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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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素朴さ尊し…函館~北斗市

2007年02月26日 19時41分44秒 | Weblog
今日はトビ職の頃に一緒に働いた人が亡くなり、そのご家族のところに弔問に行ってきました。
遺族となられた奥様と、亡くなっられたご主人の昔話しを懐かしんで参りましたが、40年前にタイムスリップしたような気分でした。
お付き合いのあった頃は一緒に飲んだり食べたり、泊まったりの仲だったのですが、私が東京で独立してからは付き合いが全く途絶えていました。

亡くなったと言う話を聞いて弔問に出かけたものの、既に一月以上も前の事でした。
彼との付き合いは遺族となった奥さまが嫁がれる前からです。
故人は本当に口数が少なく、朴訥さと素朴さを絵に書いたような人でした。
仏壇の上の遺影に手を合わせ、奥さんに彼の生前、昨今の話を伺い、私は彼との昔話しをして来ました。

彼だけでなく我々トビ職仲間と仲よくする連中は、私も含めて人前で話しをする事が極めて苦手な人種です。
腕の良い職人ほど喋らないと言いますが、ペラペラと喋るほどに職人の腕が劣るもの…
師匠からは、喋ったり飾る事に尽力しない分、中身が凝縮するのだと教わりました。

昔は素朴さや朴訥さがレギュラーだったのでしょうか、違和感など全く感じませんでした。
現在、素朴さや朴訥さを貫いていたら、時代に取り残されそうな時代となりました。
10年一昔と言いましたが、ITの世界は1年一昔とも言います。とにかく時代の流れが40年前の数倍もあるような気が致します。

昔の家はどうだったでしょうか…戦前まではモルタルに白いリシン仕上げが殆どでした。
北欧では昔も今も、白いモルタルの家ばかりです。しかし、それでも一棟一棟に風合いと個性を感ずる事が出来ます。
素朴さを貫き通しても表情や情緒性を醸し出す事が出来るのです。
創る家の外装の色が一軒一軒と異なるのは日本だけ…色で雰囲気を変えるのは最も安易な方法だと思うのですが…

写真は今日26日、訪問したファースの家で、そこの奥さまがご家庭内の工房で作り上げた陶器の少女の焼物です。その素朴さの中に凝縮された作り手の感性があります。
作品の作者は10年前、23歳まで立派に育てた上げたお嬢さんを急病で亡くしました。
そのお嬢さんを今もこよなく愛し続けており、この陶器の人形に、作り手の愛情がとてもよく現われています。
素朴さゆえになせるわざなのでしょう。まさに素朴さ尊し…
明日は東京に…
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