英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2024王座戦挑戦者決定戦と所用

2024-07-22 21:47:41 | 将棋
タイトルでは「所用」と書いたが、所要とは親戚の葬儀。
 親戚と言っても色々……名前だけとか顔を朧げにとか、まあ、家としてのつき合い(こう書くと叱られそうだが)で参列することも少なくないが、今回は少なからず恩義のある方。
 亡くなった翌日にお顔を拝ませていただき(もっといい表現がある気がします)、お通夜、そして葬儀に参列させていただいた。距離は25㎞以上あり、少し大変だが、大変とは思わない恩があった。
 ご家族は悲しさや辛さもあるとは思うが、かなりのご高齢だったので往生を遂げたという感じで、痛ましい雰囲気は感じられなかった(感じさせなかった)。

 ただし、“土用丑の日”を目前に控える昨日今日は、その関連の仕事が多く、結構忙しい。ウナギは高いが、タレ入れ(タレビン…やわらかい使い捨てのプラ容器。よく弁当に入っている魚型の醤油入れと同質の材質で直方形型)やウナギのトレーやうな重容器(テイクアウト用)の需要が増える。ウナギは高価だが、そういう使い捨て容器は安い。この暑さの中で、それらの販売は体力が消耗するだけ。(お得意さん、ごめんなさい)
 で、その葬儀関係で仕事ができなかった分だけ、今日の午後、帰宅してからの仕事が待っていた……

 そんな訳で、本日の大切な王座戦挑戦者決定トーナメントがあることを、完全に失念していた。
 夕方になって、ようやく思い出し、ネットをつなげると、やや劣勢、その後、互角に戻ったと思ったら、間違えて非勢に陥り、その後は永瀬九段にきっちり価値を読み切られて、投了。
 対永瀬戦での負けパターンのひとつだったようだ。
 
 序中盤がどんな将棋だったのかも振り返っていない。
 体が火照っているし(熱中症やコロナではなく、単に心身とも珍しく働きすぎ?のせい)、ほとんど観戦できず、対局に心を投入しなかったため、悔しさはほとんどない。
 ……ああ、負けちゃったか……また、次頑張ってほしい。

 今日敗れて今期は8勝2敗で勝率.800。取りあえずこの勝率を維持してくれれば、文句は言わない(←高望み過ぎ!)
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堀井衆議院議員、秋田県佐竹知事、宮城県大河原町佐藤町議会議員

2024-07-20 23:32:03 | 時事
堀井議員
 自身が参列しない選挙区内の通夜・葬儀で秘書などを通じて議員名義の香典を渡していた疑い
 (政治家本人が参列し、その場で渡す場合を除き、選挙区内の人に香典を渡すこことは違法な寄付にあたる)

 堀井議員がLINEで金額などを指示。
 違法性を懸念する声が上がっていたが、「いつもやっていることで、やめることはできない」と言っていた。

この件は、自民党の政治資金裏金問題の捜査の中で浮上したが、本人は
「私はスポーツを通して自分の心身を鍛えてきたので、“ドーピング!というと例えが違うかもしれないが、そういった疑念が持たれた以上、一人の男として、政治家としてけじめをつけなければならない」
と語るなど、次期衆議院選挙には立候補しないことを表明していた。

 “男のけじめをつける”などと言っていたが、忠告を無視して法を破り続けていた。
 堀井学氏はスピードスケートの銅メダリスト。それ以前の五輪でメダル候補だったが、スラップスケートという新技術(新道具)が登場した際、それに対応せず(対応に遅れ)、メダル獲得はならなかったが、不屈の闘志で復活したのを覚えている。
 かなり、がっかりな公職選挙法違反だが、上記の氏のコメントは、嫌疑が浮上した時に流れたもの(家宅捜査される前日に報道)

 その時に流れた映像だったので、“疑念を持たれた以上、男のけじめをつける”という言葉は、香典疑惑についてのコメントかと思ってしまった。
 ちょっと、報道の仕方に問題を感じた


秋田県佐竹知事
7月11日小坂町での意見交換会
 参加者の町の施設の改修提案に対し、「この町は金がないんだな。貧乏なんだよ」

謝罪会見
「“お金に余裕がない”というところで止めればいいが、お金がないことを“貧乏”と短絡的に使い、そこが不注意かな。
 少し気を悪くしたのかなと思い、申し訳なく思っている」


 もうこの人は、人格が駄目だな。
 言葉自体も問題だが、謝罪関係でも謝罪の気持ちが全く感じられない


宮城県大河原町佐藤町議会議員
 町議会見学に来ていた小学生に、町議会中にスマートフォンのゲームをしていたのを目撃される

「小学生に残念な思いをさせたことは、深く反省している」
 “残念な思いをさせたこと”……「は」なのか?
 じゃあ、残念な思いをさせなければ、議会中にゲームをしていたことは構わないのか?

 もちろん、小学生が見学に来ている場でゲームをするのは許せないが。
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2024王位戦 第2局 渡辺九段-藤井王位 感想

2024-07-19 15:23:04 | 将棋
……驚いた
 いや、「驚いた」と書いたら、渡辺九段に失礼なのだが……全力で勝ちにいった第1局、思惑通りに展開して、あと一歩というところで、エネルギーが尽きて逆転負け。
 渡辺九段と豊島九段がダブって、この王位戦はこのまま勝てずに、良くて1勝を上げられるかどうか……と思ってしまった。
 王位戦第1局終了までの二人の対戦は、渡辺九段の4勝21敗、勝率.160。2022年1月以降は2勝13敗、勝率.133。タイトル戦では棋聖戦1勝3敗(2020年6月~7月)、棋聖戦0勝3敗(2021年6月~7月)、王将戦0勝4敗(2022年1月~2月)、棋王戦1勝3敗(2023年2月~3月)、名人戦1勝4敗(2023年4月~5月)。タイトル戦としては5連敗、個々の成績を通算すると3勝17敗(.150)……渡辺九段にしてみると“散々”な成績だ。
 名前を挙げた豊島九段も、通算の対戦成績は12勝26敗、勝率.316。ただし、豊島九段が最初6連勝しており、それ以降は6勝26敗、勝率.231。さらに、2021年8月24日以降だと3勝20敗、勝率.130.もっと期間を絞って2022年7月13日以降は1勝13敗(期間中12連敗)、勝率.071。
 豊島九段も、先の王位戦第1局の渡辺九段のように、ほぼ勝利を手中に入れたところから、勝利をするりと落としてしまったことが多々あり、渡辺-藤井戦と豊島-藤井戦がシンクロして見えてしまうのである。(詳しい対戦成績を挙げないが、菅井九段も、対局を重ねるほど、絶望感を味わっているような気がする)

 渡辺九段と言えば、名人戦で敗れ無冠になった時、キャスターに「次はどういう戦い方を?」というような質問を受けて、藤井七冠(当時)に“叩きのめされた感”を味わった上、次に藤井七冠とタイトルを争うには、挑戦者トーナメントや挑戦者リーグ戦を勝ち抜かなければならないイバラの道を進むことの困難さを想像して、「考えられる状態ではない」というような、ツッケンドンな回答拒否に近い態度を取ったことを思い出す。
 《そうだよなあ》……渡辺九段の気持ちはよく分かる。(五輪などで敗れた選手に、「次に向けての決意や考えなどを」とお気楽に質問するキャスターがいる)
 そんなボロボロの気持ちになっているのかなあ……この王位戦も4局で終了、あるいは1勝できるかどうか……などと思ってしまった。

 そんな私の予想を吹き飛ばす快勝だった。
 中盤辺りまでは互角。そこで、藤井王位が疑問手を指し、勝利確率が藤井王位の35~38%ぐらいに低下したが、いずれ、互角になって、最後は藤井勝利か……と思っていたら、さらに、差が開き、それでも、まだひと山もふた山も……
 しかし、渡辺九段は、まったく歩を緩めることはなく、というより加速して、一気に勝利を掴んでしまった。藤井七冠がこうも為すすべもなく敗れてしまう……こんな敗れ方を観た記憶はない。

 将棋の経過も少し異色だった。何しろ、第1局(指し直し局)と同じ指し手を辿る。昭和の中原時代は矢倉全盛で、対局者が先手後手を逆に持って、同一手順を辿る将棋はよくあったが、先手後手の対局者と局面が2局連続で同じというのは、“指し直し”という特異ケースを踏んだことによって生じたのである。昭和時代は指し直し局の次局の手番の規定が現在とは違っているので、この王位戦のケースは不可能なのかもしれない。
 第3局は渡辺九段の後手番。どんな戦型戦術で、不利な後手番を凌ぐのか興味深い。さらに、先手番になる第4局に、あの▲6六角型を三度目になる採用をするのかも、興味深い。
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2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その8

2024-07-18 16:04:16 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」「その7」

(第2局の2日目午前中:形勢互角→午後4時20分:渡辺66%ですが、第1局記事は続きます)

 秒読みに急き立てられ▲3二銀と打ち、藤井王位は△同玉と応じる(△同金は▲5二金△3一玉▲4二金打△2二玉▲3二金△1二玉▲2四桂△1三玉▲2二銀△2四玉▲3三銀打△3五玉▲4五金で詰む。他の変化もあるが詰む)
 △3二同玉に▲3三金△同金。ここで渡辺九段は▲6二龍としたが、▲3三同歩成△同玉▲3四歩(詰みそう図)と打てば、詰みそうな気がする。

 △2二玉なら、▲3三金△1三玉▲2二銀△2四玉▲2三金以下詰み。
 △3四同玉なら、▲4五銀△2四玉▲3四金△1三玉▲2三金△同玉▲3五桂△3二玉▲2三金△4二玉▲4三桂成△同玉▲4一龍で詰む。
 しかし、△2四玉とかわされると……詰まない。6九の馬の防御力が強い……。△2四玉には▲2五金が有力だが、△1三玉で詰まない。
 ……先の△4七角に▲2七玉と逃げ、△3七歩成▲同玉と馬筋を通してしまった罪が圧し掛かる……

 実戦は△3三同金に渡辺九段は▲6二龍。この手に対し、藤井王位は△4二金(第14図)と合い駒に金を選択。

 △4二金の直後、評価値が逆転(藤井30%台)。金合いではなく、銀合いが正解で、おそらく、金合いだと▲3一角の筋が生じるからであろう。
 渡辺九段にチャンスが到来したが、▲3三歩成△同玉(第15図)に▲4二龍と切ってしまったため、幸運の女神は通り過ぎてしまった。
 「幸運の女神には前髪しかない」……時の神カイロスについて、出会った人がつかまえやすいように髪を顔の前に垂らしてあるが、追いかけてつかむことはできないよう、後頭部には髪がない(チャンスはやって来たそのときにつかまなくてはいかない)ということわざを思い出した。(カイロス自身は男神だが、ローマ神話の幸運の女神フォルトゥーナと混同されたとされている)
 もっとも、この時、女神に後ろ髪があっても、渡辺九段には髪を掴む握力が残っていなかったように思う。
 第15図では、取りあえず▲3四歩と叩くのが普通で、それが正解だった。
 ▲3四歩に△2二玉なら、▲3三金△1三玉▲2五桂△2四玉(△2五同馬は▲2二銀△2四玉▲2五歩以下詰み)▲3五銀△同玉▲4五金△2四玉▲2三金△同玉▲3三歩成以下詰み。
 ▲3四歩に△同玉なら、▲4五銀△2四玉▲3四金△1三玉▲2三金△同玉▲3五桂以下詰み。
 ▲3四歩に△2四玉なら、▲3五銀△同玉▲2五金△同馬▲4五金△2四玉▲2五歩△1三玉に▲9二龍と馬を抜いておいてどうか?(▲3四歩△2四玉▲3五銀に△1三玉なら▲2五桂△同馬▲同歩で△3九飛には▲2六玉で残している)

 渡辺九段は、▲4二龍△同銀▲3四歩△2四玉▲2五金△1三玉▲2二銀△同玉▲3三金と迫るが、△1三玉で投了。どうしても1枚駒が足りない……


 持ち時間優位状態で千日手に持ち込み、指し直し局も主導権を握って、ほぼ完璧な指し手で勝利確率99%まで追いつめたが、勝ち切れなかった。
 99%まで追いつめられても、渡辺九段を消耗させ、逆転の筋に誘い込む……やはり、恐ろしいなあ。藤井王位も将棋も。

 次記事、気になる変化に続く。
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2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その7

2024-07-17 15:27:49 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」

(第2局が始まってしまいましたが、続きます)


 △4七角に▲2七玉と逃げた為、△3七歩成▲同玉を利かされ、後手の6九の馬の利きが通ったため、この図での後手玉を詰ます難易度が格段と上がっている。
 既に、103手目の▲5二銀から1分将棋になっている渡辺九段に詰み筋が見えているのだろうか?(図は119手目を迎えている)
 48秒残り12秒ぐらいの時、渡辺九段の表情……目が泳いでいる。読み切れていないのは瞭然だ。そして、駒台に手が伸びて……嗚呼、間違えるぅ!
………▲3二銀…………

 感想戦では
「これもう、初手(119手目の王手)間違えると詰まないのか(▲3二銀では▲4一同龍でないと詰まないのか)」(渡辺九段)と。
 おそらく《龍切りでも詰むような気がしたが、▲3二銀△同玉▲3三金の方が確実に詰む》と考えたのだろう。 



【ABEMA中継の再現】
解説:鈴木九段
「ここが勝負所でね。私まぁ詰むんだろうけど割り切れてないんですね。えーっと…左へ持ってくのか?
 ▲同龍、△同玉で▲5二金でばらして…▲6四桂と打って…7七桂活用して左で詰まそうとしてるのか。ずいぶん凝った詰め方しますよね。
 や、これ、2一?できれいに詰むのか
 えー▲2二金△同玉▲3三銀も、怖くないですか、なんか詰まし方…
 あ、寄られて危ない…詰まない…えっ、(加藤結李愛女流二段「これ2五に桂打てないとなかなか詰ましにくい」と)
 いやぁー▲同龍(▲4一同龍)で詰ますんですね。驚きの詰みだな…これは読み切ってますよね。(加藤女流二段「はい」)
(渡辺九段の手が駒台に伸び、銀をつまむ)えっ?え?
(渡辺九段が▲3二銀と指す)
「▲3二銀かぁ?…△同金で▲4一龍……ええぇっ!………▲4一龍△同玉▲5二金(△3一玉)▲4二銀(金?)でどんどん逃げられて危ない(詰まない)ですよね。そんなことあるの?」
ここで、画面表示が△4一同玉…71% △4一同金…1%(後手玉は詰む)と表示される
「△同玉…△同玉かぁ…ええ~これ…えええっ!!
 これは有り得ないよねぇ………
 ええええ~!…1分将棋で時間追われているんですけど、1分ずつ考えられるんで、けっこう読んでるはずなんですけど……
 (評価値を見て)△同金は詰むんだ……ええぇ!こんなのってあるぅ?
(藤井王位、△3二同玉と指す)


 正直、この解説はひど……
 《"評価値99%”という数値を見て▲4一同龍で詰み》と判断して詰みを読み、ある程度読んで《だいたい詰みそう》と思った。その後、▲2二金△同玉▲3三銀の筋の検証をしつつ、中継画面を注視。そして、渡辺九段の手が駒台に向かったのを見て、《詰ましそこなう》と判断し、驚いた。
 渡辺九段が▲3二銀で詰みを逃してしまったことに驚きつつ、△3二同金の後、▲4一龍△同玉▲5二金(△3一玉)▲4二銀(金?)で詰まないと思い、逆転に驚く。
 しかし、実際は△3二同金だと後手玉は詰む。そのことを中継画面の評価値で気づき、△同玉で詰まないと分かる(評価値で知った)
 その直後、「えええっ!! これは有り得ないよねえ…」と。


 《評価値99%(渡辺勝利確実)》《えええっ!!これは有り得ない》《ええぇ!こんなのってあるぅ?》という数値や絶叫が誇張され、『あり得ない大逆転』が世間に伝播した!
 そりゃ、解説者が簡単に詰みを読み切ったのなら、あり得ない逆転でも良いかもしれない。「▲4一同龍で詰み」とAIに示されたの〜見て、詰みがあるのを知っただけで、詰みを読み切っていない。
 さらに▲3二銀では詰まないことをAIで知ったが、△3二同金で詰まないと誤った解説をした。(△3二同金だと詰む)
 短時間で、正確な解説をするのは難易度が高くて、間違えても仕方がないとは思う。しかし、評価値の上面だけを見て、渡辺九段があり得ない詰み逃しをしたという印象を与える不正確な解説をしてしまったのは、どうなのか!
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2024ウィンブルドンテニス

2024-07-17 09:48:47 | スポーツ
 深夜観戦して、寝不足
 男子シングルスは2年連続、ジョコビッチとの新旧王者対決。昨年は大激戦、名勝負だったが、今年はジョコビッチが故障上がり(膝の手術後、日が浅い)で、今一つだったが、随所に好プレーが観られた。
 ……アルカラス時代が続きそうな予感。
 女子シングルスは、第4シードリバキナ以外は上位シードが早々敗退。
 準決勝は、リバキナ(4)vs クレイチコバ(31)
      パオリーニ(7)vs ヴェキッチ   となった(括弧内の数字はシードランク、ヴェキッチはノーシード)
 最近の女子は上位シードが早い段階で敗れるのは珍しくない。
 準々決勝の戦いぶりを観ると、4選手は皆好調だが、リバキナがポテンシャルと試合内容が一段階、上のように見えた。
 準決勝も第2セット途中まではリバキナペースだった。特に、第1セットは4ゲーム連取でこのまま一気に持っていきそうな流れだった。
 しかし、クレイチコバはへこたれず、リバキナのサービスゲームをブレイクし、3-5まで盛り返した。これが、ターニングポイントとなった。
 第2セットもリバキナは好調だったが、クレイチコバも引かない。闘志満々で、自分の会心プレーには雄叫び、失敗には悔しさの叫びを上げる。悔しい気持ちの発散という意味もあるが、自分を励ます意味もあるように見えた。
 リバキナはクレイチコバの闘志に気圧される。さらに、自分のミスを悔いる。苛立ちさえ見える。
 結局、クレイチコバの闘志を押される形で、第2、第3セットは、4-6、4-6で失い、敗れてしまった。
 もう一方の準決勝も大熱戦となり、女子の準決勝としては最長試合となった。この試合も、パオリーニの闘志が光ったが、彼女の機動力とボレーなどのテクニックも素晴らしかった。
 昨年あたりまでは、グランドスラム大会では1回戦負けが多く、すべて2回戦止まりだった。今年は、ウィンブルドンに限らず大躍進。各大会で上位進出し、全仏オープンでも決勝に進出している(優勝はシフィオンテク)

 決勝は、第1セットは完全にクレイチコバペースで、このまま第2セットも奪う勢いだった。
 しかし、パオリーニは意を決したかのように、ラケットを振りぬく。球の伸びが第1セットとは段違いだった。
 ファイナルセットは、クレイチコバも立て直し、互角の展開。
 気になるのは、パオリーニの打球に第2セットのような伸びがなくなったこと。
 第7ゲームにブレイクされ追い込まれる。しかし、パオリーニも反撃、4-5で迎えた第10ゲームにブレイクチャンスを迎える。しかし、ここでクレイチコバが踏ん張り、クレイチコバが勝利を掴んだ。
 パオリーニのプレーは好きなんだけれど、残念。

ところで、「くれいちこば」と打って、最初に変換されたのは「呉市子刃」……笑った
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映画『キングダム 運命の炎』を観る

2024-07-16 11:11:51 | ドラマ・映画
関連記事「映画『キングダム2 遥かなる大地へ』を観る」

 3連休の最後に、録画しておいた金曜ロードショー『キングダム2 遥かなる大地へ』を観ることができた。(3連休と言っても、土曜日は普通に仕事で日、月は半分仕事。新盆でお経を戴いたし)
 深く考えずに観ると……楽しめた。「2」の方が面白かったかな?

 で、一応、細かいことを大雑把に?記すと、
①嬴政(吉沢亮)が闇商人・紫夏(杏)の助けで趙国から脱出する云々は、なくても良いような……
 吉沢亮の出番が少ないので必要だったのかも…
 自身の亡霊のようなモノに怖れて半狂乱であらぬ方向に逃亡騒動を起こし、その間に追手に迫られ、結局、杏も亜門(浅利陽介)も死亡。
 人質の割には、趙国内では自由だったなあ…
②飛信隊の奇襲は無理があり過ぎ
 河了貂あたりが策をめぐらせて、隠密裏に敵・将軍の馮忌(片岡愛之助)に突進するのならともかく、敵味方に察知されるほど派手に動いて、崖を上って、そこから突進し、そこから馮忌まで近づくのに一苦労……百人では無理。
③王騎(大沢たかお)の策は見事
 壁(満島真之介)たちの軍が突進し、馮忌軍が劣勢を装い後退し、それに乗じた壁たちの兵がおびき寄せられ、取り囲まれ狙い撃ちに…。しかし、それこそが王騎の策で、逆に馮忌本体が手薄になり、信たちの奇襲を食らってしまった。
④壁(満島真之介)や河了貂(橋本環奈)は……
 壁は今回もあまり活躍せず(がんばってはいたけれど)、河了貂は丘から見ているだけ
⑤龐煖(吉川晃司)は強過ぎ!
 強過ぎ!


 金曜ロードショーで毎回思うが、ちゃんと、エンドロールや主題歌を流してほしい。
 スタッフやキャストを字幕で流しながら、次週の賑やかな(喧しい)紹介はやめてほしい。映画の余韻が………
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2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その6【補足あり】

2024-07-15 10:53:56 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」


 この両図は、下図の△4七角に対して、玉を下に逃げたか上方に逃げたかの違いで分かれた兄弟図と言える。
 両図とも、先手玉にも後手玉にも詰めろが掛かっているが、手番を持っている先手が後手玉を詰ませば勝ち←かなり当然。
 両図とも評価値(勝利確率)も共に99%(変化図0は実際には評価値99%と示されてはいないが、下図の△4七角に対する候補手▲3九玉の評価値が99%となっていた)。
 これまでの流れとこの評価値から、“渡辺九段の勝利”は間違いないように思えた。
 しかし、これはAIが示す“評価値が同じ99%”というだけで、実際の“勝ちやすさ”(負けやすさ)は、この両図では相当な違いがある。


(両図を再掲載します)

 この両図では、後手玉を詰ます難易度が桁違いに違うのである(妥当な数値化は分からないが)第13図の方が50倍くらい難しい。
 変化図0は、先に示した▲2一金の他に▲2二銀、▲2二金、そして▲4一同龍など多くの詰み筋があり、2一や2二に金や銀を捨てる変化は直感的に浮かびやすく、その後の詰みも容易である。
 しかし、第13図は詰みは▲4一同龍のみで、龍切りは不安感を伴い、その後の詰みも容易ではない。さらに、▲2一金や▲2二銀や▲2二金なども一見詰みそう。詰ます筋が▲4一同龍しかないならば、渡辺九段なら1分で詰みを読み切るのは容易だが、この状況だったのは不運としか言いようがない。(上記で詰ます難易度を"50倍”と述べたが、状況を加味すると、詰ます難易度は100倍、いや"200倍”かもしれない)
 不詰めの例を上げると、

 変化図3は「その5」で挙げた詰み。「図以下、平凡に▲2二金△1三玉▲2五桂で詰むし、▲2一銀(△同玉なら▲2二金)△1三玉▲2五桂でも詰むし、▲1三銀と気前よく捨てても△同玉▲2五桂△1二玉▲2二金で詰む」と述べたが、変化図3-2では詰まない。6九の馬筋が後手玉の詰み筋を否定している。

 第13図に戻って、この局面から後手玉を詰ます正解手は▲4一同龍のみ。
 △4一同金は▲2二銀以下容易に詰むので、△4一同玉。

 鈴木九段は▲5二金以下の詰みを解説したが、▲3二銀△同金▲5二金△3一玉▲4二金打△2二玉▲3二金△1二玉▲2四桂以下詰む。また、▲3二銀では▲3二金と打って△同金▲3三桂△同金▲4二銀△同玉▲3三歩成△同玉▲3四歩でも詰む。
 変化図0-2より、▲5二金△同金に▲同桂成△同玉▲6四桂(変化図4)を鈴木九段は示していたが、▲5二同桂成りでは▲3二銀(変化図4-2)でも▲3二金でもよい。

 変化図4-2以下△4二玉(△5一玉)▲5二桂成△同玉▲6三銀△同玉▲7五桂以下の詰みがある(▲3二金と打つ筋もほぼ同様の手段で詰む)

 変化図4に戻って、以下△6二玉▲7一銀△6三玉▲7二銀△5四玉▲4五金(変化図5)△6四玉▲5五銀△7五玉▲8五金△7六玉▲8六金(変化図6)で詰む。

 変化図4の局面を頭に浮かべれば、以下の詰みは容易であるが、第13図で1分将棋で、藤井王位相手に千日手局、指し直し局を2日がかりで指し続けた後では、"超”が5つ付くほど難易度が高い。
 まして、他に詰む筋がチラつく局面である。

 冒頭で、《互いの玉に詰めろが掛かっている場合、手番がある方が相手を詰ませば勝ち》と述べたが、他にも《取りあえず、自玉の詰めろを解除しておいて、次に詰ます》という手段もある。
 こういう場合、将棋がもつれることが多いのだが、秒読みの妥協策としてはしばしば用いられる。

 そういうケースを想定した場合、第12図で玉の逃げる時、下方に逃げると受けが困難で、情報に逃げた方が受けが利き易いので、反射的に上方の2七に逃げたのだろう。この時点で、馬の利きを通す△3七歩成が見えても、第13図でそこまでマイナスに作用するなんて、考えなかったのだろう。

【補足】

 解説の鈴木九段は、「この▲3二銀は△4二玉で詰まない」と述べていました。しかし、本文で述べたように▲5二桂成△同玉▲6三銀△同玉▲7五桂以下の詰みがあります(▲3二金と打つ筋もほぼ同様の手段で詰む)。
 本文を繰り返すことになっていますが、私が念を押しているのは、鈴木九段の解説が間違っていたということ。
 もちろん、このくらいの間違いは一日中解説していたので、ミスがあっても仕方がないと思います。それをわざわざ、補足で書くのは、今回の解説でいろいろ思うことがあったからです。(今後の記事で、書く予定です)
 私は、一度だけ鈴木九段とお話したことがありますが、非常に優しい方で良い人です。好きな棋士です。


続く
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マイナビ女子オープン2024予選 結果

2024-07-14 08:55:40 | 将棋
マイナビ女子オープン2024予選は昨日(7月13日)行われ、以下の結果となった。
 (勝敗欄の青字女流棋士は私の予想予選通過棋士
第1ブロック 和田あき女流二段●-○加藤圭女流二段
第2ブロック 山根ことみ女流三段●-○梅津美琴女流1級
第3ブロック 高浜愛子女流初段●-○松下舞琳女流初段 (私の予想は塚田女流二段)
第4ブロック 伊奈川愛菓女流二段●-○堀彩乃女流初段
第5ブロック 室田伊緒女流三段○-●野原未蘭女流初段
第6ブロック 清水市代女流七段●-○中井広恵女流六段
第7ブロック 加藤結李愛女流二段○-●今井絢女流初段 (私の予想は磯谷女流初段)
第8ブロック 福間香奈女流五冠○-●田中沙紀女流1級
第9ブロック 香川愛生女流四段○-●相川春香女流初段
第10ブロック 長谷川優貴女流二段●-○石本さくら女流二段
第11ブロック 竹部さゆり女流四段●-○宮澤紗希女流1級 (私の予想は岩根女流三段)
第12ブロック 上田初美女流四段○-●森本理子女流2級


【言い訳など……】
第1ブロックの加藤圭女流二段は本来の実力を示した(私は元々評価しており、依然は“Aクラス”と評価していた)
第2ブロックは山根ことみ女流三段で堅いと思ったが、劣勢に陥った山根女流の必死の抵抗を、最後は切り裂いた梅津女流1級は見事だった。正直、顔と名前が一致しない若手女流棋士のひとりだった。実際、22年度…4勝6敗 23年度…11勝11敗 24年度(7月12日時点)…2勝5敗 とパッとしない成績。これを機に、飛翔することを期待する。
第3ブロックは、塚田女流二段が初戦で敗れてしまった。最近の成績や彼女の状況から、不安を感じてはいた。予選突破した松下女流初段は初参加の22年度はまずまずだったが、最近は停滞気味。これを浮上してほしい。
第5ブロックは、予想突破者の野原女流初段が初戦の難敵・小野アマ戦をクリアしたので、安心していたら室田女流三段に敗れてしまった。室田女流三段は安定して成績を上げており、順当とも言える結果であろう。(22年度…13勝12敗、23年度…14勝12敗、今年度…3勝5敗)
第6ブロックは予想通り清水女流七段-中井女流六段の決戦となった。大熱戦を中井女流が制した。
第11ブロックは、予選突破を予想した岩根女流三段が、危惧した竹部女流四段に敗れ、宮澤女流1級がその竹部女流を破って予選突破。宮澤女流1級は昨年7月に2級で女流棋士に。昨年度は9勝7敗、今年度8勝2敗。

 12ブロックのうち予選通過者的中は5名。4人1組だったので、まずまずの的中率だったと思いたい。決定戦で4名が敗れたのは残念(5勝4敗)
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2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その5

2024-07-13 16:36:11 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」


 藤井王位の攻めも息切れし、△6一歩と自玉に手を戻した局面。
 3七に銀を捨て玉を呼び込んで、△3六歩から先手玉への寄せの形を作ったのだが、銀を捨てておいてから自陣に手を戻すのでは変調。
 藤井王位の予定は△3七銀と捨てるところでは、△6一歩と打ち▲同角成と呼び込んでから先手玉に迫るつもりだったという。《8三の角がいなくなれば、先手玉に詰みがある》と読んでいたらしい。(詳しくは、後日に後述)

 さて、第11図の△6一歩に▲同角成は△3八銀の一手詰み。
 先手としては、詰めろを掛けたいが、
①8三の角を3八に利かせておく
②歩以外の駒を渡してはいけない
 の条件がある。
(①②の禁を破って、相手に手番を渡すと詰まされる)
 まず、渡辺九段は▲5二銀と打つ。これを△同金は後手玉が簡単に詰む。この時の渡辺九段の着手は、銀を6二から滑らすように打ち込んだ。勝利を確信した落ち着きが感じられた。
 △3一玉と躱す手に▲5一銀不成。これも△同銀とすると、▲3二龍で簡単に詰む。玉を先逃げしても▲4二銀成で受けなし。
 なので、△3八銀と打ち▲同角成△同銀成▲同玉△4七角打と強引に王手龍取りを掛けて、龍を排除することで自玉を詰みにくくしつつ、先手玉への詰めろを掛ける。
 ただし、この過程で9二の龍は消えたものの、先手の持ち駒が増えたので、後手玉は詰んでしまう。この王手龍取りは“形作り”である。

 実戦も△4七角打以下、▲2七玉△3七歩成▲同玉△9二角成と形作りの流れに沿って進む………

 ………しかし、上記手順の△4七角打に対しては▲2七玉と逃げた手は、危険要素を大きく含んだ一着だった。▲2七玉では▲3九玉と逃げるべきだった……

 この㋑▲2七と㋺▲3九玉はどちらを指しても“先手勝ち”。今、流行りの勝利確率は99%、また、評価値も31111点(ソフトにより数値は違うかも)と同じ。
 それは、どちらも後手玉に詰みがあるからだが、㋑▲2七玉△3七歩成▲同玉△9二角成と進んだ局面と㋺▲3九玉△9二角成と進んだ局面とでは、詰みの難易度が大きく異なるのである。
 この両者の違いは、△3七歩成と成り捨てが利いたため、6九の馬の利きが2五や1四に通ってしまったこと。解説の鈴木九段もこの点を危惧していた。


 説明の都合上、実戦の進行ではなく、㋺の▲3九玉△9二角成の局面を先に見てみよう。
 △9二角成から▲4二銀成△同金に▲2二銀と打っても詰むが、▲6一飛成とするのが普通だろう。王手に△4一銀と合駒を打って変化図0。

 ここでも複数の詰みがあるが、▲2一金(変化図1)が分かりやすいし格好いい。
 以下△2一同玉▲4一龍△同金▲2二銀(変化図2)△同玉▲3三銀以下簡単に詰む。

 △1二玉なら(変化図3)、平凡に▲2二金△1三玉▲2五桂で詰むし、▲2一銀(△同玉なら▲2二金)△1三玉▲2五桂でも詰むし、▲1三銀と気前よく捨てても△同玉▲2五桂△1二玉▲2二金で詰む(なぜ、この変化図3に拘ったかは、後述)
 ……と、変化図0はかなり簡単に詰む。
 ところが、実戦の㋑▲2七玉△3七歩成▲同玉△9二角成▲4二銀成△同金の第12図は…

 詰ますのは非常に難しい。
 中継の評価値(勝利確率)は99%なのだが…
(続く)
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