春月を 黒ねこの尾は さざなみて
馬糞 Bafun
今夜は満月だった。
満月の夜に、取り付けの悪い自転車かごが車輪に挟まって転倒し
て大怪我をしたことがあった。
額を切って、どぼどぼと血が流れた。
みるみる歩道が血に染まり、歩道を汚したことにあわてたほどだった。
近くの酒屋さんが、救急車を呼び、歩道を掃除してくれた。
とてもありがたかった。
それから二、三年して、その酒屋は店を閉めた。
それ以来、満月を見ると、気をつけなければならないと思うように
なった。
満月は美しいのだが、ドラキュラが出るのではないか、というよう
な不吉さ感じてしまうのである。
そんなことを思い出しながら、フィットネスのように自転車を漕いで、
帰宅した。
家の近くに黒猫が尾を揺らしながら、のんびりと近所のおばさんに
ついて歩いていた。
そのぴんと立てた尾っぽが、さざなみのようにゆれていた。
黒猫というのは、満月によく似合う。
春の満月の、なんと、のんびりとしたことか。
今夜の満月も、無事でよかった。
【政治の本質は妥協と方便なのか】
クロムウェルは、急進的な改革で恨みを買って骸を晒された。
それ以来というべきなのか、いつまで駆け引き、妥協、票を買うた
めの方便のような政治が続くのだろうか。
それとも、それが政治の本質だというのか。
いつまでも、公明党と連立し、愚かな公金ばらまきを景気対策だと
言って度重ねていることには、さすがに憤りを感じる。
食用米からの転作に奨励金を支払うという、農家優遇政策は、一
体、何事か!
他方で、贈与税について、家屋取得のための生前贈与500万円
について非課税にするという。
家屋取得だったら、3000万円から、5000万円を非課税とするべ
きであろう。
そもそも、生前贈与と相続は非課税にしてよいのだ。
そうでなければ、中小企業の企業承継も農業承継も、大きな負担
を受けることになる。
「金持ち優遇だ」などというが、なぜ、そんなに嫉妬するのか。
金持ちから金を取ろうなどというのは、社会主義の本質にある嫉
妬そのものである。
誰のおかげで仕事にありついているのか。
能力と努力で起業し、あるいは、経営している資産家のおかげで
はないのか。
金持ちに嫉妬して、なぜ、景気をよくすることができるというのか。
社会主義は不況マインドを本質に持った、貧乏の平等主義にほか
ならないというのに。
ただ、かつても主張したように、土地所有制度は廃止すべきである。
土地利用権に一本化するべきなのだ。
利用しないものに、利用権を認める必要はない。
耕作放棄した農地は、利用権を停止すればよい。
利用料の徴収が、国家の収益源ともなる。
土地は国家の領土である。
利用権の売買は財産権として認めてよいが、国家の領土を、私有
させるべきではあるまい。
これは、社会主義ではない。
道理である。
土地は、人間が生産したものではないのだから。
こうした、社会主義政策や不公平な公金ばら撒き政策を「景気浮揚
策」というなら、ミサイルを「衛星打ち上げロケット」とぬかす北朝鮮も、
ミサイルを「飛翔体」とぬかすマスコミや政治家も、同じ穴の狢という
べきではないのか。
狢の政治であるならば、大衆民主主義はやめたほうがよい。
政治もまた、神聖でなければならないことを思い出すべきである。
梅士 Baishi