政治資金規正法の改正での自民党案の「連座制」らしきものは、やはり“緩々(ゆるゆる)”であった。
自民党案の主旨
《議員の責任を強化するため、収支報告書の「確認書」の作成を本人に義務づけた上で、会計責任者が虚偽の記載などで処罰された場合、内容を確かめずに「確認書」を作成していれば、議員の公民権を停止することを柱》としている
”確認書”??……「収支報告書に署名と押印」でよいのでは?
”会計責任者が虚偽の記載などで処罰された場合”……《会計責任者が処罰されるまでは、議員本人はフリー》というタイムラグが生じる。
”内容を確かめずに「確認書」を作成していれば、議員の公民権を停止する”……内容を確かめるのが「確認書」であるはずなのに、“内容を確かめずに確認書を作成する”可能性を想定するモノなのか?まるで、《秘書など他人任せで、書類を作成するのが一般的》という認識である。
それに、《内容を確かめて確認書を作成している》場合……つまり、収支報告書を故意にごまかした場合についてはどうなのか?
”議員の公民権を停止”……これも分かりにくい
こういった文言を堂々と主張するのが信じられない!
「~しなければならない」と「~する」は全然違う
政治資金規正法の改正について岸田総理の国会答弁は、前に進む意思が全く感じられなかった
自民党の田中昌史氏:派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について
「政治とカネの問題で国民に多大な政治不信を抱かせている。岸田総理大臣は今の国会で政治資金規正法を改正するとしているが、同時に重要なのは、自己規律のもとで法を順守する姿勢だ。再発防止に向けた意気込みを示してもらいたい」
岸田総理
「不記載の慣行が長年続けられてきた背景には、コンプライアンス意識の欠如や『長いものには巻かれる』という風土があったと感じている。法改正により制度面から再発防止を図ることは当然で、今の国会で実現し、あわせて運用面でも党の改革を進め、再発防止につなげていかなければならない」
―――――――――――――「いかなければならない」
立憲民主党の蓮舫氏:政治資金規正法の改正で、議員に収支報告書の「確認書」の作成を義務づけるなどとした自民党の案について
「会計責任者の処罰が確定していなければ『確認書』を提出しても国会議員には処分が連座しない。『なんちゃって連座』だ」
岸田総理
「議員が確認を怠った場合は本人の責任が問われることを『確認書』の提出で担保しようという内容だ。公職選挙法の『連座』と収支報告書の不記載に対する責任の厳格化はおのずと性格は異なる」
―――――――――――――“自ずと性格は異なる”という理由は?そもそもどう違うのだろうか
蓮舫氏
「私たちは、議員にも報告書の記載と提出を義務づけ故意や重過失があれば議員も処罰となる『連座制』を提案している。歩み寄る余地はあるか」
岸田総理
「この問題にはさまざまな議論や意見があり、自民党としても深めていきたい」
―――――――――――――「いかなければならない」の変形バージョン
日本維新の会の片山大介氏:自民党の案について
「与党の公明党にも促されようやく出されたが、中身を見ると本当にもの足りない。企業・団体献金や『政策活動費』の廃止も言及していない。これで十分だと思っているのか」
岸田総理
「再発防止に向けて議員の責任と透明性を強化する法改正は間違いなくやらなければならない。『政策活動費』などの問題も今後、与党や与野党の協議で議論していくという考え方を明記しており、この方針に従って深めていきたい」
―――――――――――――「いかなければならない」の変形バージョン
公明党伊藤孝江氏:派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について
「公明党の案ではパーティー券の購入者名の公開基準を引き下げるべきとしているが、自民党案では触れられていない。自民党案に固執せず、国民の信頼を得るため真摯(しんし)に検討し協議に臨んでもらいたい」(自民党に遠慮して、“検討し協議に臨んでもらいたい”と表現)
岸田総理
「与党協議で真摯に議論したい。自民党のとりまとめの中でも政治資金パーティー収入の透明性は課題として掲げており、これも含めて与党として協議していきたい」
―――――――――――――「したい」……「いかなければならない」の変形バージョンⅡ
―――――――――――――「いきたい」……「いかなければならない」の変形バージョン
共産党小池書記局長:政党から議員に支給される「政策活動費」をめぐり
「自民党以外はみんな見直そうと言っており、自民党が『うん』と言えば済む話だ。自民党だけがいかがわしい活動をやっていると思われてもしかたがない」
岸田総理
「個人のプライバシーや企業の営業秘密などの観点から使途を明らかにすることには慎重でなければならないが、それらを踏まえたうえで議論することを避けているものではない」
―――――――――――――“個人のプライバシーや企業の営業秘密”を盾にする常套手段
個人のプライバシーに関係する内緒の行動なのだろうか?
政治と企業との間で関係する支出なら、それこそ、公にしないとダメである
小池氏:国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、「調査研究広報滞在費」の見直しを言及
岸田総理「支出可能な経費を何にするかや公開のあり方といった残された課題も議論を行うよう改めて党に指示を出した。今の国会で結論を出せるよう各党と議論していく」
旧文通費も結局有耶無耶にされてしまった……
―――――――――――――“今の国会で結論を出せるよう各党と議論していく”……これも「~していきたい」と同様
国民民主党舟山参議院議員会長:安倍派の所属議員へのキックバックをめぐり、派閥会長を務めた森元総理大臣の関与について
「いろいろな状況証拠や発言がある中で改めて聴取なりをすべきではないか。証言の音声データもあるようだが、確認したのか」
岸田総理
「これまでの党の調査に加え、政治倫理審査会の弁明や発言、追加の聴き取り調査を踏まえても森元総理大臣の具体的な関与を確認することはできていない」
―――――――――――――“確認することはできていない”も常套手段
確認していなくてもOK(嘘をついたことにはならない)
法に触れなければ、問題なし
収支報告書に議員の署名欄がなく、責任(罪)は秘書に押し付ける政治資金規正法だったが、今回も、違法にならない退避場所を設けるような自民党の緩々の改正案だった。
政治資金を、その管理団体から使途を記載する義務のない後援会に移し、使途を明らかにしなくても問題ないようにしていること自体が問題なのに、そこには全く手をつけようとしない。
収支報告書に無記載だったかどうかが、責任を問われる境界線というのも納得できない。
自民党案の主旨
《議員の責任を強化するため、収支報告書の「確認書」の作成を本人に義務づけた上で、会計責任者が虚偽の記載などで処罰された場合、内容を確かめずに「確認書」を作成していれば、議員の公民権を停止することを柱》としている
”確認書”??……「収支報告書に署名と押印」でよいのでは?
”会計責任者が虚偽の記載などで処罰された場合”……《会計責任者が処罰されるまでは、議員本人はフリー》というタイムラグが生じる。
”内容を確かめずに「確認書」を作成していれば、議員の公民権を停止する”……内容を確かめるのが「確認書」であるはずなのに、“内容を確かめずに確認書を作成する”可能性を想定するモノなのか?まるで、《秘書など他人任せで、書類を作成するのが一般的》という認識である。
それに、《内容を確かめて確認書を作成している》場合……つまり、収支報告書を故意にごまかした場合についてはどうなのか?
”議員の公民権を停止”……これも分かりにくい
こういった文言を堂々と主張するのが信じられない!
「~しなければならない」と「~する」は全然違う
政治資金規正法の改正について岸田総理の国会答弁は、前に進む意思が全く感じられなかった
自民党の田中昌史氏:派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について
「政治とカネの問題で国民に多大な政治不信を抱かせている。岸田総理大臣は今の国会で政治資金規正法を改正するとしているが、同時に重要なのは、自己規律のもとで法を順守する姿勢だ。再発防止に向けた意気込みを示してもらいたい」
岸田総理
「不記載の慣行が長年続けられてきた背景には、コンプライアンス意識の欠如や『長いものには巻かれる』という風土があったと感じている。法改正により制度面から再発防止を図ることは当然で、今の国会で実現し、あわせて運用面でも党の改革を進め、再発防止につなげていかなければならない」
―――――――――――――「いかなければならない」
立憲民主党の蓮舫氏:政治資金規正法の改正で、議員に収支報告書の「確認書」の作成を義務づけるなどとした自民党の案について
「会計責任者の処罰が確定していなければ『確認書』を提出しても国会議員には処分が連座しない。『なんちゃって連座』だ」
岸田総理
「議員が確認を怠った場合は本人の責任が問われることを『確認書』の提出で担保しようという内容だ。公職選挙法の『連座』と収支報告書の不記載に対する責任の厳格化はおのずと性格は異なる」
―――――――――――――“自ずと性格は異なる”という理由は?そもそもどう違うのだろうか
蓮舫氏
「私たちは、議員にも報告書の記載と提出を義務づけ故意や重過失があれば議員も処罰となる『連座制』を提案している。歩み寄る余地はあるか」
岸田総理
「この問題にはさまざまな議論や意見があり、自民党としても深めていきたい」
―――――――――――――「いかなければならない」の変形バージョン
日本維新の会の片山大介氏:自民党の案について
「与党の公明党にも促されようやく出されたが、中身を見ると本当にもの足りない。企業・団体献金や『政策活動費』の廃止も言及していない。これで十分だと思っているのか」
岸田総理
「再発防止に向けて議員の責任と透明性を強化する法改正は間違いなくやらなければならない。『政策活動費』などの問題も今後、与党や与野党の協議で議論していくという考え方を明記しており、この方針に従って深めていきたい」
―――――――――――――「いかなければならない」の変形バージョン
公明党伊藤孝江氏:派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について
「公明党の案ではパーティー券の購入者名の公開基準を引き下げるべきとしているが、自民党案では触れられていない。自民党案に固執せず、国民の信頼を得るため真摯(しんし)に検討し協議に臨んでもらいたい」(自民党に遠慮して、“検討し協議に臨んでもらいたい”と表現)
岸田総理
「与党協議で真摯に議論したい。自民党のとりまとめの中でも政治資金パーティー収入の透明性は課題として掲げており、これも含めて与党として協議していきたい」
―――――――――――――「したい」……「いかなければならない」の変形バージョンⅡ
―――――――――――――「いきたい」……「いかなければならない」の変形バージョン
共産党小池書記局長:政党から議員に支給される「政策活動費」をめぐり
「自民党以外はみんな見直そうと言っており、自民党が『うん』と言えば済む話だ。自民党だけがいかがわしい活動をやっていると思われてもしかたがない」
岸田総理
「個人のプライバシーや企業の営業秘密などの観点から使途を明らかにすることには慎重でなければならないが、それらを踏まえたうえで議論することを避けているものではない」
―――――――――――――“個人のプライバシーや企業の営業秘密”を盾にする常套手段
個人のプライバシーに関係する内緒の行動なのだろうか?
政治と企業との間で関係する支出なら、それこそ、公にしないとダメである
小池氏:国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、「調査研究広報滞在費」の見直しを言及
岸田総理「支出可能な経費を何にするかや公開のあり方といった残された課題も議論を行うよう改めて党に指示を出した。今の国会で結論を出せるよう各党と議論していく」
旧文通費も結局有耶無耶にされてしまった……
―――――――――――――“今の国会で結論を出せるよう各党と議論していく”……これも「~していきたい」と同様
国民民主党舟山参議院議員会長:安倍派の所属議員へのキックバックをめぐり、派閥会長を務めた森元総理大臣の関与について
「いろいろな状況証拠や発言がある中で改めて聴取なりをすべきではないか。証言の音声データもあるようだが、確認したのか」
岸田総理
「これまでの党の調査に加え、政治倫理審査会の弁明や発言、追加の聴き取り調査を踏まえても森元総理大臣の具体的な関与を確認することはできていない」
―――――――――――――“確認することはできていない”も常套手段
確認していなくてもOK(嘘をついたことにはならない)
法に触れなければ、問題なし
収支報告書に議員の署名欄がなく、責任(罪)は秘書に押し付ける政治資金規正法だったが、今回も、違法にならない退避場所を設けるような自民党の緩々の改正案だった。
政治資金を、その管理団体から使途を記載する義務のない後援会に移し、使途を明らかにしなくても問題ないようにしていること自体が問題なのに、そこには全く手をつけようとしない。
収支報告書に無記載だったかどうかが、責任を問われる境界線というのも納得できない。
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