか見当たらない。百貨店の隅の方をうろついていると、韓国人女性が話しかけてくれて、テレフォンと言うと彼女の携帯電話をかしてくれた。
ほんとうにご親切ありがとうございます助かりましたという表情を最大限に表しカムサハムニダと言う。
車の止めやすい近くのロッテホテルの前に迎えにきてくれることになった。
ホテルの前には次々と高級車が横付けする。ホテルの従業員がすかさず傘をさして出迎える。
ばらくして紺色のワゴン車が止まり、「マスダサーン」と呼んだ。

車で10分ほどで店に着く。日本人客がビビンパを食べながらビールを飲んで陽気になっていたり、若いカップルは食べ放題でもう食べられないとへたっていたり。

サンギョッサルという豚肉の焼肉2人前と海鮮チヂミ、石焼きビビンパを頼む。
焼肉には7種類くらいのナムルとサンチュ、えごまの葉、唐辛子味噌がついてきて、好きなものと肉を包んで食べる。
ここのチヂミは今まで食べた中でいちばんおいしかった。
ビビンパが来る前にお腹がいっぱいになってしまったが、なぜかビビンパはオーダーが通っていなかった。
サービスでデザートにスイカが一切れ。

焼肉屋のすぐそばにこれもまたおすすめと教えてもら行った土産物屋があり、そこへ行く。
韓国海苔、キムチ、チャンジャ、柚子茶、チョコレートなど一通り試食させてくれて、この海苔は天然ものでおいしいとか説明してくれる。
店のお兄さんはどうも高麗人参を売りたいらしかった。
高麗人参カプセル3本セットで高麗人参ドリンクやいろんな味の海苔、唐辛子などおもしろいほどおまけを付けてくれようとする。
母と妹は同僚に配るため小分けの韓国海苔を大量に買った。
私は自分の家用のキムチとチャンジャと海苔のふりかけのみ。
買ったものは夜ホテルに届けてくれる。

尚も雨は強く降り、その後は行き先に困りしばらく考えた。
東大門へ行ってみようとタクシーをひろう。
韓国はタクシーが安く、日本の半額くらいで乗れる。

東大門の斗山タワーという8階建てのファッションビルは中に約2000店舗入っていて、朝5時まで営業している。
韓国の若手デザイナーのショップが多く、その中の「グランドマザー」というブランドの服に一目惚れして一着買った。
それにしてもかなり凝ったデザインのものでも1万円以下で買えるし、目に留まるものが多いので自制心を失うとまずいと思う。
妹はワンピース、母はサングラスを買っていた。

夕飯は南大門のどこかでとろうと言っていたのだが、外に出るのが億劫になるほど雨が強いので斗山タワー内のフードコートに行く。
韓国料理、和食、イタリアン、ファーストフード…なんでもある。

トッポギが食べたかったのでメニューの写真を見てそれらしきものを頼む。
それと、韓国の海苔巻きキンパッ、何か辛そうな麺。
レジで番号の印刷された紙をもらう。料理ができると電光掲示板にその番号が出るようになっていて、10分ほどで番号が表示された。
取りに行くと、トッポギだと思って注文したものはソーセージのようなものとインスタントラーメンと野菜を辛いソースで炒め合わせたものだった。写真ではソーセージがトッポギに見えたのだ。
仕方ないのでソーセージをかじった。しかしソーセージにはない弾力が顎にかえってきた。肉ではない。しかもその中からほのかに甘いペースト状のものが出てきた。最初はチーズかと思ったがチーズでもない。辛いソースに邪魔されてそれが何か判別するのに時間がかかったがよく味わうとさつまいもだった。
おそらく外側の弾力のある部分はトッポギと同じ米粉で作られた餅的なもので、その中にさつまいもペーストが入っていて、ソースの辛さをさつまいもの甘さが緩和するというような狙いのものなのだと思う。
味わった事のない意外なものとの遭遇であった。
いちばんおいしかったのはキンパッ。

食事を終えてタクシーでホテルに帰る。
入浴後、母と妹に全身マッサージサービスをする。ふたりとも12時前に寝てしまった。








韓国旅行記 擦

2009年07月13日 | Weblog
夕食後、雨が降って来たがしばらく散策して、予約してもらった汗蒸幕の店に行く。
サウナ、垢擦り、マッサージ、などの基本コース。
着替えて出てくると、昼間に案内をしてもらった女性も来ていた。
店は若い日本人客で少し混んでいたが、彼女が口をきいてくれたらしく待っている客より先に通してくれた。
ドーム型のサウナの中は木のにおいがする。麻の袋を頭からかぶって中に入る。入った瞬間銭湯のサウナより暑いので、もたないかも知れないと思ったが、麻袋をかぶっていると熱気が顔にはこないのでしばらく耐えられた。
この店では朝、杉の木を燃やしてサウナ内を温める本来の汗蒸幕の方法でやっているのでここにきてほしかったと彼女は言う。消防法などの問題があり、この方法で営業するのはいろいろと大変なので最近出来たような店は電気を使っているところがほとんどらしい。
昔、釜で木を焼いて炭を作っていた職人は日々暑い釜を出入りして汗をかいていたが肌がとてもきれいで、それを見て汗をかくことは体に良いと気付いた宮廷の役人が皇帝の為に考案したのが汗蒸幕だそう。
そんな話しに相づちを打っているあいだに麻の下で汗がだらだら流れていた。
数分して外に出て水を飲む。
その後さっきより温度の低い部屋でしばらく横になる。低いといっても夏の炎天下の車の中程度に暑い。
何度か動悸で視界が揺れてうっかりすると意識がとびそうになった。
かなりの汗をかいた。シャワーを浴びてお風呂につかる。人参湯、黄土湯、ヨモギ湯、ゲルマニウム湯などいろんな薬湯があってうれしい。
そして私は初体験の垢擦り。母と妹は実家の近所の大型銭湯で何度かやってもらったそう。どちらかというと肌の弱い妹は本場ではかなりごしごしされるのではないかと怯えていた。
垢擦りの部屋に行くと黒いブラジャーとホットパンツの力強そうなおばさんが待ち構えている。
「ウツブセニナッテ~」といわれ、お願いしますと台の上に寝転ぶ。
痛いのではないかと思っていたが案外平気で、ぼろぼろと古い表皮が落ちていく感じはなかなか気持ちのよいものだった。
それにしても蒸し暑い浴室で次から次にやってくる客を擦り続けるこの仕事は相当な体力を要すると思われる。赤いパワフルな韓国の食事とおばさんたちが結びついた。
摩擦したあとはオイルで軽くマッサージされ、顔は擦りおろした胡瓜でパックされ、シャンプーもしてもらって基本コース終了。全行程1時間30分程度。妹も肌は平気だったらしい。
外は本降りの雨。ホテルまでワゴン車で送ってくれる。

ホテルの向かいにはファミリーマートがあった。
見慣れない品揃えの中から瓶のあずき豆乳というのを買った。母はバナナジュース、妹はカフェモカ。
カフェモカには妙な風味があった。チョコレートの油脂分が怪しい感じがする。

疲れて横になるとすぐに寝てしまった。

韓国旅行機 入

2009年07月13日 | Weblog
昨夜、塗ってもすぐに流れてしまう口内炎の薬をしつこく塗っては治ることを念じていた。
ほとんど眠れないまま朝になり、母と妹も起きてきた。
始発で京都駅へ。
八条口のバス乗り場がわからず朝から走り、出発ギリギリでバスに滑り込む。
1時間半くらいで関空に着く。
いろいろ手続きを済ませて免税店の香水を嗅いだりしながらしばらく過ごす。

搭乗、離陸。
飛行機が滑走路に入って本気の助走から機体を地面から持ち上げる、この一連の流れに加担しているように感じ、離陸の瞬間座席を持ち上げようとしてしまう。

金浦空港に着くとまだ昼前。
大阪は良い天気だったがソウルは曇り。
出口で旅行会社の現地スタッフの人が待っていた。ホテルのチェックインまで案内してくれる。
我々の他には彦根から来たという中年夫婦が1組。
車に乗り移動。途中免税店に寄ることになっていて、そこで1時間お買い物。免税店で買うものは特になかろうとハイブランドの売り場を無目的にうろついていると、ヴィヴィアンのコーナーにたどり着いた。
そこで見つけた金色の靴。足首まで3本ストラップが付いている。ゴム製なので案外手が届くかも知れないと値札を見る。
約8000yen。
ワンサイズしか置いてなかったが履いてみるとぴったり。
いきなり買ってしまう。

その後も化粧品など見ながら歩いていると、どのコーナーの店員も流暢な日本語で商品をすすめてくる。
いろんなBBクリームが並んでいる。「スキン・フード」いうところの商品は容器やラベルがかわいい。値段も安い。
韓国では買い物をすると、おまけや試供品をやたらとたくさんくれるらしい。
思ったより免税店での1時間は早かった。
また車に乗りホテルへ。車中、30代くらいで恰幅の良い女性の現地スタッフは2泊3日の間にどこに行き何をしたいかと聞く。
我々の滞在するホテルがあるのはミョンドンという繁華街の近くなのだが、そこからそう遠くないところで、市場が軒を連ねる南大門や朝の5時まで営業している巨大ファッションビルがある東大門などにも行ってみたい、あと世界遺産のチャンドックン、ピマッコルという通りに行ってみたい、エステ、焼肉、サムゲタンと言う。
街の規模と距離感がよくわかってない韓国初心者の我々の曖昧な計画は彼女のアドバイスによってどんどん修正されていった。
同乗していた彦根の夫婦は2度目だったらしい。この人たちは品のない関西弁で品のない会話をするので嫌だと思っていたが、別のホテルで帰国も違う日なのでもう会うこともないだろう。

アドバイスによって得た知識
・服や靴を買うならミョンドンになんでもある
・東大門は広いので無目的に行くと疲労し時間をロスする
・ピマッコルに何しにいくのか、飲み屋しかないとこだ
・サムゲタンは丸ごとの鳥の地肌が丸見えで気持ち悪い

2日目の午前中に垢擦りエステを予約していた。しかし日本でネット予約した垢擦りエステの店はいまいちらしく、彼女も良く行くというちゃんとしたところを予約してくれたり、いろいろと丁寧に教えてくれた。
先に彦根の夫婦が降り、その後我々の宿泊先へ。
ビジネスホテルくらいの質素な雰囲気だがそれなりに清潔な部屋だった。
ホテルからミョンドンの中心部への道を教えてもらい、初心者3人で地図をひっくり返しながら街を歩く。
車道が広く横断歩道がない。大きな交差点には地下道があり、道を渡る時にはどうしても階段を上り下りしなければならない。

いくつかの目印なる大きな建物のひとつ、ロッテ百貨店にたどり着いた。ここにも免税店があり覗いてみるとカンペールが入っていた。妹はサンダルを買った。免税とセールで30%オフ。日本で買うよりずいぶん安い。私もちょっとほしいサンダルがあったが、さっきのヴィヴィアンのこともあり、ほとんどの予算を使い果たすことになるので諦めた。

その後タクシーの乗り、李王朝時代の王宮、世界遺産のチャンドックンに向かう。
敷地内には目的別にいくつもの宮殿がある。
天井や壁面には色鮮やかに装飾されていて、室内は白い壁ですっきりとした造りになっていて過ごしやすそうだった。
観光客それほど多くなく、広大な敷地内に入って奥に進むと誰もいない場所もあるので、街の喧噪からも切り離されてタイムスリップしたような気持ちになるが、ふりかえると容赦なく高層ビルがそびえ立っていて、その混雑具合が韓国という感じがした。

チャンドックンを出てまたタクシーに乗り、ミョンドンに戻って繁華街の中を散策。
日本でも名前を聞く韓国コスメのショップがあちこちにある。どこの店も若い売り子の女の子たちが「ミテ!ミテ!」「ムリョー!ムリョー!」と日本人と見れば買い物かごを持たせようとする。
韓国の若者も多いのだが、衣料品、化粧品、飲食店にしても日本人観光客をターゲットにして街が出来ているかのようで、心から私は今カモなのだと思った。
ミョンドンの繁華街は京都でいうと新京極のようなところだが、もっと店が多く雑多な雰囲気で、どの店にしても品数が多く圧倒されるようだった。

この日の夕食は冷麺にしようということになり、ガイドブックに載っていた店に行ってみた。
焼き肉屋で出てくるようなスープに浸かった冷麺と、汁気が少なく唐辛子で和えた魚(エイだったらしい)がのっているもの、ニラなどの入った大きな蒸し餃子を注文する。
しばらくして銀の器が運ばれて来た。真ん中に渦をまくように上品に盛りつけられている麺を店員の女性がハサミで食べやすい長さに切ってくれた。素麺くらいの細さのこしのある麺はよく冷えていてとてもおいしい。口の中が痛いことはもう無視して唐辛子味噌をいっぱい入れた。